アーシーかつゆったりうねる、そしてブルージーだったりソウルフルだったりする現アメリカン・ロックの代表的存在である大所帯バンドの公演、三軒茶屋・昭和女子大人見記念講堂。なんと最前列で見ちゃう。そんなの、1979年のO.V.ライト公演以来か。こりゃ、皆が立ちあがってもそうすることなしにゆったり見れるゾと思ったら、観客は見事におやじだらけでアンコールまでは立つ人はいなかったような。ステージ左右には、ライヴ録音用のマイクが立てられていた。

 基本、ステージに表れたミュージシャンは11人。ギターのデレク・トラックス(2004年5月20日、2006年11月20日)と奥さんのスーザン・テデスキ(歌とギター)に加え、キーボード/フルート、ベース、ドラム×2、ヴォーカル×2(コーラスとともに、1/3の曲ではリード・ヴォーカルも取ったりする)、テナー・サックス、トランペット、トロンボーン。キーボード奏者やシンガーの一人は昔からデレク・トラックスのバンドにいる人たちですね。また、ベーシストのティム・ルフェーブル(2010年2月19日)は在NYのフュージョン系奏者だが、さすがバンドの行き方に乗った演奏を聞かせる。蛇足だが、ルフェーブルとグループを組んでいるジャズ系ドラマーのキース・カーロック(2010年2月19日)も4月のトト(2011年9月27日)の来日公演にネイザン・イースト(2011年9月27日。彼、2月はエリック・クラプトン公演にも同行)とのコンビで来るようだ。

 ピックを使わない右手使いとスライド・バーを薬指にはまたりはめなかったりもする左手使いを見せるトラックスのギター演奏は、近くで見ることができたこともあって、こりゃすげえや。ほれぼれ。ただし、本当にギター一本やりで、歌おうとは一切しない人なのだな。一方、テデスキの歌はアルバムで聞くことができるものより、いいとも思えた。まあ、アルバムは正直に録っているわけで、それを歌う姿込みで受け取ることができると、感興が増すということだろう。そんな彼女、テデスキ・トラックス・バンドの2013年新作ではヴォーカルに専念しているが、ギター演奏においてはライヴでもあっさり触っている感じ。蛇足だが、彼女はMCをする際は声が高くなり、可愛らしく聞こえる。

 そんな陣容のもと、悠々。ただし、伸縮性には富むが、ジャム・バンド的に流れにまかせるという側面はほとんどなしで、曲はだらだらやらず、結構きちんとまとめていると感じた。バンド・サウンドの屋台骨を担うツイン・ドラムのあり方は、うれしい〜の一言。基本ともにレギュラー・グリップで叩く2人のドラマーは、こいつらデキてんのかという誤解を生みそうなほど、うれしそうに顔を見合わせてる場面が少なくなかった。

 それから、エリック・クラプトン(2006年11月20日)の信任も厚い、ホワイト・ブルース・ロッカーのドイル・ブラムホールⅡ(左利きなんだな。2006年11月20日)も数曲で加わる。彼は、デューク・エリントンからヴァン・モリソンまで数多の人が取り上げるブルージィ・スタンダード曲「セイント・ジェイムス・インファーマリー」などではリード・ヴォーカルもとった。ま、彼がいなくても良かったとは思うが、両者はこのあと一緒にインドのムンバイであるマヒンドラ・ブルース・フェスティヴァルに出演する。

▶過去のトラックス
http://43142.diarynote.jp/200405200442460000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061120
▶過去の、クラプトン、ブラムホールⅡ
http://43142.diarynote.jp/?day=20061120
▶過去のルフェーブル、カーロック
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
▶過去のネイザン・イースト、トト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/

<今日の、そういえば……>
 ここ数年(いや、もっと前?)変化が出て来ていると感じるのは、枕の好み。より堅いのが好きになっているうえに、高さを持つものが好きになっている。今、固めの枕を重ねて使っているもの。それ、健康上はどうなのだろう?

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