16 時から南青山・REDSHOESで、ベースと歌のジャック・ブルース(2008年12月16日)、ギターと歌のChar (2002年3月12日、2008年4月20日、2008年6月12日、2008年10月5日、2009年7月25日、2017年7月31日、2018年4月6日)、ドラムの屋敷豪太(1999年7月31日、2006年4月2日、2015年11月19日, 2017年8月8日、2017年10月21日)の3人が、クリーム関連曲(選ばれる曲はファーストから4作目まで。まんべんなく)に臨んだライヴを収めた映像作品の上映会に臨む。2012年8月2日、六本木・ビルボードライブ東京の模様を収めたもので、いくつかのカメラでショウを追っており、商品化を意識して撮られたのではないか。

 1曲めはインスト曲で、2曲め以降はヴォーカル・ナンバーだが演奏部はたっぷり取られ、クリームの様式に則る3人のかみ合いも存分に受け取ることができる。ブルースは早弾きをプリプリしながら、歌う。「クロスード」と「バッジ」はCharがリード・ヴォーカルを取るが、オリジナルでエリック・クラプトン(2006年11月20日)がリードを取っていた曲を彼は歌っているのか。言わずもがな、ギター演奏は当時のクラプトンのそれを十全に咀嚼する。屋敷豪太もめちゃ嬉しそうに叩き、ときにくっきりとコーラスを入れる。おお、やはりジンジャー・ベイカー(2012年11月21日)のそれをモノにしている演奏を聞くと、彼も原点にあるのはこの辺なのかと思わせられる。

 クリームの有名曲というと、「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」と「ホワイト・ルーム」がまず思い出されるし、3人もここで演奏しているが、なるほどこの二つはマイナー・コードを用いる曲だ。メジャー・コード大好きなぼくは、少年期にだから過剰にクリームにハマることはなかったのかと思ったりもした。のちに、「ホワイト・ルーム」の不思議な含みには頷けるようにもなったが。ともあれ、クリームというバンドはいろんな要素を織り込んでいたというのはおおいに認識できたし、1960年代下半期にベイカー、ブルース、クラプトンの3人はブルースやジャズを基に置く、技ありのハイブリッドなロックを作ったんだなと了解できた。そして、そのオリジネイターの三分の一と、それに胸を焦がした日本人が重なった公演は、クリームが当時抱えていた神通力を示唆してあまりある。この映像は、有料配信にて公開されるようだ。

▶過去の、ジャック・ブルース
http://43142.diarynote.jp/?day=20081216
▶︎過去の、チャー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm マイク・クラーク・バンド
http://43142.diarynote.jp/200804220006510000/
http://43142.diarynote.jp/200806180850060000/
http://43142.diarynote.jp/200810061857413394/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201708081443281390/
https://43142.diarynote.jp/201804071041255956/
▶過去の、屋敷豪太
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/julylive.htm 7月31日、シンプリー・レッド
http://43142.diarynote.jp/200604050124430000/ニトロ・マイクロフォン・アンダ
ーグラウンド
http://43142.diarynote.jp/201511200934467321/ 小坂忠、The Renaissance
http://43142.diarynote.jp/201708141221583726/ DUBFOECE
https://43142.diarynote.jp/201710240957109863/ The Renaissance
▶︎過去の、エリック・クラプトン
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
▶︎過去の、ジンジャー・ベイカー
https://43142.diarynote.jp/201211231437358985/
https://43142.diarynote.jp/201910070759405954/ 訃報

 そして、その後は本当のビルボードライブ東京に行く。18時からのセカンド・ショウで、出演者はクレイジー・ケン・バンド。うひょ、ぼく、CKBのライヴを見るのは初めてなんだよー。2曲めだったか、オリジナル・ラヴ(2002年7月7日、2010年5月23日、2014年5月5日)の「接吻」をやってびっくり。あまりにも自然で一瞬、この好メロディ/情緒曲ってCKBの曲だったっけとボケる。なんでも、ファン・クラブでカヴァー曲を募り、その流れのカヴァーのようだ。

 3管を含む、全11人による実演。ほぼ、なんとなく頭のなかに描いていた像とそれほど乖離しないものを受け取る。やっぱり断片的なものでも、印象が鮮やかで、強いんだろうな。ときに芝居っ気もあるステージ運びのもと、メロウ・ソウルの洒脱さや豊饒さを音楽性の柱にし、いろんな要素を折衷したポップスをいろんなやり方で送り出す。もちろん、真ん中にいるのは横山剣だが何気に民主的と言うか、皆で表現を作っていきたいという意思を感じもした。また、ヨコハマの都会感や男の照れをいい隠し味にして、キャラクタリスティックな表現に邁進していると思った。

 なんとなく横山剣の歌声が枯れているかなと思っていたら、MCで今新作レコーディング中で少し声が枯れいるというようなことを言う。もし何かと煮詰まるだろうレコーディングの気分転嫁のような感じで、自分たちの過去や聞き手を再認識するためにライヴをその最中に持ったとしたら、それはクールだなと思ってしまう。

▶過去の、田島貴男/オリジナル・ラヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 7日
http://43142.diarynote.jp/?day=20100523
https://43142.diarynote.jp/201405071013173150/

<今日の、納得>
 昨日の番外編で触れたが、ビルボードライブ東京もアルコールは提供なし。なるほど、これでライヴをやる場はアルコール解禁になっていないというのが分かった。こんなところにも、ライヴ関連産業が軽んじられ&いじめられているを実感した。レッドシューズでは飲めた。そういえば、だいぶ昔に知人が横浜の山下町の外車ディーラーが一階に入っているマンションを買ったら、CKBの事務所があるのか、ときにエレヴェイターで横山と会うというようなことを言っていたっけ。ものすごく、人当たりがいいとも。一昨年病気で亡くなってしまった彼女のことをふと思い出し、少ししんみり。

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