ANSWER TO REMEMBER

2021年4月11日 音楽
 ブルーノート東京、セカンド・ショウ。ソーシャル・ディスタンシング考慮のため間引き着席がなされているとはいえ、満席。客は若めの人が多い。出演者もまた、同様だ。

 石若駿(2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日、2017年7月12日、2019年1月21日、2019年3月16日、2020年10月29日)がその引き出しをいろいろ開けたジャズ・ビヨンド作『ANSWER TO REMEMBER 』(ソニー)を出して、もう1年半が経つのか。ここでの実演予定が2度飛び(一度は無観客配信したよう)、やっと人前での実演披露となるようだ。冒頭から石若はハイ、かなり高揚してショウに望んでいるのが分かり、彼の歓びが感じられた。

 ドラムを叩きならショウを進行する石若に加え、アルト・サックスとギターのMELRAW、アルト・サックスの中島朱葉、テナー・サックスのトモキ、トランペットの佐瀬悠輔(2017年9月24日)と黒田卓也(2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日、2014年5月25日、2015年1月30日、2015年2月15日、2016年9月17日、2016年12月16日、2017年7月12日、2018年2月21日、2018年4月4日 、2018年9月21日、2019年1月21日)、ピアノとキーボードの海堀弘太と若井優也、キーボードのトニー・サッグス、電気べースとダブル・ベースのマーティ・ホロベック(2019年3月16日)、電気ベースの新井という面々がステージで演奏する。ずっとステージにいた石若とホロベックと海掘以外は、いろいろ出たり入ったり。各人は適材適所でソロのパートを与えられる。特に佐瀬はいい奏者だなと、ぼくは感じた。また、ホロベックもいろんな弾き方で曲に添う。

 また、半数は肉声入りの曲で、歌のermhoi、ラップのJuaとKID FRESINO( 2020年1月19日)も入る。たしか先に触れたアルバムには入っていなかった女性シンガーのermhoiはしなやかにスキャットを宙に回せる実力者でへえ。彼女は3曲でフィーチャーされた。自己作ではヒップホップ超えの現代ビート・ミュージックを作っているKID FRESINOはラッパーとして十全にパフォーマンスした。

 おもしろかった。ジャズ、ヒップホップ、R&B、フュージョン……いろいろな定点を俯瞰し、行き来し、交錯させる。ポイントは、山ほど。でも、同世代有志を掌握し、ジャズ素養を下に置いたハイブリッドな音楽をやっていこうという意思は通底する。それにしても、この情報量の多い出し物をよく80分にまとめたな。石若は、本当にすばらいいキュレイター。もとい、優秀な作曲者であり(新曲も複数やった)、好ドラマー(随時、すべて彼のドラミングが下敷きになっていたが、ソロのパートはなかった)だなあというのを改めて実感した。偉いえらい偉い。

▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170621
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
https://43142.diarynote.jp/?day=20180404
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
https://43142.diarynote.jp/201903171331065828/
https://43142.diarynote.jp/202010300958115053/
▶︎過去の、佐瀬悠輔
https://43142.diarynote.jp/201709261222472364/
▶過去の、黒田卓也
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079/
http://43142.diarynote.jp/201501310942048841/
http://43142.diarynote.jp/201502170939564537/
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
http://43142.diarynote.jp/201804051207119119/
https://43142.diarynote.jp/201809221638262424/
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
▶︎過去の、マーティ・ホロベック
https://43142.diarynote.jp/201903171331065828/
▶︎過去の、KID FRESINO
https://43142.diarynote.jp/202001201340286359/

<今日の、変化>
 この1週間で3度のブルーノート東京行きじゃ。ジャズ・ジャパン誌とか日経新聞とか、ライヴ評が絡んでいる。これ以前に同所に行ったのはだいぶ前、……思い出せない。とにかく久しぶりであるのは、表参道駅からブルーノートに向かう道すがら、いろんな変化を認めて実感した。あちこちに空いた店舗が見てとれ、おしゃれなビルの一階店舗がファミリー・マートに変わっていたり。そして、港区の児童センターみたいな建物がしっかりできていた。時は流れているなあ。それ、近隣住民がエゴで建設反対運動をし、一時すごく注目されたところ。ブルーノート入場時のモニター・ヴィジョン体温計測は、3回とも36,5度少し下。ほかのところの手首に光を当てる検温だと、35度半ばぐらいの数値しか出ないので、なんか新鮮でうれしくもある? 明日から、まん延防止等重点措置(って、一体なんなの?)のため多くの店舗の閉店はまた20時になるのか。

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