六番町・インスティトゥト・セルバンテス東京で、ルーマニアのチームを最後に今春に引退した、元ブラジル代表の攻撃的ミッドフィールダーのジュリオ・バティスタのトーク・イヴェントに接する。1981年サンパウロ生まれで、ものすごーく健やかそうな人。バイシクル・キックが得意で身体能力にとっても長けていそうな彼、筋肉質ではあったが意外にそんなにデカくはない。

 2000年代前半にサンパウロFCからスペインのセビーリャに移り活躍、それが認められレアル・マドリードに移籍し3年間在籍(うち、1年は英国のアーセナルにレンタルされた)、その後もイタリアのローマ、スペインのマラガ、ブラジルのクルゼイロ、米国のオーランドと渡り歩いたが、やはりリーガ・エスパニョーラの選手という印象が強いだろう。実際、スペインの公的施設での催しということもあり、スペインでの選手活動を中心に話は進められる。彼はスペイン語で受け答えした。最後にお客からの質問も受けたが、皆さんスペイン語で質問していたのには少し驚く。

 ユーモアもありおしゃべり上手な人で、それが度量が広いという所感にもつながる。セヴューリャ対ベティス(2008年11月2日)のダービー、マドリード対バルセロナ(2007年10月28日)のクラシコは最高に燃えるという話に心踊る。久保建英(2016年11月7日)が加入するマドリードのBチームの監督を今年から務めるチーム・メイトだったあのラウール・ゴンザレスと一緒に彼は指導者ライセンスを取ったそうで、バティスタも指導者になりたそうでもあった。そして、カナリア色のユニフォームを着ることがいかに誇らしいことかも彼は語った。

 繰り返すが、会話の内容が豊富で、うまい。やっぱ、てっぺんに近いものを得た人はすごいと皮膚感覚で思わせられる。いやあ、感心しっぱなし。そして、最終的にフットボールの素晴らしさ、フットボール選手の誉れをくっきりと出すのだから、舌を巻く。また、何気にスペインの良さも織り込んだりして(話を聞きながら、また行きたくなりました)、彼は今ラ・リーガ(スペインのプロ・リーグの総称)のアンバサダーを勤めているそうだが、そういう観点からも100点満点のスピーカーではないか。次の用事があったので、話が終わるとすぐに会場を退出したが、彼は気さくに来場者との写真撮影にも応じたようだ。

▶︎過去の、レアル・ベティスの試合
https://43142.diarynote.jp/200811090012264277/
▶︎過去の、バルセロナの試合 
https://43142.diarynote.jp/200711080728570000/
▶︎過去の、久保建英のJ3の試合
https://43142.diarynote.jp/201611101703321633/ 欄外 

 その後は新宿ピットインで、ピアニストのスガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日、2017年7月8日、2019年5月30日、2019年6月14日、2019年7月8日)7デイズ企画の、3日目を見る。この晩は彼と4人のドラマー、本田珠也(2000年5月9日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年10月13日、2007年12月4日、2011年5月5日、2012年7月16日、2013年7月27日、2015年5月20日、2018年1月19日、2018年4月7日)、吉田達也(2006年1月21日、2013年2月11日)、今泉総之輔(2009年6月16日、2011年4月22日、2019年7月8日、2019年3月29日)、そして石若 駿( 2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日、2017年7月12日、2019年1月21日、2019年3月16日)という酔狂な組み合わせだ。

 そんな陣容でどんなことやるんじゃいと思っていたら、会場に入ってびっくり。ピアノはステージ中央にあり、ドラムのキットはそれぞれ客席の四隅に置かれている。客はドラマーたちに囲まれるように内側に座り、ステージ上にも椅子は置かれていた。盛況で、立ち見も多数。そして、その後はうひょう、そっかーの繰り返しとあいなった。

 まず本田が叩きスガとのデュオを繰り広げ、本田のソロの終盤から今泉が重なり、しばらくすると今泉が一人で叩き、そこにスガが入り……、以下同様のフォーメイションのもと、石若、吉田と叩き手が移っていく。皆んな、うれしそう。そして、最後はドラマー4人は一緒に叩き大団円、その際は花火大会の最後の大きな花火の連発タイムの如し。と、それが1部。まあ、文字にするとなんか味気ないが、面白すぎる。

 2部は本田と石若、吉田と今泉という基本ツイン・ドラムの流れのもと、スガが指を踊らせる。うひゃひゃひゃひゃ。終盤は4人が短いヴァースを次々につないでいったりもした。そして、アンコールは、クイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」だったか。もう楽しくも、爽快きわまりなし。こういうバカ行為、わちゃくちゃがちゃんと成り立つのはジャズゆえ。この山あり谷ありの狼藉パフォーマンス群は、ジャズの支持層の広がりにもつながるはずとも思えた。

▶過去の、スガダイロー
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/200907131158382767/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201603011023174338/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
http://43142.diarynote.jp/201704131639031673/
https://43142.diarynote.jp/201707101243147840/
https://43142.diarynote.jp/201905310800294940/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/ 取材
https://43142.diarynote.jp/201907091307078386/
▶過去の、本田珠也
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm 菊地雅章
http://43142.diarynote.jp/200410162306570000/
http://43142.diarynote.jp/200712151621260000/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201207180824136323/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201505211022511238/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
▶︎過去の、吉田達也
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
▶︎過去の、今泉総之輔/quasimode
https://43142.diarynote.jp/201104270527324850/
https://43142.diarynote.jp/200906181210154217/
https://43142.diarynote.jp/201907091307078386/
▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170621
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
https://43142.diarynote.jp/?day=20180404
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
https://43142.diarynote.jp/201903171331065828/

<今日は、体験の日>
 いやあ、いいもん聞かさせてもらいました、いいもん見せてもらいましたという日。山ほどの美味しい感興を受けて、そのアフター飲みを含めて、これだから夜遊びはやめられない。

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