マーカス・ミラー(1999年11月12日、2001年 6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日)はここのところ、若手をそろえたギターレスのカルテット陣容で活動している。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 アルト・サックスのアレックス・ハン(2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日)、トランペットのマーキス・ヒル(2016年9月17日、2017年1月7日、2017年1月16日)、キーボードのブレット・ウィリアムズ(2013年9月3日、2015年2月21日)、ドラムのアレックス・ベイリー(2016年9月17日、2017年1月7日)という布陣。ソロがフィーチャーされる回数は二人の管楽器奏者が多いが、彼らが袖に引っ込み、ミラー+リズム隊の3人でことにあたる局面もかなりあり。もう、御大は自信たっぷりに(←まあ、それが当然と思える演奏なんだけど)エレクトリック・ベースを弾きまくる。

 耳に覚えがない曲もやったが、それは7月に出る新作『レイド・ブラック』からの曲? でも、そうだったらMCでちゃんとそう紹介するか。その新作は、いろんなところで録り、いろいろと地域的&音楽的属性を広げた『アフロディジア』の反動もあるのか、米国各所で録音されているものの、わりと穏健で背伸びしない仕上がり(ゲストはジョナサン・バトラー、テイク6、カーク・ウェイラム、トロンボーン・ショーティなど)を見せる。昨年出た映画「マーシャル」のサントラのほうが間口は広い。ともあれ、巧みにMCに日本語を混ぜたり、おなじみの曲をやるにしてもハミングをいれて唱和させたりとか、いろいろ上積みありの万全の実演でありました。

▶︎過去のマーカス・ミラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm 
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
▶︎過去の、アレックス・ハン
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
▶過去の、ブレット・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
▶︎過去の、マーキス・ヒル
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
http://43142.diarynote.jp/201701171118107802/
▶︎過去の、アレックス・ベイリー
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
▶︎過去の、マーキス・ヒル、カレブ・マッキャンベル、アレックス・ベイリー
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/

 その後は、丸の内・コットンクラブ。キューバ人ピアニストのアクセル・トスカがやはり在米キューバ人ドラマーであるアマウリ・アコスタと組んだグループである(ユ)ニティを見る。二人に加え、トスカの過去のソロ名義作にも参加しているアルト・サックスのマックス・カドワース、ギター奏者マイケル・ヴァリーヌ(2016年4月27日)、ベース奏者のジョシュア・クランブリー(2013年9月11日、2015年11月10日)という演奏陣。さらに、曲によってはJ・ホードがシンガーとして加わる。ちょいインド系の血が入っているようにも思える彼、コクはないが、すんごい歌える人だった。

 なんとなく想像はしていたが、フュージョンぽいのには驚く。歌が入る場合はソウル・ビヨンドといった感じ(歌詞は英語)で、どちらにせよラテンぽさはあまりない。トスカは米国との関係を介しキューバ音楽の広がりを描いたドキュメンタリー映画『Cu-Bop across the border』でフィーチャーされ知名度を得て、今回の3日間の公演も実現したはず。お客はラテン音楽愛好者が多かったと思われるが、どんな感想を持ったろうか。あと、すべてエレクトリック・ベースを弾いたクランプリーの味のない演奏には???となった。それ、ミラーを聞いた後だったせいもある? その分、アコスタの良い音色のドラムは対比的にいいなと感じることができた。

 亡命しNY に住んで15年ほどたつらしいトスカだが、MCも手慣れた感じで英語でする。変な髪型でガタイも大きく、見栄えはOK。で、地声もデカそうでいかにもナイス・ガイぽい、友達になりたいタイプだな。ギタリストはフランス人だし、これはいろんな文化を背負った人たちがNYという交差点を介して出会い、共有できる語彙を交わし合うユニットであるのだと、生気に満ちたアンコールのブルース変形曲を聞きながら、ぼくは思った。

▶︎過去の、ジョシュア・クランブリー
http://43142.diarynote.jp/?day=20130818
http://43142.diarynote.jp/201511120022503788/
▶︎過去の、マイケル・ヴァリーヌ
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/
http://43142.diarynote.jp/201605141103337291/

<今日の、邂逅>
 コットンクラブには、映画『Cu-Bop across the border』を監督した 高橋慎一がいた。映画つくったんですよと電話をもらったことはあったが、ちゃんと会うのは10年ぶりぐらいか。まずは労いの言葉とともに、続編への期待を伝える。彼、写真家が本業だがラテン好きでキューバには何度も行っていて、デスカルガのCDを複数自主リリースしていたりしたんだよな。が、彼が今作っているのは日本のロック・バンドのザ・フールズのドキュメタリーだという。そしたら、隣に座っていたのはやはり10年ぶりぐらいに会う同業の志田歩で、高橋は彼と一緒に作業をすすめているという。

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