Torios 2018
2018年4月7日 音楽 こだわりインディ・レーベルのソングXジャズが企画、同レーベルに関わる4つのトリオが出る帯公演(各出演者は、入れ替えによる)を続けて見る。14時から21時すぎまで、延々見るのは大変かなあと危惧したら、それぞれ創意と緊張と個性があり、しんどさは感じず。めでたし。4組はそれぞれ、75分ほどのショウを繰り広げた。会場は、渋谷・ラトリエby apc。そこは、ヴァイオリン他フランスの弦楽器を輸入している会社が持つサロンのよう。通常はお酒のサーヴはしていないはずだが、お酒を売っていたのは大マル。ピアノは“Shigeru Kawai”のコンパクト型モデルが持ち込まれており、調律は各ショウごとになされていたようだ。
+Shin-ichiro Mochizuki Trio 『Another Vision』
ピアノの望月慎一郎、テナー・サックスの橋爪 亮督 、コントラバスの落合 康介による。欧州ジャズ的な、機微を漂わせん。3者が精緻に噛み合い、一筋縄でいかない散文調の文様を描くような音を送り出す。ベースレスの変則編成を取っていることに表れるように、従来の米国型ジャズのひな壇から離れて、アートな心象音楽を浮かび上がらせたいという意思は横溢。ソングXジャズ発の2枚のアルバムからの曲を演奏したようだが、自作曲とともにECMと関係が近かった故ケニー・ウィーラーの曲も演奏していた。望月はジャズにやられつつ、エンジニアにも憧れ工学部に進み、今は長野県に住み技術開発者とジャズ演奏家の二足のわらじを履いているようだ。
+Jun Furuya the otherside trio 『Southbound』
ピアノの古谷 淳 、コントラバスの:千北 裕輔 、ドラムの服部 正嗣 (2010年5月13日 、2012年3月21日)による。リーダーは高校時代から米国留学し、グリーンカードを取得するなどしたものの、今は甲府を拠点にしているよう。普段はテナー・サックスの西口明宏(2016年7月21日)も入ったカルテットで活動しているようだが、この日は趣旨に倣いトリオの編成を取ったとか。というのはともかく、頭のピアノの2、3音のポーンという響きだけで、ぼくは持っていかれた。うわ、この響きはなんなの。思わず古谷のピアノ演奏音にはエフェクトがかけられているのかとも思ったが、巧みなペダル使いと弾き方で印象的な響きを獲得しているみたいだ。そのピアノ音からすると耽美的なものを送り出すのは、まずは順当。だが、実は端々から黒人ジャズへの彼なりの共感〜それは不埒さとも重なるし、ビル・エヴァンス的とも言えるのか? ぼくは何気にエヴァンスのソロは黒さを孕むと感じている〜も出していて、最後は少しグルーヴィなピアノの弾き方をするブルースも披露。リズム・セクションは曲によっては一部手拍子をしたりコーラスを取ったりとトリオ音に変化をつけたりもし、それも大あり。いい、現代ジャズを送り出していると思った。
▶︎服部 正嗣
http://43142.diarynote.jp/201005141220301577/
http://43142.diarynote.jp/201203260805006088/
+Shinya Fukumori Trio『For 2 Akis』
ドラムの福盛 進也 (2018年1月7日 )、仏人テナー・サックスのマテュー・ボルデナーヴ 、独人ピアニストのウォルター・ラングによる、ミュンヘンに拠点を置くトリオ。福盛は高校時代から米国に留学し、複数の音大を出たりした後に、ECMのジャズ表現にひかれてドイツに移住。そして、見事に自身のトリオで同社との契約を勝ち取った人物だ(ソングXジャズは日本のマネージメントを担当する)。そのECM盤『For 2 Akis』リリースをフォロウする日本ツアーを彼らはやっていて、この日がその最終日となる。さすがに、彼らのショウが一番客の入りが良かった。福盛のブラシやマレットも用いる(二つあった、長めのドラム・ソロはともにブラシで行う)ドラミングは伸縮自在。独自のモードを持つボルデナーヴとラングの重なり音に自在に反応するドラミングの様は羽が生えたようとも書きたくなるか。実は福盛は昭和フォークも好きな人で、日本の楽曲もイマジネイティヴにアレンジすることで他の欧州/ECM系ジャズにない、エキゾな歌心を獲得しているのは要点。欧州と日本、それぞれの侘び寂びの交差点からインプロヴィゼーショナルな余白を浮かび上がらせるトリオとも言いたくなる。実は、東洋的な心証も理解できるということで、この二人の欧州人とトリオを組むことに、福盛はしたのだそう。この日は、「荒城の月」、遠藤賢司の「カレーライス」、「満月の夕」などの日本曲を披露した。
▶︎過去の、福盛 進也
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
+Tamaya Honda ICTUS Trio 『ICTUS』
ドラムの本田 珠也(2000年5月9日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年10月13日、2007年12月4日、2011年5月5日、2012年7月16日、2013年7月27日、2015年5月20日、2018年1月19日)、コントラバスの須川 崇志(2010年3月14日、2011年7月25日、2016年6月27日、2017年6月21日、2018年1月19日)、ピアノの佐藤 浩一 (2014年10月22日、2016年7月11日、2017年10月27日、2018年1月7日)による。この3人が重なった『ICTUS』はずばり菊地雅章(1999年11月3日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日)へのオマージュ、日本ジャズ・マン中もっともワールドクラスな力量を持った菊地(彼はECM契約日本人第一号アーティスト。二番目が福盛となる)に代表されるリアル・ジャズ・ピアノ表現への熱い思いが根底にある。もう情と技と研ぎ澄まされた発想がうねり、とぐろを巻き、ときに湧き上がり、聞く者にあまりに不条理な快感をこれでもかと投げ出す。素材は菊地も取り上げたポール・ブレイ(1999年6月1日)と近かったころのカーラ・ブレイ(1999年4月13日、2000年3月25日)曲や佐藤のオリジナル、そしてスタンダードも1曲。アンコールは、菊地雅章が娘に書いた、「リトル・アビィ」……。
▶過去の、本田珠也
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm 菊地雅章
http://43142.diarynote.jp/200410162306570000/
http://43142.diarynote.jp/200712151621260000/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201207180824136323/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201505211022511238/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
▶︎過去の、須川崇志
http://43142.diarynote.jp/201003191715113498/
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160627
http://43142.diarynote.jp/201706220952582448/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
▶︎過去の、佐藤浩一
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
http://43142.diarynote.jp/201607121045394372/
http://43142.diarynote.jp/201711020707155260/
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
http://43142.diarynote.jp/201507091044561526/ インタヴュー
http://43142.diarynote.jp/?day=20160611 遺作について
▶過去の、ポール・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm
▶過去の、カーラ・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
<今日の、裏のイヴェント>
ちょうど四谷では、村井康司の「現代ジャズのレッスン」(アルテス・パブリッシング)刊行を受けてのトーク・イヴェントが行われていたはず。2000年に河出書房新社から出たものに、追加の章とビル・フリーゼル(2000年7月21日、2006年5月14日、2009年5月8日、2011年1月30日、2017年1月12日、2017年1月13日、2017年6月19日)とダニー・マッキャスリン(2012年12月17日、2013年12月17日、2017年2月2日、2017年6月7日 )のインタヴューをつけた体裁をとる。モダン・ジャズ/ハード・パップが完成し、どんどん広がりを見せる年となった1959年を起点に置いた書。59年以降のジャズの動きを豊穣かつダイナミックに書き記したオリジナルを読んでおらず、今回ぼくはちらちらとページをめくっているが、タイム・ラグはほぼない。たとえば、<1959年を聴く[2]、ジョン・コルトレーンとオーネット・コールマン>という章。移動感覚に溢れている「ジャイアント・ステップス」がそんなにコード・チェンジの多い曲だとは知らなかった。そこらあたりのそうなんでうかあ的シャープな言及は、さすがジャズ研に入っていて演奏をしていた人と思わずにはいられない。そこらへん、一発でコードが拾えるものが多いロック・バンドを組んでいたぼくとは違いますね。とはいえ、きっちりジャズを通っていながら、ジャズ至上主義〜一辺倒にはならず、索引にはキャロル・キング、ザ・マザース、リオ・ノセンテリ、マーヴィン・ゲイといった非ジャズの担い手の名前がいろいろと入っている。なるほど、彼はジャズという即興を伴うスリルと深み満点の表現を通して、幅広く同時代音楽を見続けているのダと思わずにはいられない。また、お酒大好き人間の太っ腹さやフランクさやおっというひらめきが効いているとも指摘できるはずだ。
▶過去の、ビル・フリゼール
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200605160543260000/
http://43142.diarynote.jp/200905101005501321/
http://43142.diarynote.jp/201102091715522875/
http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
http://43142.diarynote.jp/201701141241544133/
http://43142.diarynote.jp/201706190940184750/
▶︎過去の、ダニー・マッキャスリン
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201312181034409673/
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
http://43142.diarynote.jp/201706081034584863/
+Shin-ichiro Mochizuki Trio 『Another Vision』
ピアノの望月慎一郎、テナー・サックスの橋爪 亮督 、コントラバスの落合 康介による。欧州ジャズ的な、機微を漂わせん。3者が精緻に噛み合い、一筋縄でいかない散文調の文様を描くような音を送り出す。ベースレスの変則編成を取っていることに表れるように、従来の米国型ジャズのひな壇から離れて、アートな心象音楽を浮かび上がらせたいという意思は横溢。ソングXジャズ発の2枚のアルバムからの曲を演奏したようだが、自作曲とともにECMと関係が近かった故ケニー・ウィーラーの曲も演奏していた。望月はジャズにやられつつ、エンジニアにも憧れ工学部に進み、今は長野県に住み技術開発者とジャズ演奏家の二足のわらじを履いているようだ。
+Jun Furuya the otherside trio 『Southbound』
ピアノの古谷 淳 、コントラバスの:千北 裕輔 、ドラムの服部 正嗣 (2010年5月13日 、2012年3月21日)による。リーダーは高校時代から米国留学し、グリーンカードを取得するなどしたものの、今は甲府を拠点にしているよう。普段はテナー・サックスの西口明宏(2016年7月21日)も入ったカルテットで活動しているようだが、この日は趣旨に倣いトリオの編成を取ったとか。というのはともかく、頭のピアノの2、3音のポーンという響きだけで、ぼくは持っていかれた。うわ、この響きはなんなの。思わず古谷のピアノ演奏音にはエフェクトがかけられているのかとも思ったが、巧みなペダル使いと弾き方で印象的な響きを獲得しているみたいだ。そのピアノ音からすると耽美的なものを送り出すのは、まずは順当。だが、実は端々から黒人ジャズへの彼なりの共感〜それは不埒さとも重なるし、ビル・エヴァンス的とも言えるのか? ぼくは何気にエヴァンスのソロは黒さを孕むと感じている〜も出していて、最後は少しグルーヴィなピアノの弾き方をするブルースも披露。リズム・セクションは曲によっては一部手拍子をしたりコーラスを取ったりとトリオ音に変化をつけたりもし、それも大あり。いい、現代ジャズを送り出していると思った。
▶︎服部 正嗣
http://43142.diarynote.jp/201005141220301577/
http://43142.diarynote.jp/201203260805006088/
+Shinya Fukumori Trio『For 2 Akis』
ドラムの福盛 進也 (2018年1月7日 )、仏人テナー・サックスのマテュー・ボルデナーヴ 、独人ピアニストのウォルター・ラングによる、ミュンヘンに拠点を置くトリオ。福盛は高校時代から米国に留学し、複数の音大を出たりした後に、ECMのジャズ表現にひかれてドイツに移住。そして、見事に自身のトリオで同社との契約を勝ち取った人物だ(ソングXジャズは日本のマネージメントを担当する)。そのECM盤『For 2 Akis』リリースをフォロウする日本ツアーを彼らはやっていて、この日がその最終日となる。さすがに、彼らのショウが一番客の入りが良かった。福盛のブラシやマレットも用いる(二つあった、長めのドラム・ソロはともにブラシで行う)ドラミングは伸縮自在。独自のモードを持つボルデナーヴとラングの重なり音に自在に反応するドラミングの様は羽が生えたようとも書きたくなるか。実は福盛は昭和フォークも好きな人で、日本の楽曲もイマジネイティヴにアレンジすることで他の欧州/ECM系ジャズにない、エキゾな歌心を獲得しているのは要点。欧州と日本、それぞれの侘び寂びの交差点からインプロヴィゼーショナルな余白を浮かび上がらせるトリオとも言いたくなる。実は、東洋的な心証も理解できるということで、この二人の欧州人とトリオを組むことに、福盛はしたのだそう。この日は、「荒城の月」、遠藤賢司の「カレーライス」、「満月の夕」などの日本曲を披露した。
▶︎過去の、福盛 進也
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
+Tamaya Honda ICTUS Trio 『ICTUS』
ドラムの本田 珠也(2000年5月9日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年10月13日、2007年12月4日、2011年5月5日、2012年7月16日、2013年7月27日、2015年5月20日、2018年1月19日)、コントラバスの須川 崇志(2010年3月14日、2011年7月25日、2016年6月27日、2017年6月21日、2018年1月19日)、ピアノの佐藤 浩一 (2014年10月22日、2016年7月11日、2017年10月27日、2018年1月7日)による。この3人が重なった『ICTUS』はずばり菊地雅章(1999年11月3日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日)へのオマージュ、日本ジャズ・マン中もっともワールドクラスな力量を持った菊地(彼はECM契約日本人第一号アーティスト。二番目が福盛となる)に代表されるリアル・ジャズ・ピアノ表現への熱い思いが根底にある。もう情と技と研ぎ澄まされた発想がうねり、とぐろを巻き、ときに湧き上がり、聞く者にあまりに不条理な快感をこれでもかと投げ出す。素材は菊地も取り上げたポール・ブレイ(1999年6月1日)と近かったころのカーラ・ブレイ(1999年4月13日、2000年3月25日)曲や佐藤のオリジナル、そしてスタンダードも1曲。アンコールは、菊地雅章が娘に書いた、「リトル・アビィ」……。
▶過去の、本田珠也
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm 菊地雅章
http://43142.diarynote.jp/200410162306570000/
http://43142.diarynote.jp/200712151621260000/
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▶︎過去の、須川崇志
http://43142.diarynote.jp/201003191715113498/
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
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▶︎過去の、佐藤浩一
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▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
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▶過去の、ポール・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm
▶過去の、カーラ・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live1.htm
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<今日の、裏のイヴェント>
ちょうど四谷では、村井康司の「現代ジャズのレッスン」(アルテス・パブリッシング)刊行を受けてのトーク・イヴェントが行われていたはず。2000年に河出書房新社から出たものに、追加の章とビル・フリーゼル(2000年7月21日、2006年5月14日、2009年5月8日、2011年1月30日、2017年1月12日、2017年1月13日、2017年6月19日)とダニー・マッキャスリン(2012年12月17日、2013年12月17日、2017年2月2日、2017年6月7日 )のインタヴューをつけた体裁をとる。モダン・ジャズ/ハード・パップが完成し、どんどん広がりを見せる年となった1959年を起点に置いた書。59年以降のジャズの動きを豊穣かつダイナミックに書き記したオリジナルを読んでおらず、今回ぼくはちらちらとページをめくっているが、タイム・ラグはほぼない。たとえば、<1959年を聴く[2]、ジョン・コルトレーンとオーネット・コールマン>という章。移動感覚に溢れている「ジャイアント・ステップス」がそんなにコード・チェンジの多い曲だとは知らなかった。そこらあたりのそうなんでうかあ的シャープな言及は、さすがジャズ研に入っていて演奏をしていた人と思わずにはいられない。そこらへん、一発でコードが拾えるものが多いロック・バンドを組んでいたぼくとは違いますね。とはいえ、きっちりジャズを通っていながら、ジャズ至上主義〜一辺倒にはならず、索引にはキャロル・キング、ザ・マザース、リオ・ノセンテリ、マーヴィン・ゲイといった非ジャズの担い手の名前がいろいろと入っている。なるほど、彼はジャズという即興を伴うスリルと深み満点の表現を通して、幅広く同時代音楽を見続けているのダと思わずにはいられない。また、お酒大好き人間の太っ腹さやフランクさやおっというひらめきが効いているとも指摘できるはずだ。
▶過去の、ビル・フリゼール
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http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
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▶︎過去の、ダニー・マッキャスリン
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201312181034409673/
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
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