実験音楽家の出し物、南青山・ブルーノート東京。ファースト・ショウ。終始、マイ・ペース。

 冒頭、生ギターをジャジー気味に爪弾く。左利き、なんだな。曲は「星に願いを」だっけ? ブルーノートだから、こういう始まり方はいいと思って。というようなことを、ヤン富田はコメント。2曲目には大野由美子(2002年1月13日、2003年11月8日、2004年12月12日、2006年6月22日、2011年9月16日、2012年6月1日、2015年6月9日、2015年7月30日、2016年9月1日)ともう1人女性が出てきて、歌を重ねた。次は、変な装置を扱い、一人でノイズノイズノイズ。そのパート長かった。背後や左右のモニターにはハンデ・カメラ撮影の映像が映し出される。もう一つ、上からの彼のオペレーションを写した映像も加えて欲しかった。また、歌謡曲を流し、それに音を加えたりもした。いとうせいこう(2012年3月21日)が出てきて、彼の心拍音を元に、彼や大野たちでヴォーカル・ナンバーを披露するものもあり。

 他にも、リストに参加者の名前が色々あったが、基本はヤン富田のソロ行為〜所作のもとショウは進む。、、人を喰いまくったことをやっているのだが、とっても話好きそうで、好好爺なノリも振りまく。「驚いた?」と謙虚に客に問いかけつつ、「でも一生の体験になると思うよ」と、彼は穏やかに続ける。自信家でも、ありますね。

 ぼくはヤン富田というと、まずスティール・パン奏者という印象をまず持つ。1980年代、彼は故中西俊夫絡みで、変わった感じで出てきて、ぼくは彼のことを知った。あれれ、スティール・パンは叩かないのかなと思っていたら、最後の曲で彼はとても優しい綺麗な音色でそれを奏でた。剛と柔、毒と良薬、棘と丸み……。物事との正解は一つではない。

▶過去の、バッファロー・ドーター/大野由美子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200606270001320000/
http://43142.diarynote.jp/200412212058580000/
http://43142.diarynote.jp/201109171049342536/
http://43142.diarynote.jp/?month=201206
http://43142.diarynote.jp/?day=20150609
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/
http://43142.diarynote.jp/201609200958472477/
▶︎過去の、いとうせいこう
http://43142.diarynote.jp/201203260805006088/

 その後、もう一つ。知り合いが企画している、三軒茶屋・space orbit.で、“クラシックを飲み屋で楽しもう”という趣旨を持つ公演に行く。今回で、2度目となるそう。客の外国人の比率が高いが、それは主催者もそうであるためか。会場の中央に弦楽四重奏の4人が向き合うように座り、その周りをお客が取り囲む。演奏が終わるとやんやの歓声。いい感じじゃん。けっこう乱暴でゆるい空気が流れるなか進められるわけで、これは楽だし、アリ。マイヤーズのロック、ぐびぐび。こちらも、物事の両極をなぞる感じがあり、物事の正解は一つではないというテーゼをやんわり抱えていたか。

 迫田圭と菊池晶子(ヴァイオリン)、野中友多佳(ヴィオラ)、細野唯(チェロ)という出演者はまだ皆20代だろう。彼らはハイドンやシューベルトらの曲をやる。アンコールはアストラ・ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」。終わったあとにMCもしていた第一ヴァイオリンの男性に譜面はどうしたのかと聞いたら、自分で採譜したとのこと。

<今日の、その後>
 ライヴの後は例により飲みに流れるが、三軒茶屋で飲むのは本当に久しぶり。3年前ぐらいに、昭和女子大人見記念講堂のライヴを見て以来かな? そして、そこから2軒回ったのだが、僕や友人の知り合いが次々に合流。こんなことあるんだな。最終的に、2人から6人になったわけだが、三茶て、そういうヒキがあるのだろうか? ま、金曜ということもあったのか?

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