新宿・シネマカリテで、2018年ノルウェー/スウェーデン映画『ロスバンド(原題:LOS BANDO)』を見る。ノルウェーの田舎の、ロス・バンド・イモルターレというロック・バンドが主人公となる映画だ。そのバンド名って、なぜかスペイン語? 監督を1977年生まれのノルウェー人で、英国で映画を学んでいるというリスチャン・ローが務める。
まず、あたまのほうから映像が爽やかだなあてな感じで、手触りのよさを覚える。撮影されたのは夏季か、だから緑が映える。赤色や黄色など家の壁の色なども、北欧ぽい(←わあ、大雑把な括り方だあ)と思わせる。これが、冬季に撮影されていたらまったく違う印象を受けるだろうが、それだけでこの作品は祝福を得る映画なのだとぼくは感じた。
ドラマーとギタリストの(たぶん)中学生二人、家出した9歳の女性チェリスト、そして無免許でヴァンの運転手役を引き受け、途中でバンドのシンガーに就く家業手伝いの17歳の青年がバンドの構成員となる。ロック・コンテストの予選に通った当初同級生二人組だった単位に、新たに二人が加わり、長い国の反対側北にあるトロムソンで毎年開かれるコンテストへと4人で車で向かう様が描かれる。
微笑ましくも、楽しい映画だった。終始クスクスと笑えるところ多く、コメディ映画とすることも可能だろう。この手の映画の常で少し流れや落ちが読めてしまう部分もなくはないが、らしいプロットを埋め込み、破綻なく回収する。そして、そこに親や異性との問題を絡める。と、書くと臭くなりそうだがそうはならない。拍手だな。ノルウェー版『スクール・オブ・ロック』みたいな印象も受けたか。ただし、そこにはジャック・ブラック演じるような大人の先導者はおらず、小僧達の意向で動いていく。
彼の地で盛んだろうラリーねたが出てくるのは、いかにもだな。また、この映画を見ると彼の国って、ロックに対する正のイメージを多大に持っているのではないかとも思わせられる。全然、筋や設定は異なるが2018年フィンランド/ノルウェー映画『ヘヴィ・トリップ』(2020年1月21日)のことをちょい思い出したりもした。話される言語はノルウェー語だが、歌われるのはどれも英語曲。今、フランスより北の欧州国はみんな英語を話すしな。ロス・バンド・イモルターレの音楽性は古いが、ストーリーや役柄設定がしっかりしているためもあってか、違和感はあまりない。ねじれた負の側面をまったく入れていないにも関わらず、ヒネたぼくは痒い心持ちを得なかった。というわけで、稀有な善良青春映画として、これは推せるなあ。若い役者たちもちゃんと演技をしている。
▶過去の、︎映画『ヘヴィ・トリップ』
https://43142.diarynote.jp/202001220838354652/
<今日の、追記>
ロス・バンド・イモルターレが編成に低音楽器としてチェロを入れているのは目新しいじゃないか、と言う人もいるかもしれない。だが、2000年のフジ・ロックに出演した米国のデッドウェイト(Deadweight)やフィンランドのアラマーイルマン・ヴァサラット(2009年10月2日、2013年4月7日)をはじめ、チェリストを入れるロック・バンドはなくはない。ところで、映画館にはスージー・クアトロとリンダ・ロンシュタットの追って公開されるドキュメンタリー映画のポスターが貼ってあった。そんなのも、あるのか。
▶︎過去の、デッドウェイト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm 2000年7月30日
▶︎過去の、アラマーイルマン・ヴァサラット
https://43142.diarynote.jp/200910111331493710/
https://43142.diarynote.jp/201304091016036527/
https://43142.diarynote.jp/202007190731345287/ そのリーダーの訃報
まず、あたまのほうから映像が爽やかだなあてな感じで、手触りのよさを覚える。撮影されたのは夏季か、だから緑が映える。赤色や黄色など家の壁の色なども、北欧ぽい(←わあ、大雑把な括り方だあ)と思わせる。これが、冬季に撮影されていたらまったく違う印象を受けるだろうが、それだけでこの作品は祝福を得る映画なのだとぼくは感じた。
ドラマーとギタリストの(たぶん)中学生二人、家出した9歳の女性チェリスト、そして無免許でヴァンの運転手役を引き受け、途中でバンドのシンガーに就く家業手伝いの17歳の青年がバンドの構成員となる。ロック・コンテストの予選に通った当初同級生二人組だった単位に、新たに二人が加わり、長い国の反対側北にあるトロムソンで毎年開かれるコンテストへと4人で車で向かう様が描かれる。
微笑ましくも、楽しい映画だった。終始クスクスと笑えるところ多く、コメディ映画とすることも可能だろう。この手の映画の常で少し流れや落ちが読めてしまう部分もなくはないが、らしいプロットを埋め込み、破綻なく回収する。そして、そこに親や異性との問題を絡める。と、書くと臭くなりそうだがそうはならない。拍手だな。ノルウェー版『スクール・オブ・ロック』みたいな印象も受けたか。ただし、そこにはジャック・ブラック演じるような大人の先導者はおらず、小僧達の意向で動いていく。
彼の地で盛んだろうラリーねたが出てくるのは、いかにもだな。また、この映画を見ると彼の国って、ロックに対する正のイメージを多大に持っているのではないかとも思わせられる。全然、筋や設定は異なるが2018年フィンランド/ノルウェー映画『ヘヴィ・トリップ』(2020年1月21日)のことをちょい思い出したりもした。話される言語はノルウェー語だが、歌われるのはどれも英語曲。今、フランスより北の欧州国はみんな英語を話すしな。ロス・バンド・イモルターレの音楽性は古いが、ストーリーや役柄設定がしっかりしているためもあってか、違和感はあまりない。ねじれた負の側面をまったく入れていないにも関わらず、ヒネたぼくは痒い心持ちを得なかった。というわけで、稀有な善良青春映画として、これは推せるなあ。若い役者たちもちゃんと演技をしている。
▶過去の、︎映画『ヘヴィ・トリップ』
https://43142.diarynote.jp/202001220838354652/
<今日の、追記>
ロス・バンド・イモルターレが編成に低音楽器としてチェロを入れているのは目新しいじゃないか、と言う人もいるかもしれない。だが、2000年のフジ・ロックに出演した米国のデッドウェイト(Deadweight)やフィンランドのアラマーイルマン・ヴァサラット(2009年10月2日、2013年4月7日)をはじめ、チェリストを入れるロック・バンドはなくはない。ところで、映画館にはスージー・クアトロとリンダ・ロンシュタットの追って公開されるドキュメンタリー映画のポスターが貼ってあった。そんなのも、あるのか。
▶︎過去の、デッドウェイト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm 2000年7月30日
▶︎過去の、アラマーイルマン・ヴァサラット
https://43142.diarynote.jp/200910111331493710/
https://43142.diarynote.jp/201304091016036527/
https://43142.diarynote.jp/202007190731345287/ そのリーダーの訃報
コメント