ゴスペル・コーラス・グループからソウル・ミュージックのフィールドに移っていき、無理のないゴスペル力を度量大きくアピールした、名門ファミリー・グループのオリジナル・メンバーがお亡くなりになった。

 南部ミシシッピ州ドリューの生まれながら、生まれて間もなく職を求めた家族とともにイリノイ州シカゴに移住。家長のローバック“ポップス”ステイプルズ(1915年12月28日〜2000年12月19日)を中心に、1940年代後期に子供たちが集ったゴスペル・ブループであるザ・ステイプル・シンガーズは結成された。娘のクレオサ (1934年4月11日〜2013年2月21日)、パーヴィス、妹のメイヴィス (1939年7月10日〜 )が当初のメンバーだった。

 教会が活動の場だった彼らは1953年以降レコードを出すようになり、地元のヴィージェイ、リヴァーサイド、エピックなどと契約。1960年代に入ると、時流もあり、ザ・ステイプル・シンガーズは非ゴスペル要素を巧みに入れるようになるが、それはパーヴィスの意図が大きく反映されたという。より親しみやすさを抱えるようになった彼らは、それと当時に社会的なメッセージを掲げる方向に出たとことは強調されていい。

 1968年には南部の名門ソウル・レーベルのスタックスと契約。アルバムが大々的にチャートに入るようになったのは、その時期からとなる。だが、パーヴィスは徴兵され、1970年にグループから離れてしまう。彼の代わりには妹のイボンヌ(1937年10月23日〜2018年4月10日)が加入。パーヴィスは除隊後もグループには戻らず、ソロの活動したりもする。また、シカゴでクラブを持ったり、後続のゴスペル派生コーラス・グループであるザ・エモーションズ(2006年10月30日)の売り出しに関わったようだ。

 イリノイ州ドルトンの自宅で死去。享年85。死因は不明だが、6人の子供、7人の孫、7人のひ孫に恵まれたという。葬儀は、シカゴで17日に行われる。

▶︎過去の、ザ・ステイプル・シンガーズが出てくる映画に言及した項
https://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
▶︎過去の、ザ・エモーションズ
https://43142.diarynote.jp/200611020837020000/
 
<ステイプル家族、ばんざい>
 ザ・ステイプル・シンガーズはスタックスが潰れたあと、カーティス・メイフィールドのカートムに迎えられたこともあった。シカゴという南部黒人労働力の最大の受け皿となった中西部都市シカゴのうれしい形而上を直裁に伝えたファミリー・グループの構成員のなか、存命なのはメイヴィスだけ。1969年のセルフ・タイトルのアルバム以降、グループ活動とソロ活動の両方で活動してきている喉自慢の彼女だが、2010年代以降よりヴァーサタイルな姿を見せるようになってもいて本当に感動させられる。新作となる2019年作は、ベン・ハーパー(2001年6月18日、2004年3月4日、2006年6月3日、2007年4月5日)の制作。かつてはプリンス(2002年11月19日)に乞われ、彼のペイズリー・パークから1989年と93年にアルバムを出したこともあった。なお、ポップス・ステイプルズはアーシーなギターのとんでもない名手。ゴスペルやブルースやソウルの感覚が渾然一体となったギター演奏を聞きたいのなら、ザ・ステイプル・シンガーズを聞けばいい。
▶︎過去の、ベン・ハーパー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
https://43142.diarynote.jp/200403041444130000/
https://43142.diarynote.jp/200407290730290000/ フジ・ロック 触れてないが出演し、ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマのショウにもとびいり 
https://43142.diarynote.jp/200606111735540000/
https://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
https://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm

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