映画「エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット」
2020年11月20日 音楽 菅谷晋一というお名前は知らなかった。1974年生まれの、とっても優しい喋り方をする人。証言者としていろいろ語るザ・クロマニヨンズやOKAMOTO’Sの面々をはじめ、邦楽のアルバム・カヴァーを作るグラフィック・デザイナーとしてとっても有名な方であるらしい。そんな彼を紹介する2020年日本映画を、市ヶ谷・日本シネアーツ社試写室で見る。エポックというのは彼の会社の屋号であるよう。プロデュース/監督/編集は、南部充俊。2021年1月8日(金)以降、新宿シネマカリテほかにてロードショー公開される。
扱われるアルバム・カヴァーの音楽が使われるとともに、ときに入るほんわかした音楽はPVを作ってもらったことがあるLITTLE CREATURES (2011年5月22日、2017年9月8日、2018年6月2日)の青柳拓次(2007年1月27日)が担当。そのPVは菅谷が作ったクレイ・アニメを使ったものであるようだが、最後の仕上げはPC上であるものの、その前段階において菅谷は油絵を書いたりでっかいオブジェを作ったりし、それをカメラで撮ったデーターを取り込んで最終的にモニターで処理していることが伝えられる。PC上だけでも済みそうなところ、すんごい手間と時間をかけて〜その段階でいろいろとアイデアが煮詰められていくことも示唆〜彼のプロダクツが完成していくことが描かれる。
彼はアナログ・レコードが好きなようだが、一見無駄とも見えるアナログな所作積み上げの素敵も、この映画は語っているか。そして、それが依頼する側の強い信頼を引き出しているということも……。アーティストの写真をもとに置くジャケット・カヴァーのデザインは映画では紹介されず、そういうのはしないのかと思ったら、レコード・コレクターズ誌のはっぴいえんどのモノクロ写真に着色した号の表紙は、彼が手がけたものなのか。写真は野上眞宏(2015年11月19日)が撮ったものかな。同誌は最近編集長が変わったが、編集長を勇退した佐藤有紀も証言者として出て来る。
映画は菅谷の面白さや力量を描くとともに、フィジカルの音楽商品の尊さを指し示すものにもなっている。やっぱ、うれしいやねえ。
▶︎過去の、ハマオカモト
https://43142.diarynote.jp/201403181811432414/
▶︎リトル・クリーチャーズ/青柳拓次
http://43142.diarynote.jp/200702010112550000/
http://43142.diarynote.jp/201105230926029205/
http://43142.diarynote.jp/201709110843278416/
https://43142.diarynote.jp/201806051311346158/
▶︎過去の、野上眞宏
https://43142.diarynote.jp/201511200934467321/
<今日の、取材とか>
その後、所属する事務所がある両国でドラマー/作曲家/プロデューサーの福盛進也(2018年1月7日、2018年4月7日、2019年1月5日、2019年6月14日、2019年12月18日)へインタヴューをする。両国というと国技館だが、江戸東京博物館というでっかい建物もあるんだな。古代エジプト展というのも、今やっているようだ。高校時代から米国音楽留学し、その後ミュンヘンに住み、2018年にECMからリーダー作『For 2 Akis』をリリースする彼だが、この度<nagalu>という日本のジャズを海外に発信する新レーベルを設立、その第一弾で自己名義の2枚組『Another Story』は来月にリリースされる。墨絵のような言いたくなる同作は、青柳拓次とSalyu(2011年8月7日、2013年8月11日、2019年10月27日)が歌う曲もあり。風情と間(ま)に満ちる静的だけど雄弁なオルタナティヴ・ジャズ演奏群がそこにはある。今、行き来できないのもののまだミュンヘンにも住居はあるようだが、今後は東京に拠点を置くという。
青柳つながりから、また先の映画のことに戻るが、菅谷晋一は大学では建築を学んだものの、家業の工場で働いたそう。だが、代官山にあるセレクト・レコード店のボンジュール・レコードのバイヤー募集に応募、落ちたものの同店が組んだCDのジャケットのデザインをしたことが、現在につながる第一歩とか。へえ。
大昔、代官山のBOYというヘア・サロンでカットやカラーをやってもらっていて、髪をいじりに行くたびにすぐ近くのボンジュール・レコードをのぞいていたことがあった。その後、BOY表参道店ができ、そっちのほうが行くのが楽だったので代官山は晴れたら空に豆まいて に行く夜しか行かなくなり、ずっとボンジュール・レコードにも行っていない。今はその表参道店はなくなってしまったが、そのとき髪をいじってもらっていた後藤くんとは今も付き合いを持つ。何年か前からか、彼は根津の東大弥生キャンパスでAbreuvoirという隠れ家的個室ヘア・サロンをやっており(かつて、この欄で触れたこともあったはず)、お世話になっている。新型コロナ患者急増のおり、今行かないと根津まで行くのはおっくうでずっと髪の毛伸ばしっぱなしかもと思い、急遽両国のあとにやってくれないと話をつけた。入店時に検温と石鹸の手洗いとうがい、そして着席時にまたアルコール液による手の洗浄を求められる。この件については、日々かなりぼくは神経質に対応しているのでうれしく思う。
その後藤くん(やはり、1974年生まれ)はアナログ・レコード好きで(アイフォン経由でかかる音楽も趣味が良い)よくその話をしていたが、この日は彼のザ・バンドの映画(2020年10月30日)を見ましたかという問いから、その後はずっとザ・バンドの話ざんまい。かかる音楽はザ・バンドの曲群。いや、最高だな。で、脱色した後に金色系に染めるわけなんだが、その際は色が髪に馴染むまで時間を置く必要がある。実は隣に同名の立派なバーがあって、このおり後藤くんは予約がこっちに入ったときはバーのほうもやっているとのことで、待つ時間はバーに移動して、バーボンをぐびぐび。いや、もう最高すぎるな。で、髪の方が終わったあとも、またバーに移りアフターアワーズ的にお酒を楽しんだ。ぼくはバーボンはほぼジャック・ダニエル一択なのだが、ブラントンを勧められて飲んだら、これがまたうまくて頰が緩む。人生のささやかな悦びを存分に受けた晩であった。で、自粛しなよと思いつつ、その後に調子に乗って途中下車してしまうぼく。感染拡大で、これが当面最後の飲食店入店だと思うようにしながら。でも、ぼくと飲みたいと最寄駅まで行きますという奇特な人がいて、それだとむげな対応も……。
▶︎過去の、福盛 進也
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/
https://43142.diarynote.jp/201912191314476679/
▶︎過去の、Salyu
https://43142.diarynote.jp/201108101635051749/
https://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
https://43142.diarynote.jp/201910291047462413/
▶︎過去の、映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」
https://43142.diarynote.jp/202010311315187907/
扱われるアルバム・カヴァーの音楽が使われるとともに、ときに入るほんわかした音楽はPVを作ってもらったことがあるLITTLE CREATURES (2011年5月22日、2017年9月8日、2018年6月2日)の青柳拓次(2007年1月27日)が担当。そのPVは菅谷が作ったクレイ・アニメを使ったものであるようだが、最後の仕上げはPC上であるものの、その前段階において菅谷は油絵を書いたりでっかいオブジェを作ったりし、それをカメラで撮ったデーターを取り込んで最終的にモニターで処理していることが伝えられる。PC上だけでも済みそうなところ、すんごい手間と時間をかけて〜その段階でいろいろとアイデアが煮詰められていくことも示唆〜彼のプロダクツが完成していくことが描かれる。
彼はアナログ・レコードが好きなようだが、一見無駄とも見えるアナログな所作積み上げの素敵も、この映画は語っているか。そして、それが依頼する側の強い信頼を引き出しているということも……。アーティストの写真をもとに置くジャケット・カヴァーのデザインは映画では紹介されず、そういうのはしないのかと思ったら、レコード・コレクターズ誌のはっぴいえんどのモノクロ写真に着色した号の表紙は、彼が手がけたものなのか。写真は野上眞宏(2015年11月19日)が撮ったものかな。同誌は最近編集長が変わったが、編集長を勇退した佐藤有紀も証言者として出て来る。
映画は菅谷の面白さや力量を描くとともに、フィジカルの音楽商品の尊さを指し示すものにもなっている。やっぱ、うれしいやねえ。
▶︎過去の、ハマオカモト
https://43142.diarynote.jp/201403181811432414/
▶︎リトル・クリーチャーズ/青柳拓次
http://43142.diarynote.jp/200702010112550000/
http://43142.diarynote.jp/201105230926029205/
http://43142.diarynote.jp/201709110843278416/
https://43142.diarynote.jp/201806051311346158/
▶︎過去の、野上眞宏
https://43142.diarynote.jp/201511200934467321/
<今日の、取材とか>
その後、所属する事務所がある両国でドラマー/作曲家/プロデューサーの福盛進也(2018年1月7日、2018年4月7日、2019年1月5日、2019年6月14日、2019年12月18日)へインタヴューをする。両国というと国技館だが、江戸東京博物館というでっかい建物もあるんだな。古代エジプト展というのも、今やっているようだ。高校時代から米国音楽留学し、その後ミュンヘンに住み、2018年にECMからリーダー作『For 2 Akis』をリリースする彼だが、この度<nagalu>という日本のジャズを海外に発信する新レーベルを設立、その第一弾で自己名義の2枚組『Another Story』は来月にリリースされる。墨絵のような言いたくなる同作は、青柳拓次とSalyu(2011年8月7日、2013年8月11日、2019年10月27日)が歌う曲もあり。風情と間(ま)に満ちる静的だけど雄弁なオルタナティヴ・ジャズ演奏群がそこにはある。今、行き来できないのもののまだミュンヘンにも住居はあるようだが、今後は東京に拠点を置くという。
青柳つながりから、また先の映画のことに戻るが、菅谷晋一は大学では建築を学んだものの、家業の工場で働いたそう。だが、代官山にあるセレクト・レコード店のボンジュール・レコードのバイヤー募集に応募、落ちたものの同店が組んだCDのジャケットのデザインをしたことが、現在につながる第一歩とか。へえ。
大昔、代官山のBOYというヘア・サロンでカットやカラーをやってもらっていて、髪をいじりに行くたびにすぐ近くのボンジュール・レコードをのぞいていたことがあった。その後、BOY表参道店ができ、そっちのほうが行くのが楽だったので代官山は晴れたら空に豆まいて に行く夜しか行かなくなり、ずっとボンジュール・レコードにも行っていない。今はその表参道店はなくなってしまったが、そのとき髪をいじってもらっていた後藤くんとは今も付き合いを持つ。何年か前からか、彼は根津の東大弥生キャンパスでAbreuvoirという隠れ家的個室ヘア・サロンをやっており(かつて、この欄で触れたこともあったはず)、お世話になっている。新型コロナ患者急増のおり、今行かないと根津まで行くのはおっくうでずっと髪の毛伸ばしっぱなしかもと思い、急遽両国のあとにやってくれないと話をつけた。入店時に検温と石鹸の手洗いとうがい、そして着席時にまたアルコール液による手の洗浄を求められる。この件については、日々かなりぼくは神経質に対応しているのでうれしく思う。
その後藤くん(やはり、1974年生まれ)はアナログ・レコード好きで(アイフォン経由でかかる音楽も趣味が良い)よくその話をしていたが、この日は彼のザ・バンドの映画(2020年10月30日)を見ましたかという問いから、その後はずっとザ・バンドの話ざんまい。かかる音楽はザ・バンドの曲群。いや、最高だな。で、脱色した後に金色系に染めるわけなんだが、その際は色が髪に馴染むまで時間を置く必要がある。実は隣に同名の立派なバーがあって、このおり後藤くんは予約がこっちに入ったときはバーのほうもやっているとのことで、待つ時間はバーに移動して、バーボンをぐびぐび。いや、もう最高すぎるな。で、髪の方が終わったあとも、またバーに移りアフターアワーズ的にお酒を楽しんだ。ぼくはバーボンはほぼジャック・ダニエル一択なのだが、ブラントンを勧められて飲んだら、これがまたうまくて頰が緩む。人生のささやかな悦びを存分に受けた晩であった。で、自粛しなよと思いつつ、その後に調子に乗って途中下車してしまうぼく。感染拡大で、これが当面最後の飲食店入店だと思うようにしながら。でも、ぼくと飲みたいと最寄駅まで行きますという奇特な人がいて、それだとむげな対応も……。
▶︎過去の、福盛 進也
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/
https://43142.diarynote.jp/201912191314476679/
▶︎過去の、Salyu
https://43142.diarynote.jp/201108101635051749/
https://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
https://43142.diarynote.jp/201910291047462413/
▶︎過去の、映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」
https://43142.diarynote.jp/202010311315187907/
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