ペイパーカッツ

2020年3月14日 音楽
 ポルトガル人マルチ奏者/トラックメイカー/リミキサーのブルーノ・ミゲルが率いるエレクトロ・ポップ・ユニットであるPAPERCUTZ〜英語歌詞をつけているので、ペイパーカッツと英語読みにしておこう〜を、渋谷・LUSHで見る。ミゲルはアルバムごとにフィーチャーする女性シンガーを代えている。

 プリセット音をコントロールし鍵盤もいじるミゲルの十全に作られたサウンドに乗り、女性歌手の響く歌声がメロディ性をまといながら溢れ出る。ミゲルはときにエレクトリック・ギターを手にする場合もあるとともに、曲によってはコーラスもつける。ライヴ前にちらり会ったミゲル君は物静かな好青年という感じだが、コーラスをつける際はかなり力をこめて歌っている感じもあり、それがミュージック・ラヴァーな風情をすうっと出す。

 幽玄とも形容したくなる、じわじわ広がるエレクトロ・ポップを披露。先に触れたように英語で歌っているためもありポルトガル的というよりはユーロ・エレポップ+(少し、エスニックとかスピリチュアルと思わせる部分も少しある)という感想を得るが、その木漏れ日を感じさせる濃淡の出し方や流動感とポップネス/ビート感を巧み交錯させる手腕は確かで身体を揺らしながら見きった。

<今日の、もろもろ>
 東京の桜の開花が告げられるとともに、降雪もあった日。このハコにも入り口と飲み物カウンターには除菌液が置いてある。よくありますねとカウンターの青年に話しかけると、出演者が持ってきて置いていってくれたりするんですよとのお返事。持ちつ持たれつ。この晩は全8ヶ所の日本ツアーの最終日、なんと中止になった場所はなく、すべてやったそう。彼らのアルバムは、日本盤が出ている。その2020年新作『キング・ルイナー』(キルク、MWCD-314)もまた同様に。そういう地道なインディの紹介活動が洋楽文化を支えているんだろうと痛感。あ、そちらのアーティスト表記は、ペーパーカッツとなっていますね。今日の公演、毎日新聞夕刊にそのうち出ます。

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