南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。ヒップホップやクラブ・ミュージックと繋がったUKジャジー表現を作り出す黒人キーボーディストの公演で、参加ミュージシャンはジョン・ウッドハム(トランペット、一部フリューゲル・ホーンも)、ジェイミー・リーミング(ギター)、小柄な女性のカヤ・トーマス・ダイク(電気ベース)、ピーター・アダム・ヒル(ドラム)。皆20代か、ウッドハムとチーミングとヒルは白人だ。

 在英豪州人ジョーダン・ラカイ(2017年3月14日)とはお互いのアルバムに入り合う仲にあり、響きや情緒の在りように自覚的な担い手。以下は、箇条書きにて記す。▶︎揺れるエレクトリック・ピアノ音が基調となるが、フェンダーやノードではなく、ヤマハのモンタージュ88鍵モデルでことをこなす。▶︎2曲ではアコースティック・ピアノも弾いた。▶︎1曲(新曲の「グラッド・アイ・リヴド」かな)では語り調のラップも鍵盤を抑えながらする。▶︎また、ベーシストも1曲で歌う。華のない人(ベースのフレイジングはまっとうなのに、いかにもアタック感に欠ける地味な弾き方をしていたなあ)なのに、1曲ベースを弾きながら歌ったときには、彼女を照らす高度が2倍になったような感覚を受けた。▶︎トランペット奏者とギター奏者には長いソロ・パートを各曲あたえるのに、本人は2曲でしかソロをとらなかったか。当人はリーダー/サウンド・クリエイター/トラック・メイカー的な意識が高いのだろうか。▶︎トランペッターは2本のマイクを立て、一つのほうはエフェクトがかかる。律儀に、普通のマイクを使ってのソロ→エフェクターを介してのソロという順序で彼はソロを取る。▶︎そのトランペッターのソロのあとに、どの曲もギタリストのソロというオーダーを取られ、それはワン・パターンな印象を引き出す。▶︎アルバムでは弦音も効果的に使っていたがそれがないと、チルっぽい(今のビートを持つ)フュージョンという感想も引き出す。▶︎実は、一番感心した(?)のは、アルファ・ミストのMC。それ堂々としていて、人懐こくもあって、良い声だし、なんかぼくはとってもいい印象を覚えた。

▶︎過去の、ジョーダン・ラカイ
https://43142.diarynote.jp/201703161148366918/

<今日の、ふとした思い>
 TVでグルメ番組、食中心の旅番組は絶対見ないという知人がいる。美味しそうなのを見ると食べたくなるものの、それは不可能でめっちゃ腹が立つからだそう。おお、食いしん坊さん……。ぼくもたまにそういう気持ちになる場合もあるかも。その点、音楽の文章はそんなにストレスを与えないかな? 気になった時点で、すぐにネットを介して音をチェックできる場合が多いから。コンサートはそれが多くの場合不可能だろうが(まあ、類似するライヴ映像をYouTubeで探すのは不可能ではないかも)、すると公演を見たくなる原稿よりも、見た気になれる文章のほうがいいのかな。こんな内容のコンサートでした、ぼくはこういう見方を持つことができましたと言うことは、書こうとしてるはずだが。

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