ZINKandSILENTLISTEN という綴りの、ヨーロピアン・ユニットを馬車道・横濱エアジンで見る。Human Techno and Alternative Ambient という、副題付き。なるほど、そんな感じでした。
 
 ドイツ人のピアニストのシュテファン・シュルツェとスイス人クラリネット奏者(ほんの一部バスクラリネットも吹いた)のクラウディオ・プンティンからなる 。と、書いてしまったら、この二人の味はまったく伝わらないか。というのも、二人ともいろいろとイフェクターやデヴァイスを介し、生音は用いていなかったから。持ち運び、およびセッティングは大変であったろうなー。シュルツェはピアノの弦と弦の間に割り箸をさし、それをゆらせて響き音をだしたりもしていた。でも、演奏後少し話したら、好きなピアニストはビル・エヴァンスとのこと。王道のジャズを愛でつつ、今のインプロヴィゼーション表現を求めるなら、こうなるという意思はくっきり。流れでいくつかの起承転結を持つ、1コード中心の演奏を二つ披露。二人はともに、ドイツの大学で教鞭もとっているよう。

<今日の、CD>
 このユニットは2017年からはじまり、まだアルバムは出していないが、それぞれに自分のCDやレコードを持ち込んでいた。うち、シュテファン・シュルツェの『System tribe』(WhyOlayJazz,2018 )はソロ演奏集。わりと淡々としたプリペアド・ピアノ演奏から装置を駆使したインダストリアル調までいろいろ。加工しないピアノのコードをゆったりパルス調で綴る13分弱のクローザー「フェイド」がどってことないが渋い。

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