スウェーデンの重鎮リコーダー/フルート奏者のヨーラン・モンソン率いる集団のライヴを神谷町・光明寺で見る。はい、もちろんお堂の中での公演ですね。しかし、日本人のぼくでさえ普段は縁が薄く新鮮な場であると感じるわけで、外国人だったらさぞやこの場は新奇であるに違いない。面々はお客に向かって頭を下げるとともに、ときにお堂の奥に向かっても頭を下げていた。

 全6人の奏者が並ぶ。ヨーラン・モンソン(スウェーディッシュ・フルート)、マッティン・ヴォン・シュマレンシー(ギター、コントラバス)、パートリック・シャルストローム(フィドル、オルガン、ピアニカ)に加え、そのシャルストロームの双子の娘であるというファニー・シャルストローム(フィドル)とクララ・シャルストローム(チェロ)〜この二人は、デュオ・シストラミというユニットを組んでいるよう〜、そしてさらに日本人の中川果林(25絃箏)も頭から加わる。中川はヨーラン・モンソン・プロジェクトのアルバムにも参加、ジャケット写真にも一員として載っている。。

 皆、ちゃんとクラシックの教育を受けたうえで、トラッド系音楽の世界に足を踏み入れていることがわかる演奏や重なりを披露。モンソンはいろんな縦笛や横笛を吹き、さらにはコントラバスなんちゃらと紹介していた大きなハンドメイド調の楽器も吹く。このプロジェクトは100年前の伝説の笛奏者の楽曲を今に蘇らせんとするもののようだが、とにかくみんな自由。けっこうそれぞれにインプロヴィゼーションもしていると思わせる。堂内練り歩き演奏も、終盤あり。また、最後には日本人ドラマーも加わった。

<今日の、へ〜え>
 モンソンのMC通訳も務めた中川は、とても天真爛漫さを出す人。そんな彼女のこの晩の演奏はといえば、かなり即興濃度が強いと感じさせる。ヴォーカル入りのアート・トラッド傾向にある一作だが、彼女はLena WillemarkとAnders Jorminとの3者連名による『Treers of Light』というアルバムも2015年にECMから出している。また、玉井 夕海(2015年6月15日、2015年11月14日)との双頭アルバムも出したことがあるよう。自らも歌うこともする彼女は、かつてビクターのジャズ部門から佐藤允彦(2013年9月5日)関与のアルバムを何作も出していたクラシック・フルート奏者の中川昌三の娘であるようだ。
▶過去の、玉井夕海
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
http://43142.diarynote.jp/201511181201122137/
▶︎過去の、佐藤允彦
http://43142.diarynote.jp/201309121654344197/

コメント