ジェフ・ミルズ

2017年11月10日 音楽
 代官山・晴れたら空に豆まいて で、異才(2017年11月7日)の単独公演を見る。2回まわしの、1回目のほう。会場内畳敷き仕様の公演でみんな畳の上にしゃがんで見るので、実にステージ、そして本人を見やすい。ステージ中央にオペレーション用のコンソールみたいのが位置し、その両側にはCDJ(たぶん)が置かれ、さらにその両端にはデカいオープン・リールのテープ・レコーダーが鎮座する。おお、視覚的効果はなかなか。そして、ヘッドフォンをつけたミルズは客側に背を向けて座る。その光景はかなり格好いいい。パフォーマンス的視点を十分に考慮に入れているとも思わせる。なお、今回はヴィジョン映像はなし。その方が、ずっといい。

 この晩は、フランツ・カフカの「変身」にインスパイアされた「メタモルフォーゼ」なるものをやるそうで、それは世界初演とか。それ、ノンストップで悠々2時間を超えるものだった。

 いろいろと変化していくピコピコ感も少し持つ基調下敷き音〜ビートの元、いろんな音が加えられ、聞き手にいろんな思いを抱かせるだろうストーリーを綴っていく。例によってダンス性は低いが、個を持ち、耳を引くサウンド・スケープの提示はあり。ミュージック・コンクレートのような、という形容もありか。美術館とかアート・ギャラリーでやると吉、という説明もできよう。レコーダーのオープン・リールのテープはときどき換えられた。

 開始1時間あたりで、客としてすわっていた男女二人づつ4人の日本人が立ち上がり突然舞踏をはじめ、奇声をあげる。それ、ミルズも織り込みづみの所作であったろう。最後は回っているオープン・リールのテープをもう一つのリールにつなげず、垂れ流し的にテープをどんどん床に落とす。そのテープの山は向かって左側に置かれた大きな枯れ木といったオブジェに(第3者によって)て垂らされる。テープの花ということ? どってことないけど、それも良かったな。終演後、客席側に向かう彼は、本当に控えめな感じがあって、照れ屋さん度数100%だった。

▶︎過去の、ジェフ・ミルズ
http://43142.diarynote.jp/201711080729053828/

<今日の、残念>
 ミルズのショウの後、六本木・スーパーデラックスに向かう。着いたのは、21時50分ぐらい。階段を降りて行くと、ぞろぞろと逆に登ってくる人々あり。案内に22時30分までと記してあったので、向かったのであったのだが。この晩にここであったのは、<クラシック・アンダーグラウンド・イン・東京>という出し物。マジなクラシックをクラブでカジュアルに楽しんじゃえという趣旨のドイツ派生のイヴェントの東京編とのことで、出演者はちょうど来日中のドイツのライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と米国のボストン交響楽団(7日の公演を、皇太子夫妻も見に行ったらしい)の、選抜隊。というより、ナンパな人たちと書いた方がいいのかな。それにしても、よく東京のオフ日があったものだな。ヴィオリン、ヴィオラ、チェロ、ホルンら6人の外国人奏者が、ショスタコーヴィッチやベイトーヴェン曲をやったよう。主催者が外国人であったためもあってか、客は外国人比率が高いと思えた。あー、少しでも見たかった。近くの権八でやる打ち上げに行く?と誘われたが、明日は明日で昼間からパーティがあったりとか、いろいろあるので、笑顔で遠慮した。

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