オレ、オペラをちゃんと見たことないんだよな? これを見ながら、そう思った。10を超えるスペイン語系映画を紹介する<ラテン・ビート映画祭>のなかの一つの上映。先に見た「J:ビヨンド・フラメンコ」(2017年9月25日)もそのラインナップに入っている。新宿・バルト9。

 1996年ペルーの日本大使館大使公邸で起こった反政府団体による長期占拠事件からインスパイアされた米国人作家アン・バチェットが書いた2001年好評同名小説を原作に置く。場所は同じリマながらペルー副大統領の豪邸となり、日本語しかできない日本企業の社長の誕生会を祝う国際的なパーティという設定に変えての、いろいろと動く人模様を描いた小説をオペラ化したものを、まんま練ったカメラ・ワークにより映像化した2015年米国映画だ。監督はケヴィン・ニューベリー。オペラを撮った作品なので、上映時間は3時間となる。

 いかにもオペラな音楽を作ったのは、ペルー生まれでフィンランドや米国で音楽を学んでいて新作のクラシック作曲家としては結構な評価を受けているというジミー・ロペス、そしてキューバ生まれで9歳から米国で暮らしているピューリッツアー賞受賞作家のニロ・クルス。

 それで、映画を見ながら目が回る。繰り返すがストーリーに沿う音楽はとっても立派なオーケーストラ音と歌唱群が織りなす、実にゴージャズ極まりないもの。そして、驚くのは、歌手たちが歌う歌詞が英語、スペイン語、日本語といろいろ使っていること。アアヤクーチョでは子供達が〜みたいな歌詞も出てくるが、一部はケチュア語も用いられているという。そして、総体は実に酔狂、複雑怪奇なプログ・オーケストラ・ポップであるなあという印象も得てしまう。よくぞこんなに大掛かりなお戯れを生真面目に作ったなあとも感嘆させられもするわけで、オペラは娯楽の粋極まりないものであったのだろうな(いや、ぼくが縁がないわけで、今もであるのか?)いうことも実感できる。なお、同じ原作で渡辺謙も出る米国映画が作られることになっているはずだ。

▶︎過去の、「J:ビヨンド・フラメンコ」
http://43142.diarynote.jp/201709261224016977/

<今日の、スペイン語ネイティヴ・スピーカー>
 現在来日中のアルゼンチン人ドラマーのクリティアン・ファイアド・エルナンデス(2011年10月3日、2012年6月27日)に、連絡を受けて会う。キューバ人のジューサ(2005年11月4日、2011年10月3日、2012年6月27日、2013年7月16日、2014年10月28日)の公演に同行したときに知人に紹介され、以降メールのやり取りを折々で持っているのだった。前にも、この欄に書いたことがあるけど、彼は女性シンガー/ギタリストをフロントにおくバルベ・トリオ(ValbeTrio )という風をまとうロック・バンドを組んでいて、そのCD群や友達のピアニストのそれ(各弦楽器やクラやフルートらが入るインストは何気に”クワイエット”系?)など4種CDをくれた。多いものは5枚もあったので、興味のある方はご一報を。ところで、彼は今回なんのために来日したのか? それは明日書きます。
▶︎過去の、クリスティアン・ファイアド・エルナンデス
http://43142.diarynote.jp/201110091257135964/
http://43142.diarynote.jp/201207031324148473/
▶過去の、ジューサ
http://43142.diarynote.jp/200511130412510000/
http://43142.diarynote.jp/201110091257135964/
http://43142.diarynote.jp/201207031324148473/
http://43142.diarynote.jp/201307210746577102/
http://43142.diarynote.jp/201410301514399746/

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