二人の、ガット・ギター奏者が出る出し物。代官山・晴れたら空に豆まいて。

 まず、笹久保伸(2013年8月29日、2014年5月24日、2014年12月12日)が出てきて演奏。おお、これはペルー流儀ギターのロバート・ジョンソンではないか、なぞと一瞬思う。低音と高い方の音との噛み合い/対比がすごく、一人じゃないみたいで……。少し荒いところがあるとも感じたのだけど、すごくエッジの効いた演奏でもあると思えた。しかし、1曲ごとにチューニングを変えていて、大変だよなあ。

 休憩を挟んで出てきた、ブラジル人のコスタはすぐに素晴らしいギター(彼は7弦のそれを用いる)の使い手だと頷かせる。奏法も音色もフレイズも広がりがあり、キレもすごい。また、アップ系とスロウ系の音の感じが違うことにも驚く。そして、その底にはブラジル的な揺らぎもたっぷり。技巧と情緒の両面を難なく高次元で綱引きさせていると、ため息。そして、彼は多くの曲で、途中から歌い出したり、スキャットするのが素晴らしい。快活にして率直、まずは歌心ありきという感じがビンビン伝わってきて、これはしびれずにいられようか!

 45分と60分のソロ演奏。その後に、一曲一緒にやる。その曲、なんかポルトガル語ではなくスペイン語から発した曲であると、ぼくには感じられた。

▶過去の、笹久保伸
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201405271717357738/
http://43142.diarynote.jp/201412281015581474/

<今日の、比較>
 ちょい前に見たばかりなのでジュリアン・ラージ(2005年8月21日、2009年6月24日、2011年7月20日、2017年2月1日)を俎上にあげちゃうが、もし彼がコスタの演奏に触れたならもう最敬礼しちゃうんじゃないかとも、その演奏に接していて思えた。この記述は別にラージを下げようとすることではなく、ラージはアメリカ人としてあるべき個性的かつ魅力的なギター表現をやっていて、なんか分かち合える部分を持ち合っているとも思えたから。そういえば、気に入ると思ってパット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)に笹久保の『アヤクーチョの雨』(めちゃエスノなのにモダン音響でもある逸品です)を渡したことがありました。
▶過去の、ジュリアン・ラージ
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200906300951327850/
http://43142.diarynote.jp/201107230819362417/
http://43142.diarynote.jp/201702021523283237/
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/

コメント