ピエール・アレシンスキー展
2016年12月8日 音楽 現代美術の分野で名高い、在仏ベルギー人であるピエール・アレシンスキーの展覧会に行く。渋谷・bunkamuraザ・ミュージアム。10月半ばから持たれていたおり、最終日にやっと駆け込んだ。1927年の生まれで、89歳になった今も彼は元気に創作活動を続けている。かつて、MoMaで彼の作品展を偶然見たことがあった。
展示は大まかには年代順に並んでいて、画材や作風の動きが分かる。それに接して、楽器や機材の変化とともに表現が変化していったミュージシャンのことを想起するのは容易なことで、とても親近感を持つ。コブラ(それは、コペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムという構成員の出身地をつなげたもののよう)という前衛美術集団に所属し、枠にとらわれない流儀を身につけるとともに、20代の頃から日本の前衛習字にも着目し多大な影響を受けもした御仁。それが縁で1956年には京都に出向いたりもし、滞日時に彼は「日本の書」というモノクロの短編ドキュメンタリー映画も撮った。それも場内で見ることができるが、面白い。彼は、日本の街角は文字に満ちていると報告しているが、それは映画を見ると納得できる。また、この展覧会のために作ったと思われる、彼のことを伝える映像も流していて、彼の最小限の情報は受け取ることができよう。そこで映された制作の現場を見ると、結構偶然性に頼っていることもわかる。彼、若いころはアクション・ペインティングの旗手だったジャクソン・ポロックに影響を受けたそうだ。
その後NYに行った時はアクリル絵の具を知り、以降は油絵の具を捨てたりするなど臨機応変。前衛風絵画から書道経由タイポグラフィの重層表現、格調高い漫画調と言えるものまで、いろいろ。もちろん、色使いも様々。でもって、枠を効果的に用いた作風を時に取ったり、和紙のようなものや古い葉書や大きな航空図といったものに絵を描いたり、丸型のキャンヴァスを用いたり……。本当に、見ていてワクワク。そして、総じてはポップというのとも少し違うんだが、とても勢いがあり、イケている。展示作品点数は結構あり。ベルギー王立美術館と作家蔵のもが多いなか、いわき市立美術館蔵の大きめの作品も2点展示されていた。へえ〜。
いやはや、普段買わないのに(どうせ、その後、ほとんど見ないしね)、場内で図録も買ってしまった。僕にしてみれば、トップ級に示唆を受けた美術展と言えるのかもしれぬ。開館して間もなく入り、人がそれほど多くなかったためもあるが、こんなにゆったりとぼくが美術館の中にいたのも珍しいかもしれない。
<今日の、お調子者>
というわけで、かなり刺激を受けた。そして、当然のことながら、絵や書をやりたくなった。単純、短絡、なり〜。
展示は大まかには年代順に並んでいて、画材や作風の動きが分かる。それに接して、楽器や機材の変化とともに表現が変化していったミュージシャンのことを想起するのは容易なことで、とても親近感を持つ。コブラ(それは、コペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムという構成員の出身地をつなげたもののよう)という前衛美術集団に所属し、枠にとらわれない流儀を身につけるとともに、20代の頃から日本の前衛習字にも着目し多大な影響を受けもした御仁。それが縁で1956年には京都に出向いたりもし、滞日時に彼は「日本の書」というモノクロの短編ドキュメンタリー映画も撮った。それも場内で見ることができるが、面白い。彼は、日本の街角は文字に満ちていると報告しているが、それは映画を見ると納得できる。また、この展覧会のために作ったと思われる、彼のことを伝える映像も流していて、彼の最小限の情報は受け取ることができよう。そこで映された制作の現場を見ると、結構偶然性に頼っていることもわかる。彼、若いころはアクション・ペインティングの旗手だったジャクソン・ポロックに影響を受けたそうだ。
その後NYに行った時はアクリル絵の具を知り、以降は油絵の具を捨てたりするなど臨機応変。前衛風絵画から書道経由タイポグラフィの重層表現、格調高い漫画調と言えるものまで、いろいろ。もちろん、色使いも様々。でもって、枠を効果的に用いた作風を時に取ったり、和紙のようなものや古い葉書や大きな航空図といったものに絵を描いたり、丸型のキャンヴァスを用いたり……。本当に、見ていてワクワク。そして、総じてはポップというのとも少し違うんだが、とても勢いがあり、イケている。展示作品点数は結構あり。ベルギー王立美術館と作家蔵のもが多いなか、いわき市立美術館蔵の大きめの作品も2点展示されていた。へえ〜。
いやはや、普段買わないのに(どうせ、その後、ほとんど見ないしね)、場内で図録も買ってしまった。僕にしてみれば、トップ級に示唆を受けた美術展と言えるのかもしれぬ。開館して間もなく入り、人がそれほど多くなかったためもあるが、こんなにゆったりとぼくが美術館の中にいたのも珍しいかもしれない。
<今日の、お調子者>
というわけで、かなり刺激を受けた。そして、当然のことながら、絵や書をやりたくなった。単純、短絡、なり〜。
コメント