THE MUSIC PLANT 20周年記念コンサート
2016年11月6日 音楽 欧州トラッド系アクトを主に扱うコンサート主催者/インディ・レーベルのミュージック・プラントの設立20周年を祝うコンサートが持たれ、アイルランド、グリーンランド、スウェーデンからやってきた3組が出演した。会場は、渋谷・duo MUSIC EXCHANGE。
先発は、アイルランドのトラッド・グループのルナサ(2001年10月19日、2003年4月11日、2010年12月11日、2013年12月7日)。フィドル、フルート、パイプ、アコースティック・ギター、ダブル・ベースという布陣で、反復高揚回路と哀愁が溶け合ったことを颯爽とやる。どこかに笑みある余裕があるのも、彼らのいいところと思う。
長めの休憩(欄外を参照のこと)をおいて、グリーンランドのナヌーク(2015年3月26日)の選抜隊のエルスナー兄弟(ともに、歌とアコースティック・ギター)が出てきて、数曲(20分強であったか)パフォーマンス。バンドだと今っぽいパワー・ロックを聴かせるが、この日は生理的に優しいフォーキーなポップ・ロックを披露する。もう東京でできるのが嬉しくてしょうがないという風情に接して、そりゃイヤな気分にならないはずがない。
そして、切れ目なくスウェーデンのヴェーセン(2014年11月20日)が出てきて演奏する。スウェーデンの民族変則弦楽器であるニッケルハルパ、5弦ヴィオラ、生ギターを担当する3人の奏者のアンサンブルをちょい聞いただけで、おおっと身を乗り出す。格調高く、すげえ音楽的。うむ、これはアートだとすぐに痛感させられちゃったもん。属性が違うルナサのことを比較の対象とするのもなんだが、同じトラッド・グループでも持っている哲学や技量が、彼らの方が上のステージにある。なるほど、あの逸脱清新ブルーグラス・グループであるパンチ・ブラザーズ(2016年8月4日)が2012年作『Who’s Feeling Young Now?』(Nonesuch)で、ヴェーセンの「Flippen」をカヴァーしているのも腑に落ちすぎというか……。いやはや、今更ながらこのスウェーデンのトリオに降参、そりゃジャズの方でも同国からはイってるグループが出てくるだろうなと妙な納得の仕方もしてしまった。とともに、ぼくは今年『2』(Brassland)をリリースした、レディオヘッド時代の耽美アイリッシュ・トラッド・グループと言えることをやっているザ・グローミングのことを思い出した。彼らはパンチ・ブラザースに対するアイルランドからの回答と言えることをやっている。うーん、ライヴに触れてみたい。
そして、アンコールは出演者3組が出てきて、2曲やった。それぞれが”北の国”の真心のもと、相手を受け入れ、重なる。ひねくれ者でも、いい光景と感じるしかないじゃないか。
▶過去の、ルナサ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20101211
http://43142.diarynote.jp/?page=26&theme_id=222
▶︎過去の、ナヌーク
http://43142.diarynote.jp/201503271611494171/
▶︎過去の、ヴェーセン
http://43142.diarynote.jp/201411211148399707/
▶︎過去の、パンチ・ブラザース
http://43142.diarynote.jp/201608100931466329/
<今日の、休憩時>
なんか生っぽい楽器音が上階から溢れてくるなと思い、階段を上がってみたら、一角でフィドル、ホイッスル、パイプ、アコーディオン、生ギターなどを持った人たち(日本人)が車座になって、軽やかに音を重ね合っている。と、そこに先ほど演奏していたルナサの3人がシット・インし、和気藹々のアイリシュ・トラッド基調の集団演奏が20分強、数曲続けられた。こりゃ、接していて楽しい。トラッドが育まれるかの地の日常を目の当たりにするような気持ちにもなれて、いいなあとうなづく。プロもアマチュアも出演者もお客さんも関係なしに、音楽をする悦びをシェアするのって本当にいい! そんな光景に触れながら、これはミュージック・プラントの20周年を祝う場にふさわしいとも思わずにはいられず。そういえば、出演者たちからは本当にいい心地の持ち主であり音楽のムシであることも伝わってきて、それも気分がいい。そして、それこそはミュージック・プラントという会社が真心とともに運営してきたものの原動力でもあったろう。女性が一人でやってきている会社がしっかり稼働し続け、確かな種を日本の音楽愛好者の中に残している。これ、ちょっとすごいし、素敵な話ではないか。
先発は、アイルランドのトラッド・グループのルナサ(2001年10月19日、2003年4月11日、2010年12月11日、2013年12月7日)。フィドル、フルート、パイプ、アコースティック・ギター、ダブル・ベースという布陣で、反復高揚回路と哀愁が溶け合ったことを颯爽とやる。どこかに笑みある余裕があるのも、彼らのいいところと思う。
長めの休憩(欄外を参照のこと)をおいて、グリーンランドのナヌーク(2015年3月26日)の選抜隊のエルスナー兄弟(ともに、歌とアコースティック・ギター)が出てきて、数曲(20分強であったか)パフォーマンス。バンドだと今っぽいパワー・ロックを聴かせるが、この日は生理的に優しいフォーキーなポップ・ロックを披露する。もう東京でできるのが嬉しくてしょうがないという風情に接して、そりゃイヤな気分にならないはずがない。
そして、切れ目なくスウェーデンのヴェーセン(2014年11月20日)が出てきて演奏する。スウェーデンの民族変則弦楽器であるニッケルハルパ、5弦ヴィオラ、生ギターを担当する3人の奏者のアンサンブルをちょい聞いただけで、おおっと身を乗り出す。格調高く、すげえ音楽的。うむ、これはアートだとすぐに痛感させられちゃったもん。属性が違うルナサのことを比較の対象とするのもなんだが、同じトラッド・グループでも持っている哲学や技量が、彼らの方が上のステージにある。なるほど、あの逸脱清新ブルーグラス・グループであるパンチ・ブラザーズ(2016年8月4日)が2012年作『Who’s Feeling Young Now?』(Nonesuch)で、ヴェーセンの「Flippen」をカヴァーしているのも腑に落ちすぎというか……。いやはや、今更ながらこのスウェーデンのトリオに降参、そりゃジャズの方でも同国からはイってるグループが出てくるだろうなと妙な納得の仕方もしてしまった。とともに、ぼくは今年『2』(Brassland)をリリースした、レディオヘッド時代の耽美アイリッシュ・トラッド・グループと言えることをやっているザ・グローミングのことを思い出した。彼らはパンチ・ブラザースに対するアイルランドからの回答と言えることをやっている。うーん、ライヴに触れてみたい。
そして、アンコールは出演者3組が出てきて、2曲やった。それぞれが”北の国”の真心のもと、相手を受け入れ、重なる。ひねくれ者でも、いい光景と感じるしかないじゃないか。
▶過去の、ルナサ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20101211
http://43142.diarynote.jp/?page=26&theme_id=222
▶︎過去の、ナヌーク
http://43142.diarynote.jp/201503271611494171/
▶︎過去の、ヴェーセン
http://43142.diarynote.jp/201411211148399707/
▶︎過去の、パンチ・ブラザース
http://43142.diarynote.jp/201608100931466329/
<今日の、休憩時>
なんか生っぽい楽器音が上階から溢れてくるなと思い、階段を上がってみたら、一角でフィドル、ホイッスル、パイプ、アコーディオン、生ギターなどを持った人たち(日本人)が車座になって、軽やかに音を重ね合っている。と、そこに先ほど演奏していたルナサの3人がシット・インし、和気藹々のアイリシュ・トラッド基調の集団演奏が20分強、数曲続けられた。こりゃ、接していて楽しい。トラッドが育まれるかの地の日常を目の当たりにするような気持ちにもなれて、いいなあとうなづく。プロもアマチュアも出演者もお客さんも関係なしに、音楽をする悦びをシェアするのって本当にいい! そんな光景に触れながら、これはミュージック・プラントの20周年を祝う場にふさわしいとも思わずにはいられず。そういえば、出演者たちからは本当にいい心地の持ち主であり音楽のムシであることも伝わってきて、それも気分がいい。そして、それこそはミュージック・プラントという会社が真心とともに運営してきたものの原動力でもあったろう。女性が一人でやってきている会社がしっかり稼働し続け、確かな種を日本の音楽愛好者の中に残している。これ、ちょっとすごいし、素敵な話ではないか。
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