デ・ラ・ソウル

2016年10月17日 音楽
 デ・ラ・ソウル(2010年1月28日)の11年強ぶりのスタジオ新作『And The Anonymous Nobody…』はやっぱりいい感じだ。クラウド・ファウンディングにかけたら設定額の4倍が集まったという話題もうれしい、感覚しなやかポップ派ヒップホップの面目躍如盤。スタジオ録音/作業の放蕩の限りを尽くした結果の肉声と音の万華鏡には、笑みを浮かべてしまう。

 六本木・ビルボードライヴ東京、ファースト・ショウ。メンバー3人だけによるショウ。どんなふうになるのかと思ったら、前回来日公演を継ぐような、オールドスクールとも言える、肉体派路線で突っ走る。それは、見た目の体格や格好の方もまったくもってそう。確かにあの精緻かつ華やかな内容を3人で生の場で出すのは不可能なわけで、それをクールに認める本人たちもスタジオとライヴを完全に分けて考えているんだろう。そのあまりの落差には、逆に愛おしくもなってくるかな。

 面々、冒頭で客を強制的に立たせる。ハハハ。そして、2曲目だか終わったあたりでも、まだ立ってねえ奴がいる&手をステージにかざしていない奴がいると、ダメだし。ただし、それは陰険な感じではなく、少しお茶目な感じであった。そう、力こぶ路線で行くぶん、観客とのやりとりに力点を置いている感じは大いにあり。そして、サンプリング系ビートに乗る肉声の様々な感興はこれでもかと受け取れた。そして、それこそはヒップホップの基本の魅力であるとも、パフォーマンスは示していたろう。

<今日の、忘れ物>
 面々は、携帯電話の写真撮影用のライトをかざさせる場面もあり。そういえば、久しぶりに携帯電話を家に置いたまま、出かけてしまった。別に外でネットをひく趣味はないのでそんなに支障はないのだが、外出時は完全に時計として使っているので、時間を知りたいときに即それが分からないのはつらい。原稿の締め切りを含め、ぼくはかなり時間に正確なほうだと思うが、けっこう時刻は日々マメにチェックしているのかもしれぬ。

コメント