最初に渋谷・wwwに行って、ハモニカクリームズという、ハーモニカ、フィドル、生ギターからなる、3人組を見る。本人たち曰く、“ケルト・ブルース・バンド”。それは中心人物がハーモニカ奏者(=一応、ブルースのイメージもある楽器です)である事とも関係あるんだろうが、ぼくはパっと聞いてあまりブルージィさは感じない。でも一方、ケルト〜アイリッシュ・ミュージック的な曲想はけっこう経由していて、それらが持つ反復回路が導く扇情性をうまく介しドラマティックなインストゥメンタルを作っていると思った。そんな彼らは欧州にも進出していて、リーダーのハーモニカ奏者は現在フランス在住だそうだ。

 会場に入ってすぐに了解できたのは、観客の反応が熱いということ。それは固定のファンがちゃんとついているとも了解させられるわけだが、お客は他にどういう音楽を聞く層であるのか。そして、出音がデカい。この日はエレクトロニクス担当物、キーボード奏者、ドラマーがサポートで入っており、より重厚にして、仕掛けにも富む音を出していたと推測される。ファースト・セットを見て、次の場に向かう。

 次は、北青山のプラッサ・オンゼで、“渋谷系”ブラジル人シンガーのフェルナンダ・タカイのアコースティック・ライヴのショウをセカンド・セットから見る。ミナス・ジェライス出身の同国超人気ポップ・ロック・バンドであるポト・フのシンガーであり、その傍らソロ活動もしている日系3世の歌手。8年ぶりの来日公演となるそうで、MCはけっこう日本語でこなす。前回はほとんど日本語ができなかったそうだ。

 満場の客で、外国人比率高し。あちらから同行したギター奏者とキーボード奏者のサポートのもと、ふんわかしたノリでショウは進む。パっと聞く分には言葉を除くと、ブラジル色はそれほど強くないが、そんな彼女がブラジルでスターとなったのはブラジル人の異文化好きが集約したものと指摘できる? ともあれ、ブラジル発のキッチュが山ほど味わえるのは間違いない。

 パト・フの日本語曲「Made in Japan」、彼女がザ・ポリスのアンディ・サマーズと作ったアルバム、そして野宮真貴との双頭作からの曲も披露。後者の方は見にきいていた野宮本人も計2曲で加わる。彼女が出ていたとたん、多くの客が写真に収めようと携帯を構える。やっぱりピチカート・ファイヴの人気もすごいな。

<今日の、考察>
 フェルナンドだと男性で、フェルナンダだと女性になるんですね? 終演後、そうポル語に堪能な知人に尋ねてしまう。a で終わるのは女性なのだとか。サンバも最後はaだが、それは男なんだよなあ、とのこと。昔、日本語には男性名詞、女性名詞がなくて楽だなあと思ったことがあった。それって、日本は男女平等的な考え方があったということ? それとも、オトコ天下で物事はすべからく男性のものであったという証左?

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