フェスティヴァルの会場の近くには、世界遺産に登録されているブールジュの大聖堂があって、なるほどそれは荘厳。昔見たケルンの大聖堂の立派さを、ふと思い出した。というのはともかく、思わずカメラを手にしたくなる。その周辺の町並みも石畳をはじめ、とっても古そうで、風情あり。ブールジュ通(?)の人に案内していただいたが、フェスのついでに、食事ともどもここらあたりを散策しないとウソだと思った。

 一番デカいテント会場(ル・W)で見たジェネラル・エレクトリクスは、キーボードを弾きながら歌うエルヴェ・サルターのユニットで、ちゃんとしたバンド編成のもと、娯楽性あるダンス・ポップを聞かせる。やんやの喝采で、その人気の高さを認知。シャツにネクタイがトレードマークのような彼が知られるようになったのは2000年代に入ってからだそうだが、デカいヴィジョンに映し出される顔はけっこう皺がある(40半ばはゆうにいっていそう)。何気に、苦労人?

 その後、プレス向けのクローズな場で、テレキャスターを弾きながら歌う褐色スリムなお姉さんのショウを見たが、名前は失念。ドラマーがサポートしていた。フェスティヴァルで伸び盛りの担い手が出てくるのは、ル・22というハコでそれは隣り合わせに東館と西館に分かれていて、ライヴは交互になされる。ともに、スタンディングでキャパは350なり。その東と西を行き来して、ちゃんとバンドでしなやかさと芯を併せ持つ実演を披露したパプーズ、いかにもUKロックな英国カンタベリー出身の5人組バンドであるブロークン・ハンズ、まだ20代前半の仏ロック・バンドのラスト・トレインらを見る。とくに、ガレージぽいロックンロール・バンドであるラスト・トレインの質量感あるステージにはびっくり、興奮。ルックスも良いし、若いのにも関わらず見せ方の妙もよく知っていて、もう花マル。大推奨!!! 

 その後、再び大テント会場のほうに向かったのだが、手前で大渋滞。いやあ、待機しているのがしんどかった。このころには、地元の若い衆(?)が集団であっちこちで思うままやんちゃしていて、それをはた迷惑と感じたことに歳を感じたか。キャパ6000人超えのル・Wで見たキャラヴァン・パレスはいかにもフランスの集団らしいと感じずにはいられない音楽性とステージ運び。エレクトロ・スウィングという面々のキャッチを見たような気がするが、なるほどそういうこと(マヌーシュ味もあり)を、コテコテの見せます精神のもと展開。プリセット音併用ながら、ウッド・ベースやヴァイブラフォンやクラリネットやトロンボーン奏者たちも活躍。中央にいる女性歌手ほか、シンガーも複数いたか。キャヴァレー文化を受けているとも、感じる?

 夜も深まると、場内は見事に草くさい。売店ではアルコールもじゃんじゃん売っている。シンガーとMC(トゥースティング)を両方やるナーマンは2500人規模ホール(ル・パレ・ドロン)への出演でもう激混み。なんで、もっと広いテントのほうでやらないのかと思う。ちゃんとレゲエを愛するハンサム君(ときに、声がボブ・マーリーぽいと思わせるときあり)のとってもココロと技のあるパフォーマンスは良い。ジャマイカンでも英国人ではない、フランス白人レゲエは日本では受けにくいのかなとほんの少し考えたが、すぐにショウに戻り入り込んだ。

<今日の、仕事>
 例により、夕方に二組にインタヴューする。▶青年2人、フォーキー・ポップ・ユニットのパプーズ。ルックスも良く、日本人が考えるところのフランスぽさを多大に彼らは与える、と書いても語弊はないだろう。昨年来日し、新作『グリーン・ジュース』の日本盤も出たばかりで、話もはずむ。そこで、彼らはアート・リンゼー(1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日、2015年6月9日)曲もカヴァー。どうして? 答えは、好きなんだもん。▶フレンチ・レゲエ界の大スターの、ナーマン。彼はツアー中で、立派なツアー・バスの中でインタヴューする。さすが売れっ子は立派なバスで回るんですねと振ると、「いや、これはやっと借りることができて、今日から使っている。これまではヴァン2台で動いていたんだ」と、見栄を張らない好漢なり。いや、ほんとナイス・ガイでした。
▶過去の、アート・リンジー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
http://43142.diarynote.jp/201506111719463390/

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