ミミットとは、フィンランドの姉妹デュオ。ソロなどでも何度か来日している姉のほうは、同国のトラッド・ポップ・バンドのヴァルティナに在籍していたこともあるという。近年はフィンランドの子供向けアニメTV番組のキャラクターに採用され、2人は人気を集めているとか。それ、かつてパフィーが米国カートゥーン・ネットワークの「Hi Hi Puffy AmiYumi」のキャラになったのと似た感じだろうか。ミミットのCDのブックレットを見ると、「Hi Hi Puffy AmiYumi」のそれをもっと牧歌的にしたようなアニメ絵がいろいろ掲載されている。そんなミミットは、2008年にも来日しているそう。代官山・晴れたら空に豆まいて。

 フィンランド東部のカレリア地方の伝統音楽をベースとし、そこにしなかやか陽性に広義のポップ要素を加えると、彼女たちのアコースティック表現は説明できるか。なんか、あっけらかんとした手触りが横溢していて、それは敷居の低いサーヴィス精神にも繋がっていると思う。

 民族衣装(?)に身を固めた女性陣を、2人の生ギター奏者(1人はパーカッションも)とエレクトリック・ベース奏者がサポート。姉のパウリーナ・レルヒェはボタン式アコーディオンや自作っぽいカンテレ(http://43142.diarynote.jp/201109121438367147 のシニッカ・ランゲランの項を参照のこと)を肩にかけて歌い、妹のハンナマリーほうは少しだけヴァイオリンを弾いたりもする。ユニゾン気味に一緒に歌うことの多い2人はヘッド・セットのマイクを付け、けっこう軽やかに踊ったり、ステップを取ったりもしていた。

 1部を見て、渋谷・サラヴァ東京に移動。<『クレオール・ニッポン』 ライブ うたの記憶を旅する 第2章へむかって>と題された、松田美緒(2005年7月11日、2010年4月19日、2010年10月16日、2012年6月13日、2014年2月9日、2014年6月16日)の実演を見る。『クレオール・ニッポン』とは昨年暮れにアルテスパブリッシングから出版されたCDブックの表題。広義のラテン諸国と日本の文化を柔軟にして強い個人力で跨ぐ松田が自分なりの日本の歌探しの過程で出会った日本の民謡や、ブラジルやハワイの日系移民の曲などを、彼女はそこでシンプルな伴奏のもと自分流で紐解いている。

 そのCDブックレットで伴奏をつけていたピアノの鶴来正基とパーカッションの渡辺亮(2012年5月15日)がサポート。“第2章へむかって”とあるように、その後の彼女の音楽の旅で得た新しい楽曲を加えてのパフォーマンス。ピアノ演奏の静謐な持ち味が導く、ストーリー性とロマン性豊かな地に足を付けた圧倒的な歌唱表現を彼女は悠然と披露。とっても、存在感あり。とともに、そこには音楽という人間に不可欠な行為/文化のうれしい探求の綾があった。

▶過去の、松田
http://43142.diarynote.jp/200507161355250000/
http://43142.diarynote.jp/201004211621084144/
http://43142.diarynote.jp/201010191403189326/
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140209
http://43142.diarynote.jp/?day=20140616
▶過去の、渡辺亮
http://43142.diarynote.jp/?day=20120515

<今日の、TV>
 「ナッシュ・ブリッジス」の再放送がフォックス・クラシックで始まり何気にうれしい。なんか、あの他愛なさが好きで、息抜きに適しているんだよなあ。しかし、吹き替えの声に親しんでいると、主役のドン・ジョンソンの素の声は腑抜けに聞こえるなあ。

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