渋谷・www、2日目。この日は、ブラジルのチガナ・サンタナと、西海岸のマリの5人組であるベカオ・カンテットが出演した。
 
 チガナ・サンタナは、北東部サルヴァドールの担い手。同地のヨルバ族系宗教であるカンドンブレの音楽にも親しみ、私の考える静謐なアフロ・ブラジリアン表現を紡ごうとしている人と言っていいのかな。左利きの構えで変則チューニングらしい5弦のアコースティック・ギターを爪弾きながら歌う当人に、白人のウッド・ベース奏者と趣味良くアクセントを送り出す白人パーカッション奏者が寄り添う。ベース奏者はリズミカルにボディを叩いているときもある。まだ30歳ちょいだそうだが、40歳以上の人がやっているような、生理的に成熟した、漂う、含みのある弾き語り表現をサンタナは聞かせる。実に静的、大人なテイストじゃ。ちょいがっかりしたのは低音のヴォーカルがのぺーっとしていて期待したほど深みがなく、スピリチュアルでもなかったこと。とはいえ、ぼくがこれまで聞いていないブラジル音楽があったのは疑いがない。

 続くは、マリの首都であるバマコを拠点に置くベカオ・カンテット。まず、フロントに並ぶアンプリファイドされた二つの伝統弦楽器奏者が注意をひくが、リーダーはドラムを叩く唯一の白人(フランス人)であるそう。彼がバマコで伝統的な打楽器技法を習得していくなかで、西洋音楽視点も取り込みつつマリの新しい伝統音楽をやろうと組んだのがこのグループらしい。コラをエレキ・ギターのように横にしたような楽器のドンソンゴニと葉っぱのような形をした小さな弦楽器のジェリンゴの絡みは印象に残るし、3人のドラム/パーカッションの絡みは疾走感に満ち、そこに重なる高音のヴォーカルも聞き手のセンサーを刺激する。とかなんとか、これは確かな発想のもと、今のマリの音楽を送り出していると思った。

<今日の、ほどこし?>
 誕生日だ。誕生日だけは近い人と静かに祝いたい、また他者に誕生日であるのを声だかに伝えるのはいかがなものかという奥ゆかしさ(?)ゆえに、誕生日に大勢と会う可能性のある音楽公演に行くことはこれまでかなり避けてきたのだが(あ、知人の口車にのってしまい、店をかしきって大々的に誕生会をやったことが6年前にありました……)、余生も短くなってくると、まいっかとなり、会場入りする。まあ、毎日新聞のライヴ評を受けちゃっているので、今回はちゃんと見なきゃいけないのだけど。結果、マジいろんな人がお酒や食べ物をおごってくれたー。もう、次々〜。さらには、わざわざプレゼントを手渡されもして、うれしかった。ライヴ後も、いろいろとドトー。昨日も某社軍団と流れておごってもらったりもし、誕生日ってすごいと肌で感じまくりなり〜。こりゃ、阿呆は味をしめちゃうナ。

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