ニューオーリンズといろんな部分で繋がっているアルト・サックス奏者(2014年8月25日)のちょうど1年ぶりの来日公演。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。若手を擁するバンドはピアニストをのぞいては前回と同じ。ジェラルド・クレイトン(2007年9月10日、2008年9月16日、2009年6月7日、2009年9月3日、2011年10月6日)みたいなヘア・スタイルのザッカイ・カーティス(ピアノ)は2000年代中期にハリソン・バンドで演奏するとともに、その後はクリスチャン・スコット(2008年7月23日、2008年9月10日、2009年1月31日、2009年9月15日、2010年9月3日、2011年12月17日)のグループに入ったりもしてきた人。彼、端正な指さばきを見せたな。ドラマーのジョー・ダイソンは7月初旬のドクター・ロニー・スミス公演(2015年7月2日)で来日したばかりだ。

 純ジャズからニューオーリンズR&Bへ、という流れも前回と同様。とはいえ、受けた所感はそれなりに異なるところもあったな。ザクっと言えば、よりジャズっぽかった。白いジャケットに赤いネクタイのハリソンは、“暖簾に腕押し”と言いたくなるフレーズを4ビートのサウンドにのって積み上げる。途中で、チャーリー・パーカー曲もうれしそうに演奏する。やっぱり、この世代ぐらいまでのアルト・サックス奏者はつまるところパーカーなのだなと、思わずにはいられず。ハリソンは前回のように、パーカッションを叩くこともなし。それで、40分強ずずいと進む。

 そして、1曲ポップなフュージョン調曲をやった末に、唐突にニューオーリンズ路線に転換。ハリソンはサックスを置いて、延々と歌いっぱなし。ベーシストはエレクトリック・ベースに持ち替える。バンドの音が急に太くなる(笑い)。延々となされた「ヘイ・ポッキー・アウェイ」(ザ・ミーターズ)でハリソンは無理矢理満場の客を立たせる。この場面だけ見る人が見たら、なんと壮絶に受けまくったショウかと思うだろう。今回、場内練り歩きはなし。ライヴ直後のサイン会はあり。

▶過去の、ドナルド・ハリソン
http://43142.diarynote.jp/201408260930269988/
▶過去の、ジェラルド・クレイトン
http://43142.diarynote.jp/200709171108570000/
http://43142.diarynote.jp/200809171409066704/
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/201110091258307349/
▶過去の、ドクター・ロニー・スミス
http://43142.diarynote.jp/201507030846173120/
▶過去の、クリスチャン・スコット
http://43142.diarynote.jp/200709171108570000/
http://43142.diarynote.jp/200809171409066704/
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/201110091258307349/

<今日の、暗喩>
 パーカーの曲をやる前に、ハリソンは「チャーリー・パーカーを聞いたことのある人は?」と客に問う。そして、続けて「ジョン・コルトレーンを聞いたことは?」、「ザ・ビートルズは?」、「2パックは?」といった感じで、次々アーティストの名前を出して、働きかける。今回ははみだし度数は前回公演より少なかったが、その他愛のない問いかけでオレの表現はいろんなものとつなっがっているという気持ちを出しているように思えた。

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