アル・パチーノがダニー・コリンズという役名の老ロック・スターを演じる(←やはり、うまいね)2015年米国映画を、六本木・アスミックエース試写室で見る。ジョン・レノンが1970年代初頭にあるフォーク・シンガーに真面目な書簡を送ったが、それは長らく当事者に渡ることはなかったという実話をベースとするもので、音楽プロデューサーを現ブルーノート・レコード社長のドン・ワズ(2013年2月15日)が担当。ダニー・コリンズが30年ぶりに作ったという滋味曲にはライアン・アダムス(2004年9月17日)が曲作りに関与しているようだ。9月5日から、ロードショー公開される。

 監督はこれが初監督作品となるそうな、ダン・フォーゲルマン。中年の彼は脚本で成功して来た人で、ここでも会話はかなり機微ありで、見ていてクスっとなれる。丁寧に作られているが、何気に登場人物は多くないので、それは映画に入り込みやすいノリを作るか。また、劇中に入る効果音的音楽は多くないと感じた。そのかわり、プロットプロットで(エンドロールでも)用いられるのが、なんと(ソロ時代の)ジョン・レノン曲の数々。10曲を超えるそれらには驚いた。でも、ぼくはと言えば、あまりにジョン・レノン曲に対する思いが強いので、それについては痛し痒しのところも。効果倍増とは感じられなかったわけだが、とにもかくにもロックが重要な材料となる映画だ。

▶過去の、ドン・ワズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215
▶過去の、ライアン・アダムス
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/

<昨日の、武蔵野>
 武蔵野美術大学に行った。国分寺駅からバスで行ったのだが、あのへん、学校が多いのだな。同大美術館でお盆まで開かれている<ポピュラー音楽の世紀>というそこに生前寄贈された故中村とうようさんのコレクションをソースとするもので、催しの表題は、岩波新書に残された彼の書籍タイトルから来ていますね。文句なく興味深かったのは、実際に音を流したシリンダー型蓄音機やデカいオルゴール。音の出る装置に対する浪漫をくすぐられる。この日は、平日にも関わらず、そういう浪漫を持つ世代(?)でなかなかの盛況。会場で会った知り合いに、ピーター・バラカンさんのトーク・ショーがあるからですよと教えられた。ちょいそのホールを覗いたら、立ち見が出る大盛況。そこで同時に大きなスペースをとって持たれていた、「絵の始まり 絵の終わり 下絵と本画」という展覧会も見させてもらったが、日本画って下絵を重ねたうえで完成されるのか。へえ〜。ともに、無料でした。

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