清水靖晃&サキソフォネッツ。グリーンルーム・フェスティヴァル
2015年5月24日 音楽 まず、昼下がりに初台・東京オペラシティのコンサートホール(すんごい、天井が高い会場なのだな)で、ずっと鬼才であり続けている清水靖晃(2000年12月16日、2006年9月26日、2010年2月27日、2011年6月6日)のクラシック表現に出張った方向の公演を見る。いい入り、ちゃんと彼は顧客を抱えているのだな。「ゴルトベルク・ヴァリエーションズ」という、公演表題付け、なり。エイベックスからバッハの「ゴルトベルク変奏曲BWV988」を演奏した新作『ゴルトベルク・ヴァリエイションズ』が出ていて、それをフォロウするものでもあるのか。
出演者は、清水靖晃(テナー・サックス)に加え、林田祐和(ソプラノ、アルト・サクッス)、江川良子(アルト、ソプラノ・サックス)、東涼太(バリトン・サックス)、鈴木広志(バリトン、アルト、テナー・サックス)という、サキソフォネッツと名付けされている4人のサックス奏者。面々は、すでに9年も同じ顔ぶれで活動しているという。そして、今回はさらには佐々木大輔、中村尚子、宮坂典幸、倉持 敦という4人のコントラバス奏者がつく。
最初、清水は一人で出て来て、一時凝った(?)下世話系音階を用いたテナー・サックス・ソロを即興で披露。少し遅れてくる人への配慮ですね。しかし、いい鳴りの音は最初バリトン・サックスかと思わせた? 彼、ピッカピカの真新しいサックスを抱えていたなー。そして、一度引っ込み、その後に9人全員で出て来てゴルトベルク演奏を粛々と演奏を始める。
もちろん、アレンジは清水靖晃の手による。なるほど、バッハはもちろん、グレン・グールド絡みで多くの人から人気を集める「ゴルトベルク変奏曲」も不慣れなワタシではあるが、真っ向からバッハと向かい合っていても、やっぱり清水靖晃はクラシックの人ではなく、コンテンポラリー・ミュージックのクリエイターだと思わずにはいられず。
だって、この人数で4人も縦ベースが音を出せばそりゃ低音は効き、音圧も出る。非クラシックの聞き手が惹かれる音像や間や揺れが、確実に現れる。起用されている奏者たちは清水の子供世代となる20〜30代の人たちだろうが、そのノリはダンス・ミュージックが生まれた時から横になかった年寄りは出せなく、そりゃ若い奏者しか雇えないだろうなあとも思う。また、高尚さたっぷりでありつつポップ・ミュージック的ともぼくは言いたくなる濃い音像を求めているのは、バリトンを2本揃えるなどするサックスの構成にも表れているようにぼくには思えるし、清水は時にタンギングで打楽器音的な効果も出したが、一般的なクラシックの奏者はそういうことはしないでしょ?
まあ、サックス奏者だけでなく、コントラバス奏者が加わったことで、大きく聞き味が変わるのは当然なのだが、過去2回聞いたザ・サキソフォネッツ公演よりも、ぼくにとっては親しみやすく、進歩しているぞと思わせるところがあった。曲の出だしでカウントをするでもなく、ある種の間とともに奏者たちが演奏という名の窓にさっと入って行くところなぞも、わあと思わすものであったな。
総じては、クラシック曲を一度清水流で咀嚼解体し、それをもう一度原典が送り出された地点の先にある同ラインに持ってきているという(分りにくい書き方だな。すみません。一筆書き原稿なので、まあいいとしちゃう)、感想も得たし、その作業が今回とてもうまく行っていると、ぼくには思えた。
そんなわけなので、ぼくは頭が(物理的に)揺れてしょうがなった。普段から、厳粛なキブンが流れるクラシックのホールは超苦手。風邪をひいていなくても、咳が出てくるしぃ。だが、今回はサウンドの構造に誘われての、身体の揺れに気を遣う。前に銀座の王子ホールでア・フィレッタ(2010年8月25日)の公演を見たとき、とても悲しい目にあったことがあるから。あのコルシカ島おやじたちの非クラシックのアカベラ表現に接した際、その変幻自在の流れに夢心地となり控え目に時に身体を揺らしていたら、後の女性から「あんた、何考えてるの。身体動かさないで」と、険悪に注意されたことがあったんだよなあ。それ、とっても嫌な記憶だな。
▶過去の、清水靖晃
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200609271445280000/
http://43142.diarynote.jp/201002280943251477/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110606
▶過去の、ア・フィレッタ
http://43142.diarynote.jp/201008270912512078/
そして、ずずいっとヨコハマへ。夕方から、グルーン・ルーム・フェスティヴァル(2007年5月26日、2009年5月30日、2010年5月23日、2011年5月21日)を楽しむ。4年ぶりに行ったが、天気がいい(実は、昨日までの天気予報では雨天だった)と気持ちいいよなあ。なんか、満喫した。昨日の味スタのサッカー観戦に続く、野外ちんたら。今こそが、そういうベストのシーズンかも知れぬ。
横浜の赤レンガ倉庫の海側に広がる一角に、3つのステージ。そして、赤レンガ倉庫の中にある室内ステージが一つ。モーションブルーは2日間のフェス会期中は営業せず、アーティスト控えの場になっている。2日前に見た巨大豪華客船は出航したらしく、なかった。暗くなると、やはり夜景はいろいろと綺麗。
レキシ(2013年8月11日、2014年12月28日)は、本当にフェス向き。ケラケラ笑いながら、堪能。ヴォーカルやギターのムッシュかまやつ(2010年1月12日)とベースのKenKenとギターの山岸竜之介が前に立つライフ・イズ・グルーヴ(二管つきでした)には、なんとKenKenのお母さんである金子マリ(2004年7月25日、2008年4月20日)が出て来て、3曲熱唱。ヘッドライナーのザ・ウェイラーズはまず音質がいい、と思えた。バンド音もかなりよく、過去見たなかで一番と思えたか。それで、ボブ・マーリーの往年曲が開かれるのだから、そりゃアガる。(音を出せるギリ時間であるだろう)9時ぴったりに、彼らは50分弱のショウをぴたりと終える(元々、このフェスは割り切りが良くて、各出演者に与えられる演奏時間は基本40分)。プロだな。ザ・ウェイラーズの実演の詳細は、 http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2015/05/25/the-wailers-greenroom-festival-15.html
▶過去の、グリーンルーム・フェスティヴァル
http://43142.diarynote.jp/200706051231250000/
http://43142.diarynote.jp/200906061045286071/
http://43142.diarynote.jp/201006031536173725/
http://43142.diarynote.jp/201105230925539578/
▶過去の、レキシ
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
▶過去の、
http://43142.diarynote.jp/201001131101085950/
▶過去の金子
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/
http://43142.diarynote.jp/200804220006510000/
▶過去の、ザ・ウェイラーズ
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/201311021703148497/
<今日の、初めて>
東京から横浜への移動で、JR湘南新宿ラインに初めて乗る。ダイヤが20分強遅れになっていたため、特別快速というやつに都合良く乗れた。なんと東海道線とは違う線路を通るらしく、東横線の駅という印象しかぼくにはない武蔵小杉に停まったのにはビックリ。そして、車両は小田原行きであったのだが、電車が遅れているために@@@@駅(聞いたことがない駅名だった)終着に変更しますと、アナウンスされたのにはもっとびっくり。世の中、いろいろあるなあ。まだまだ、未知のことは山ほど。
出演者は、清水靖晃(テナー・サックス)に加え、林田祐和(ソプラノ、アルト・サクッス)、江川良子(アルト、ソプラノ・サックス)、東涼太(バリトン・サックス)、鈴木広志(バリトン、アルト、テナー・サックス)という、サキソフォネッツと名付けされている4人のサックス奏者。面々は、すでに9年も同じ顔ぶれで活動しているという。そして、今回はさらには佐々木大輔、中村尚子、宮坂典幸、倉持 敦という4人のコントラバス奏者がつく。
最初、清水は一人で出て来て、一時凝った(?)下世話系音階を用いたテナー・サックス・ソロを即興で披露。少し遅れてくる人への配慮ですね。しかし、いい鳴りの音は最初バリトン・サックスかと思わせた? 彼、ピッカピカの真新しいサックスを抱えていたなー。そして、一度引っ込み、その後に9人全員で出て来てゴルトベルク演奏を粛々と演奏を始める。
もちろん、アレンジは清水靖晃の手による。なるほど、バッハはもちろん、グレン・グールド絡みで多くの人から人気を集める「ゴルトベルク変奏曲」も不慣れなワタシではあるが、真っ向からバッハと向かい合っていても、やっぱり清水靖晃はクラシックの人ではなく、コンテンポラリー・ミュージックのクリエイターだと思わずにはいられず。
だって、この人数で4人も縦ベースが音を出せばそりゃ低音は効き、音圧も出る。非クラシックの聞き手が惹かれる音像や間や揺れが、確実に現れる。起用されている奏者たちは清水の子供世代となる20〜30代の人たちだろうが、そのノリはダンス・ミュージックが生まれた時から横になかった年寄りは出せなく、そりゃ若い奏者しか雇えないだろうなあとも思う。また、高尚さたっぷりでありつつポップ・ミュージック的ともぼくは言いたくなる濃い音像を求めているのは、バリトンを2本揃えるなどするサックスの構成にも表れているようにぼくには思えるし、清水は時にタンギングで打楽器音的な効果も出したが、一般的なクラシックの奏者はそういうことはしないでしょ?
まあ、サックス奏者だけでなく、コントラバス奏者が加わったことで、大きく聞き味が変わるのは当然なのだが、過去2回聞いたザ・サキソフォネッツ公演よりも、ぼくにとっては親しみやすく、進歩しているぞと思わせるところがあった。曲の出だしでカウントをするでもなく、ある種の間とともに奏者たちが演奏という名の窓にさっと入って行くところなぞも、わあと思わすものであったな。
総じては、クラシック曲を一度清水流で咀嚼解体し、それをもう一度原典が送り出された地点の先にある同ラインに持ってきているという(分りにくい書き方だな。すみません。一筆書き原稿なので、まあいいとしちゃう)、感想も得たし、その作業が今回とてもうまく行っていると、ぼくには思えた。
そんなわけなので、ぼくは頭が(物理的に)揺れてしょうがなった。普段から、厳粛なキブンが流れるクラシックのホールは超苦手。風邪をひいていなくても、咳が出てくるしぃ。だが、今回はサウンドの構造に誘われての、身体の揺れに気を遣う。前に銀座の王子ホールでア・フィレッタ(2010年8月25日)の公演を見たとき、とても悲しい目にあったことがあるから。あのコルシカ島おやじたちの非クラシックのアカベラ表現に接した際、その変幻自在の流れに夢心地となり控え目に時に身体を揺らしていたら、後の女性から「あんた、何考えてるの。身体動かさないで」と、険悪に注意されたことがあったんだよなあ。それ、とっても嫌な記憶だな。
▶過去の、清水靖晃
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200609271445280000/
http://43142.diarynote.jp/201002280943251477/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110606
▶過去の、ア・フィレッタ
http://43142.diarynote.jp/201008270912512078/
そして、ずずいっとヨコハマへ。夕方から、グルーン・ルーム・フェスティヴァル(2007年5月26日、2009年5月30日、2010年5月23日、2011年5月21日)を楽しむ。4年ぶりに行ったが、天気がいい(実は、昨日までの天気予報では雨天だった)と気持ちいいよなあ。なんか、満喫した。昨日の味スタのサッカー観戦に続く、野外ちんたら。今こそが、そういうベストのシーズンかも知れぬ。
横浜の赤レンガ倉庫の海側に広がる一角に、3つのステージ。そして、赤レンガ倉庫の中にある室内ステージが一つ。モーションブルーは2日間のフェス会期中は営業せず、アーティスト控えの場になっている。2日前に見た巨大豪華客船は出航したらしく、なかった。暗くなると、やはり夜景はいろいろと綺麗。
レキシ(2013年8月11日、2014年12月28日)は、本当にフェス向き。ケラケラ笑いながら、堪能。ヴォーカルやギターのムッシュかまやつ(2010年1月12日)とベースのKenKenとギターの山岸竜之介が前に立つライフ・イズ・グルーヴ(二管つきでした)には、なんとKenKenのお母さんである金子マリ(2004年7月25日、2008年4月20日)が出て来て、3曲熱唱。ヘッドライナーのザ・ウェイラーズはまず音質がいい、と思えた。バンド音もかなりよく、過去見たなかで一番と思えたか。それで、ボブ・マーリーの往年曲が開かれるのだから、そりゃアガる。(音を出せるギリ時間であるだろう)9時ぴったりに、彼らは50分弱のショウをぴたりと終える(元々、このフェスは割り切りが良くて、各出演者に与えられる演奏時間は基本40分)。プロだな。ザ・ウェイラーズの実演の詳細は、 http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2015/05/25/the-wailers-greenroom-festival-15.html
▶過去の、グリーンルーム・フェスティヴァル
http://43142.diarynote.jp/200706051231250000/
http://43142.diarynote.jp/200906061045286071/
http://43142.diarynote.jp/201006031536173725/
http://43142.diarynote.jp/201105230925539578/
▶過去の、レキシ
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
▶過去の、
http://43142.diarynote.jp/201001131101085950/
▶過去の金子
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/
http://43142.diarynote.jp/200804220006510000/
▶過去の、ザ・ウェイラーズ
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/201311021703148497/
<今日の、初めて>
東京から横浜への移動で、JR湘南新宿ラインに初めて乗る。ダイヤが20分強遅れになっていたため、特別快速というやつに都合良く乗れた。なんと東海道線とは違う線路を通るらしく、東横線の駅という印象しかぼくにはない武蔵小杉に停まったのにはビックリ。そして、車両は小田原行きであったのだが、電車が遅れているために@@@@駅(聞いたことがない駅名だった)終着に変更しますと、アナウンスされたのにはもっとびっくり。世の中、いろいろあるなあ。まだまだ、未知のことは山ほど。
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