アヴィシャイ・コーエン・トリオ
2015年5月14日 音楽 わあ、あのクールそうな、アヴィシャイが壊れた!(←少し、大げさ) それ、どーゆうことと思われる方も多いだろうが、後のほうで、その模様に触れます。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
アメリカのジャズ界で活躍した後に今は本国に戻って同胞と属性を愛でる方向性も持つジャズ活動を鋭意標榜しているイスラエル人ジャズ・ベーシスト(2006年5月17日、2014年1月21日)の公演は、ピアノのニタイ・ハシュコヴィッツ(2014年1月21日)とドラムのダニエル・ドー(2014年1月21日)、このところ固定されたトリオによる。そして、ステージに出て来た3人の出す音にパっと触れ、これは生理的に格調の高いジャズであると思わされる。ライヴだとソロを長くとるので、純ジャズ・リスナー以外への訴求にも留意したアルバムの内容よりジャズ濃度は高まる。
いやはや、それぞれの出音の綺麗で、存在感のあること。それは、3人とも相当な技量を持つことの裏返しであるのだが、技術を超えた風情や味をアピールする方向にトリオ表現は収束もする。結果、インターナショナルなジャズ美意識と自らの出自を愛でる気持ちの目映い交錯表現がぽっかりと浮かび上がるわけだ。また、見ているうちに、どんどん面々のインタープレイの様にも耳うばわれる。その部分においては、どんどん磨きがかけられ、熟成してきているのは疑いがない。絵画を3人で描いて行くようなノリも持つ演奏はかなりいろんな機微〜展開を持つものであるのだが、譜面を置かずに悠々と噛み合い、流れていく様はまさにワーキング・トリオの鏡。そこに介在する呼吸とか、間とか、本当にすごい。と、そんな感じで、本編は終了する。
その後、面々は再びステージに上がりアンコールに応えるわけだが、そこでコーエンは全面的に、おカマっぽい感じもある歌を披露する。アルバムでは歌を披露したこともあったが、生でそれを聞くのは、ぼくは初めて。まあ、いかにもアンコールの曲らしいものではあったよな。当然、そのイスラエル風味の強いヴォーカル曲でショウを終えるのかと思ったら、大きな声援に応えて、彼はベース独奏をやりだす。5分近くやったかな。ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の著名リフ断片を中盤と終盤に差し込んだりもして、それは本編で披露した曲におけるソロのパートより、ぐっと弾けている? そして、途中からするりとピアノとドラムも入りトリオ演奏に移ったわけだが、そこらへんの“整備”のされ具合にも、さすがとうなる。
アンコール2曲目を終えて、3人が前に出て来て並んで満足そうに頭を下げたら、またまたショウは終了と思う。けっこう、満足感を覚えた観客は自然発生的にスタンディジング・オヴェイション。そしたら、彼らはまた演奏を始める。わー。それもヴォーカル曲なのだが、最初はイスラエルのトラッドなのかなと思って聞いていたら、途中からスペイン語のラテン曲に。本編にもラテン崩しの曲があった(リズムの処理が、ぼくには少し気持ち悪かった)が、今度はもっと純なラテン調で突っ走る。そして、途中でコーエンはベースを置き、ドラマーの予備のスティックを手にし、横に置いてあった譜面台のようなもの(タオルやペットボトルが置いてあったのかな。彼はそれらを打楽器にするために、置かれていたものをバラバラと床に落とした)をバカバカ叩き出したり、大きなフリで2本のスティックを交錯させ、客に大仰に働きかける。おお、暴走してるじゃないか! コーエンって、そういう顔も持つのか? その後、再びベースを手にしごんごん乱暴に弾き倒し、演奏を終えると、ベースを片手で持ってのけぞるポーズを、彼は決めた。
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト)
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
▶過去の、ニタイ・ハシュコヴィッツ、ダニエル・ドー
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、観客>
ようは、3曲もアンコールをやった。ファースト・ショウは70分ほどの尺だったようだが、ぼくが見たセカンドは約90分。その数字にも、終盤のコーエンの異変が表れているはず。だが、かようなコーエンのマインドを持つ振る舞いを引き出したのは、観客の熱烈な反応ではなかったか。お客の拍手の熱さは、ショウのあたまのほうから感じたもの。やっぱり、客のリアクションは大切だと思わされることしきり。それによって、アーティストは鼓舞され、ショウはどうにでも動いて行く。そんなことを、おおいに確認できた実演でもあったな。
アメリカのジャズ界で活躍した後に今は本国に戻って同胞と属性を愛でる方向性も持つジャズ活動を鋭意標榜しているイスラエル人ジャズ・ベーシスト(2006年5月17日、2014年1月21日)の公演は、ピアノのニタイ・ハシュコヴィッツ(2014年1月21日)とドラムのダニエル・ドー(2014年1月21日)、このところ固定されたトリオによる。そして、ステージに出て来た3人の出す音にパっと触れ、これは生理的に格調の高いジャズであると思わされる。ライヴだとソロを長くとるので、純ジャズ・リスナー以外への訴求にも留意したアルバムの内容よりジャズ濃度は高まる。
いやはや、それぞれの出音の綺麗で、存在感のあること。それは、3人とも相当な技量を持つことの裏返しであるのだが、技術を超えた風情や味をアピールする方向にトリオ表現は収束もする。結果、インターナショナルなジャズ美意識と自らの出自を愛でる気持ちの目映い交錯表現がぽっかりと浮かび上がるわけだ。また、見ているうちに、どんどん面々のインタープレイの様にも耳うばわれる。その部分においては、どんどん磨きがかけられ、熟成してきているのは疑いがない。絵画を3人で描いて行くようなノリも持つ演奏はかなりいろんな機微〜展開を持つものであるのだが、譜面を置かずに悠々と噛み合い、流れていく様はまさにワーキング・トリオの鏡。そこに介在する呼吸とか、間とか、本当にすごい。と、そんな感じで、本編は終了する。
その後、面々は再びステージに上がりアンコールに応えるわけだが、そこでコーエンは全面的に、おカマっぽい感じもある歌を披露する。アルバムでは歌を披露したこともあったが、生でそれを聞くのは、ぼくは初めて。まあ、いかにもアンコールの曲らしいものではあったよな。当然、そのイスラエル風味の強いヴォーカル曲でショウを終えるのかと思ったら、大きな声援に応えて、彼はベース独奏をやりだす。5分近くやったかな。ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の著名リフ断片を中盤と終盤に差し込んだりもして、それは本編で披露した曲におけるソロのパートより、ぐっと弾けている? そして、途中からするりとピアノとドラムも入りトリオ演奏に移ったわけだが、そこらへんの“整備”のされ具合にも、さすがとうなる。
アンコール2曲目を終えて、3人が前に出て来て並んで満足そうに頭を下げたら、またまたショウは終了と思う。けっこう、満足感を覚えた観客は自然発生的にスタンディジング・オヴェイション。そしたら、彼らはまた演奏を始める。わー。それもヴォーカル曲なのだが、最初はイスラエルのトラッドなのかなと思って聞いていたら、途中からスペイン語のラテン曲に。本編にもラテン崩しの曲があった(リズムの処理が、ぼくには少し気持ち悪かった)が、今度はもっと純なラテン調で突っ走る。そして、途中でコーエンはベースを置き、ドラマーの予備のスティックを手にし、横に置いてあった譜面台のようなもの(タオルやペットボトルが置いてあったのかな。彼はそれらを打楽器にするために、置かれていたものをバラバラと床に落とした)をバカバカ叩き出したり、大きなフリで2本のスティックを交錯させ、客に大仰に働きかける。おお、暴走してるじゃないか! コーエンって、そういう顔も持つのか? その後、再びベースを手にしごんごん乱暴に弾き倒し、演奏を終えると、ベースを片手で持ってのけぞるポーズを、彼は決めた。
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト)
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
▶過去の、ニタイ・ハシュコヴィッツ、ダニエル・ドー
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、観客>
ようは、3曲もアンコールをやった。ファースト・ショウは70分ほどの尺だったようだが、ぼくが見たセカンドは約90分。その数字にも、終盤のコーエンの異変が表れているはず。だが、かようなコーエンのマインドを持つ振る舞いを引き出したのは、観客の熱烈な反応ではなかったか。お客の拍手の熱さは、ショウのあたまのほうから感じたもの。やっぱり、客のリアクションは大切だと思わされることしきり。それによって、アーティストは鼓舞され、ショウはどうにでも動いて行く。そんなことを、おおいに確認できた実演でもあったな。
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