ジョー。ジェイソン・モラン・バンドワゴン
2015年1月20日 音楽 まず、六本木・ビルボードライブ東京(ファースト・ショウ)で、40歳ちょいの脂ののったR&Bシンガーのジョー(2012年11月1日)を見る。整備されたバンドとともに、ある種のR&B流儀があふれるショウを堂々と展開。見ながら、やはりこういう出し物には、時々触れたほうがいいと感じる。ライヴ・ミュージックとしての重要な何かがあるよな。鍵盤2、ギター(前見た時と同じ日本人かな)、ベース、ドラムという編成は少し変化あり。皆、格好は黒いスーツ基調の正装なり。以前に彼の実演を見たときはステージに近い位置にいる客が過度に優遇されている感じもあったが、今回はステージ・フロア後部、2階部席やその上のバーがあるフロアなど、ジョーは会場をいろいろと回り、客と十全にスキンシップを計った。しっかりした歌唱力と見た目の格好良さを持つと、そういう所作が映え、本当にうれしいものに感じられる。数曲、スロウで弾いたアコースティック・ギターは確か。故ボビー・ウォマック(2013年5月12日)同様に“ギターでモノを考える”ソウル歌手であることが出てくる様も当然悪いはずがない。
▶過去の、ジョー
http://43142.diarynote.jp/201211151031072337/
▶過去の、ボビー・ウォマック
http://43142.diarynote.jp/201305141107016872/
そして、南青山・ブルーノート東京。1999年デビュー以来、ずっとブルーノート・レコードに所属する秀英ピアニストであるジェイソン・モランのバンドワゴンと名付けられたトリオ(2007年1月16日、2007年1月17日)を見る。フレットレスの電気ベースを弾くタラス・マティーン(彼ほどエレクトリックでウッド・ベースに近い音を出す人を、ぼくは他に知らない)とドラムのナシート・ウェイツ という顔ぶれも2000年ぐらいから変わらない。
ながら、その新作『オール・ライズ』はミシェル・ンデゲオチェロ(2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日、2014年7月14日)がブルーノート社長のドン・ウォズ(2013年2月15日)と共同プロデュースしており、これまでで一番プレイヤーやシンガーのゲストが見られ、エレクトリック・ピアノを弾くアルバムだった。だが、その一方では、”ファッツ・ウォラー(1904〜1943年)トリビュート”というお題目を持つ物であり、レトロ・ジャズ期の巨匠と繋がろうとすることで、一方では立ったビートや現代的音色やラップを導入するという指針を取っているところが、ハイパーなモランの面白さ。そして、その奥には、米国黒人によって愛好されてきた大衆文化の時間軸を超えた共有がある。と、『オール・ライズ』は解説担当盤であるので、意義をすらすら挙げられますね。なお、モランは昔から、ウォラーが代名詞となるおどけた風情も持つストライド・ピアノ奏法を繰り出す人であった。
冒頭、2曲は新作とは関係ないトリオ演奏曲。グランド・ピアノの上にはでっかいラバー仕立ての頭部マスクがおいてある。そして、3曲目に入るときにモランはそのマスクを被り、ウォラー絡み曲を演奏しだす。おお、そのマスクはウォラーを模したものなのか。しかし、あんなの被って演奏して手元がよく見えるのかと心配にもなるが、彼は悠々指をはわす。それにしても、クールでお洒落なモランがこんなお茶目なことをするとは思いもよらず。お洒落と言えば、カジュアルな方向で格好をいつもキメている彼は今回、黒いスーツと蝶ネクタイでステージにあがっていた。その格好は、他の2人も同様。それは、往年のジャズの正装に習わんとした、と解釈していいだろう。
そして、中盤以降は、オペラ歌手をしている奥さんのアリシア・ホール・モランがヴォーカルで加わる。モランはマスクをやっと取る。アリシアは長身で綺麗な人だが、前回のモラン来日公演に同行した際は髪型がアフロだったんだよな。それで、彼女は数曲歌ったのだが、これが完全なクラシック流れ歌唱。浮く、という形容も、それはできる。アルバムの録音には参加していない彼女がそういう歌唱を延々取ることで、ここでのモラン表現はまた位相を変えていき……。彼女は『オール・ライズ』とは関係ない曲も歌っていたが、そのなかにはスタンダードの「サマータイム」もあって、それを聞いていて、なんかデュラス映画の「インディア・ソング」のテーマ曲との親和性を感じたりもした。へえー。もう少し、グルーヴや黒さの提示があっても良かったと思わなくもないが(ンデゲオチェロ参加のモランのDCかどこかのライヴ映像で、すごいのがYouTubeで見ることができる)、やはりモランは自在で、面白い。
本編最後の『オール・ライズ』収録曲「シェイク・オブ・アラビー」で、またモランはマスクをかぶって演奏する。なお、やはり今回も(電気キーボードはそれほど触らず)ピアノ演奏が主なり。
▶過去の、ジェイソン・モラン・バンドワゴン
http://43142.diarynote.jp/200701201417260000/
http://43142.diarynote.jp/200701201418210000/
▶過去の、ミシェル・ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
http://43142.diarynote.jp/200905161026033788/
http://43142.diarynote.jp/201311191050581790/
http://43142.diarynote.jp/201407151135353688/
▶過去の、ドン・ウォズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215
<今日の、六本木ミッドタウン>
ビルボードライブに行く前によく待ち合わせ場所に使っていたTSUTAYAの、ミッドタウン一階(スターバックスの隣)にある趣味っぽい本を並べた店舗がしめられていた。雑誌や文庫本をおいた地下一階の狭い方のTSUTAYA(しかし、ツタヤと打つとまず英文字表記が出てくるのだな)はまだある。そういえば、ここのテナントもオープン時からはいろいろと変わっていて、当初はりきって割り振りしたフロアの統一感がなくなりぎみ?
年明けから、ここのスケート・リンクがはじまったよう。11時から22時までなのか。案内を見たら、ぼくがメインで使っているクレジット・カードを提示すれば、只で滑れる。今度、ライヴ前に利用してみようかな。でも、小学生いらい滑ってないし、脚の筋力が衰えているし……←と、考え、老いを感じたナリ〜。
▶過去の、ジョー
http://43142.diarynote.jp/201211151031072337/
▶過去の、ボビー・ウォマック
http://43142.diarynote.jp/201305141107016872/
そして、南青山・ブルーノート東京。1999年デビュー以来、ずっとブルーノート・レコードに所属する秀英ピアニストであるジェイソン・モランのバンドワゴンと名付けられたトリオ(2007年1月16日、2007年1月17日)を見る。フレットレスの電気ベースを弾くタラス・マティーン(彼ほどエレクトリックでウッド・ベースに近い音を出す人を、ぼくは他に知らない)とドラムのナシート・ウェイツ という顔ぶれも2000年ぐらいから変わらない。
ながら、その新作『オール・ライズ』はミシェル・ンデゲオチェロ(2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日、2014年7月14日)がブルーノート社長のドン・ウォズ(2013年2月15日)と共同プロデュースしており、これまでで一番プレイヤーやシンガーのゲストが見られ、エレクトリック・ピアノを弾くアルバムだった。だが、その一方では、”ファッツ・ウォラー(1904〜1943年)トリビュート”というお題目を持つ物であり、レトロ・ジャズ期の巨匠と繋がろうとすることで、一方では立ったビートや現代的音色やラップを導入するという指針を取っているところが、ハイパーなモランの面白さ。そして、その奥には、米国黒人によって愛好されてきた大衆文化の時間軸を超えた共有がある。と、『オール・ライズ』は解説担当盤であるので、意義をすらすら挙げられますね。なお、モランは昔から、ウォラーが代名詞となるおどけた風情も持つストライド・ピアノ奏法を繰り出す人であった。
冒頭、2曲は新作とは関係ないトリオ演奏曲。グランド・ピアノの上にはでっかいラバー仕立ての頭部マスクがおいてある。そして、3曲目に入るときにモランはそのマスクを被り、ウォラー絡み曲を演奏しだす。おお、そのマスクはウォラーを模したものなのか。しかし、あんなの被って演奏して手元がよく見えるのかと心配にもなるが、彼は悠々指をはわす。それにしても、クールでお洒落なモランがこんなお茶目なことをするとは思いもよらず。お洒落と言えば、カジュアルな方向で格好をいつもキメている彼は今回、黒いスーツと蝶ネクタイでステージにあがっていた。その格好は、他の2人も同様。それは、往年のジャズの正装に習わんとした、と解釈していいだろう。
そして、中盤以降は、オペラ歌手をしている奥さんのアリシア・ホール・モランがヴォーカルで加わる。モランはマスクをやっと取る。アリシアは長身で綺麗な人だが、前回のモラン来日公演に同行した際は髪型がアフロだったんだよな。それで、彼女は数曲歌ったのだが、これが完全なクラシック流れ歌唱。浮く、という形容も、それはできる。アルバムの録音には参加していない彼女がそういう歌唱を延々取ることで、ここでのモラン表現はまた位相を変えていき……。彼女は『オール・ライズ』とは関係ない曲も歌っていたが、そのなかにはスタンダードの「サマータイム」もあって、それを聞いていて、なんかデュラス映画の「インディア・ソング」のテーマ曲との親和性を感じたりもした。へえー。もう少し、グルーヴや黒さの提示があっても良かったと思わなくもないが(ンデゲオチェロ参加のモランのDCかどこかのライヴ映像で、すごいのがYouTubeで見ることができる)、やはりモランは自在で、面白い。
本編最後の『オール・ライズ』収録曲「シェイク・オブ・アラビー」で、またモランはマスクをかぶって演奏する。なお、やはり今回も(電気キーボードはそれほど触らず)ピアノ演奏が主なり。
▶過去の、ジェイソン・モラン・バンドワゴン
http://43142.diarynote.jp/200701201417260000/
http://43142.diarynote.jp/200701201418210000/
▶過去の、ミシェル・ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
http://43142.diarynote.jp/200905161026033788/
http://43142.diarynote.jp/201311191050581790/
http://43142.diarynote.jp/201407151135353688/
▶過去の、ドン・ウォズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215
<今日の、六本木ミッドタウン>
ビルボードライブに行く前によく待ち合わせ場所に使っていたTSUTAYAの、ミッドタウン一階(スターバックスの隣)にある趣味っぽい本を並べた店舗がしめられていた。雑誌や文庫本をおいた地下一階の狭い方のTSUTAYA(しかし、ツタヤと打つとまず英文字表記が出てくるのだな)はまだある。そういえば、ここのテナントもオープン時からはいろいろと変わっていて、当初はりきって割り振りしたフロアの統一感がなくなりぎみ?
年明けから、ここのスケート・リンクがはじまったよう。11時から22時までなのか。案内を見たら、ぼくがメインで使っているクレジット・カードを提示すれば、只で滑れる。今度、ライヴ前に利用してみようかな。でも、小学生いらい滑ってないし、脚の筋力が衰えているし……←と、考え、老いを感じたナリ〜。
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