マーサ・ウェインライト
2015年1月16日 音楽 ああ、ミュージシャン力の高い人。と、思わされたな。とともに、感じていた以上にストロングな“フォークの人”であるとも。
2012年作の本田ゆか(2009年1月21日、2014年3月31日、2014年8月14日)プロデゥース盤から一転、前2013年作(カナダのTVドラマのサントラ。2009年作はエディット・ピアフ絡みシャンソン曲カヴァー集だったが、そこでもフランス語曲を歌う)はシンプルなフォーキー盤で、同作にはアンニュイな手触りもあっただけに、こんなに生一本なパフォーマンスに触れられるとは思わなかった。元々は母親のケイト・マグギャルリルから引き継いでいる味が強いとも思っていたが、今日のパフォーマンスに触れて、父親のラウドン・ウェインライトⅢから受け継いだものもたっぷり抱えると実感。六本木・ビルボードライブ、セカンド・ショウ。
ルーファス・ウェインライトの3歳年下の妹(1976年生まれ)である、やはり個と視点を持つシンガー・ソングライター。その精気にあふれたフォーク・ギター弾き語りは、彼女の事を知らなかったり、何を歌っているか分らなくてもしっかりと聞き手の心に入り込む力を持っていたと、書きたくなる。その地にある表現力、音楽集中力が、彼女は秀でている。そして、それを基にいろんな所にもそりゃ飛躍できるはずとも、思った。
中盤と終わりのほうにはピアノ奏者も付き、その場合、マーサ・ウェインライトはギターを置き、ヴォーカルに専念したりもする。実は、ピアノを弾いたブラッド・アルベッタはルーファスやマーサの諸アルバムでベースを弾いている御仁。専門のピアニストとは異なる隙間を持つその演奏は妙味を持ち、マーサを引き立てる。彼がちょいつけたコーラスも、味があった。
▶過去の、本田ゆか
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
http://43142.diarynote.jp/201404031700136483/
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/
<今日の、感想>
ビルボードライブに回る前に、某音楽事務所(設立30年を祝うものでもあった)の新年会があり。おいしくお酒を飲み、楽しい話ができました。いろんな、人が来ていたなー。そして、そこでミュージシャンの方々から、CDを何枚かいただいた。以下、軽く感想を記しておく。
▶栗コーダー・カルテット『20周年ベスト 1994〜2014年』(ユニバーサル)
メンバー4人がリコーダーやウクレレ、その他を持ち替える。タイトルにあるように20年間の歩みを括る2枚組の40曲入り編纂盤。風通しの良い、ラヴリーな室内楽的インストという表現傾向は見事にブレず。
▶川口義之meets栗コーダー・カルテット&渋さ知らズオーケストラ『生栗渋』(バウンディ)
アルト・サックス、リコーダー、ハーモニカその他の川口義之が所属する“動”と“和み”のバンドの両面を俯瞰できる、ライヴ・ソース作。同じ曲の、それぞれのバンドのヴァージョンを並べているのがミソ。なるほどほう、というディレクション。
▶川口義之meets栗コーダー・カルテット&渋さ知らズオーケストラ『割れ栗渋』(バウンディ)
<栗コーダー・カルテットの楽曲を渋さ面子で渋さ流に開く&渋さの曲を栗コーダー調で編曲し直す>という内容を持った『栗渋』の、江古田・バディでの公開録音(川口のセルフ解説書に、ぼくが1986年1月にNYで体験したジョー・ジャクソン『ビッグ・ワールド』録音が例えに出されていてうれしかった)の使われていない渋さの栗コーダー演奏ライヴ録音曲を中心にまとめたもの。なんか、詳細に吟味するのは時間がかかるが、澄んだミュージシャンシップが眩しい。
▶河野文彦『F』(Prodige Jaon)
1983 年生まれの、マヌーシュ・スウィンング・ギタリスト。リズム・ギターとコントラバスの伴奏のもと、指を明晰に踊らせる。綺麗な弾き口のなかに、何気にグルーヴを持つのは好印象。工夫を凝らした自作曲を演奏するなかクローザーはジャンゴ・ラインハルト曲で、世代相応のブライトな感覚を押し出す。
▶シカラムータ『LIVE AT 磔磔』(ディスクユニオン)
昨年4月に録られた、我が道を行くバンドの整備の様(ライヴなのに、発展や狼藉をかかえつつ、精緻な音となっている)、価値を目の当たりにできるライヴ盤。強者ぞろいのメンバーの個別のライヴには触れているものの、シカラムータ(2001年3月24日〜http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm)の実演自体は15年近くも触れていないんだぁと戦慄。彼らを、見なきゃ。
▶ジンタらムータ『Dies Iras 怒りの日々』(ディスクユニオン)
シカラムータのスピン・オフ集団、ジンタ方向に突き進む街頭音楽隊のデビュー作。思ったほどはチンドンぽくはないが、それは旧来の枠から創意を持って踏み出しているからという解釈ができる。ペーソスと裏町感覚、たっぷり。グレゴリオ大聖歌、トラッドやビクトル・ハラ曲など、カヴァーがいろいろ。
2012年作の本田ゆか(2009年1月21日、2014年3月31日、2014年8月14日)プロデゥース盤から一転、前2013年作(カナダのTVドラマのサントラ。2009年作はエディット・ピアフ絡みシャンソン曲カヴァー集だったが、そこでもフランス語曲を歌う)はシンプルなフォーキー盤で、同作にはアンニュイな手触りもあっただけに、こんなに生一本なパフォーマンスに触れられるとは思わなかった。元々は母親のケイト・マグギャルリルから引き継いでいる味が強いとも思っていたが、今日のパフォーマンスに触れて、父親のラウドン・ウェインライトⅢから受け継いだものもたっぷり抱えると実感。六本木・ビルボードライブ、セカンド・ショウ。
ルーファス・ウェインライトの3歳年下の妹(1976年生まれ)である、やはり個と視点を持つシンガー・ソングライター。その精気にあふれたフォーク・ギター弾き語りは、彼女の事を知らなかったり、何を歌っているか分らなくてもしっかりと聞き手の心に入り込む力を持っていたと、書きたくなる。その地にある表現力、音楽集中力が、彼女は秀でている。そして、それを基にいろんな所にもそりゃ飛躍できるはずとも、思った。
中盤と終わりのほうにはピアノ奏者も付き、その場合、マーサ・ウェインライトはギターを置き、ヴォーカルに専念したりもする。実は、ピアノを弾いたブラッド・アルベッタはルーファスやマーサの諸アルバムでベースを弾いている御仁。専門のピアニストとは異なる隙間を持つその演奏は妙味を持ち、マーサを引き立てる。彼がちょいつけたコーラスも、味があった。
▶過去の、本田ゆか
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
http://43142.diarynote.jp/201404031700136483/
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/
<今日の、感想>
ビルボードライブに回る前に、某音楽事務所(設立30年を祝うものでもあった)の新年会があり。おいしくお酒を飲み、楽しい話ができました。いろんな、人が来ていたなー。そして、そこでミュージシャンの方々から、CDを何枚かいただいた。以下、軽く感想を記しておく。
▶栗コーダー・カルテット『20周年ベスト 1994〜2014年』(ユニバーサル)
メンバー4人がリコーダーやウクレレ、その他を持ち替える。タイトルにあるように20年間の歩みを括る2枚組の40曲入り編纂盤。風通しの良い、ラヴリーな室内楽的インストという表現傾向は見事にブレず。
▶川口義之meets栗コーダー・カルテット&渋さ知らズオーケストラ『生栗渋』(バウンディ)
アルト・サックス、リコーダー、ハーモニカその他の川口義之が所属する“動”と“和み”のバンドの両面を俯瞰できる、ライヴ・ソース作。同じ曲の、それぞれのバンドのヴァージョンを並べているのがミソ。なるほどほう、というディレクション。
▶川口義之meets栗コーダー・カルテット&渋さ知らズオーケストラ『割れ栗渋』(バウンディ)
<栗コーダー・カルテットの楽曲を渋さ面子で渋さ流に開く&渋さの曲を栗コーダー調で編曲し直す>という内容を持った『栗渋』の、江古田・バディでの公開録音(川口のセルフ解説書に、ぼくが1986年1月にNYで体験したジョー・ジャクソン『ビッグ・ワールド』録音が例えに出されていてうれしかった)の使われていない渋さの栗コーダー演奏ライヴ録音曲を中心にまとめたもの。なんか、詳細に吟味するのは時間がかかるが、澄んだミュージシャンシップが眩しい。
▶河野文彦『F』(Prodige Jaon)
1983 年生まれの、マヌーシュ・スウィンング・ギタリスト。リズム・ギターとコントラバスの伴奏のもと、指を明晰に踊らせる。綺麗な弾き口のなかに、何気にグルーヴを持つのは好印象。工夫を凝らした自作曲を演奏するなかクローザーはジャンゴ・ラインハルト曲で、世代相応のブライトな感覚を押し出す。
▶シカラムータ『LIVE AT 磔磔』(ディスクユニオン)
昨年4月に録られた、我が道を行くバンドの整備の様(ライヴなのに、発展や狼藉をかかえつつ、精緻な音となっている)、価値を目の当たりにできるライヴ盤。強者ぞろいのメンバーの個別のライヴには触れているものの、シカラムータ(2001年3月24日〜http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm)の実演自体は15年近くも触れていないんだぁと戦慄。彼らを、見なきゃ。
▶ジンタらムータ『Dies Iras 怒りの日々』(ディスクユニオン)
シカラムータのスピン・オフ集団、ジンタ方向に突き進む街頭音楽隊のデビュー作。思ったほどはチンドンぽくはないが、それは旧来の枠から創意を持って踏み出しているからという解釈ができる。ペーソスと裏町感覚、たっぷり。グレゴリオ大聖歌、トラッドやビクトル・ハラ曲など、カヴァーがいろいろ。
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