まず、丸の内・コットンクラブ(ファースト・ショウ)で、ジャマイカン・ルーツの英国人リード奏者のコートニー・パイン(2000年5月30日、2001年3月12日、2003年10月31日、2004年9月26日、2012年12月17日、2013年11月13日)のショウを見る。前回公演と同じように、スティール・パン奏者を伴い、自らのカリビアン・ルーツを俯瞰せんとする方向性を持つもの。このプロジェクトの場合、パインはテナー・サックスやバス・クラリネットは手にせず、ソプラノ・サックスとウィンド・シンセサイザーだけを手にする。今回、ウィンド・シンセを吹く時間が増しているような気がし、それについては、ウィンド・シンセ嫌いのぼくは<パインの馬鹿>という気持ちを持った。

 ショウのオープナーは、ソニー・ロリンズ(2005年11月13日)が自らの西インド諸島ルーツを顧みた「セイント・トーマス」。その選曲は、理に叶っていますね。ここで、パインは延々ソプラノ・サックスのソロ(陳腐な書き方をすれば、あふれる泉のごとく)を取ったが、各人はソロのパートが与えられた場合はわりとたっぷりと時間を与えられる。

 パインに加え、ピアノ、ギター、スティール・パン、エレクトリック縦ベース、ドラムという編成。初来日というピアノ(のみを弾く)のマリオ・カノンジュは、なんとマルティーニーク島の出身で、ズークのバンドであるサキヨ(1980年代末に、CBSソニーから日本盤が出たこともありました)で弾いていたのだとか。完全ソロ演奏のパートを与えられたりもした彼、かなりジャズ・マナーに則って演奏していた。

 パインはジャマイカ国旗色の上着をはおっていたが、レゲエ調曲はなし。彼の日本語の単語を混ぜたステージ進行はお客に少し無茶ぶりの所もあるが、快活そのもの。彼は何かというと、すぐにコブシをつきだし、それを相手と合わせ合う。なんか、それだけで熱いココロの持つ主だと思わせるのは、パインのアドヴァンテージ。彼はメンバーともそれを何度もするし、観客ともそう。そういえば、一度演奏を始めたあと、一端やめさせたときもあり。それは、前の曲でのソロの奏者の名前を紹介をし忘れて、それをちゃんとするためだった。今回は、ココロの真っすぐな、熱いナイス・ガイというコートニーの側面が、印象に残ったかな。

▶過去の、コートニー・パイン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200409280755420000/
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201311161308131454/
▶過去の、ソニー・ロリンズ
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/

 その後は、NYのサルサ界の大ピアニスト/バンド・リーダー、ラリー・ハーロウ(1999年8月28日、2014年1月25日、2014年1月28日)の楽団を見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。

 2人の色男歌手を含め、全13人。昨年のニッキー・マレロにかわり、1960年代後期のファニア・オールスターズ時代からハーロウと絡んでいるティンバレス奏者のオレステス・ビラトーが同行。彼、1980年代はずっとサンタナ(2013年3月12日)に入っていた。そして、途中からは、やはり特別ゲスト扱いの、ホルヘ・サンタナが加わる。カルロス・サンタナの弟にして、ラテン・ロック・バンドのマロをやっていた御仁。眼鏡をかけた彼、大学で教鞭を取ってますと言われたら、頷く? 演奏自体は入らなくても良かったかな。

 ああ、ラテンは素晴らしい。心底、そう感じさせるショウ。皆、浮かれていました。それから、それほどソロを取るわけではないが、ハーロウのそれはちょい悪なダンディズムと哀愁を併せ持っているのがかっちょいいと、ぼくは思った。

▶過去の、ラリー・ハーロウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm オーシャン・ブルー・ジャズ・フェスティヴァル
http://43142.diarynote.jp/201401271737069409/
http://43142.diarynote.jp/201401291105093975/
▶過去の、サンタナ
http://43142.diarynote.jp/201303211531189619/

<今日は、雨だけど晴れ>
 天気予報どおりに、豪雨の日。家を出るころには収まったが、一瞬ビビる。ともあれ、両会場、ともにいつも以上に知り合いと会ったかな。今日は、英国〜カリブ海〜米国と巡る夕べであったのか。と、ふと、終電間際に珍しく飲んだシングル・モルトを手に思った。年が明けて15日、あとこれを23回繰り返すともう今年も終わりかあ。帰り道、そんなつまらないことも頭によぎる。なかなか、ジェットコースターのような2015年の始まりであり、諸知人の厚意も受けちゃっているナ。

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