サンバ・ロック〜ファンクの帝王(2008年9月7日)の来日が近づき、なんかぼくの周りのブラジル音楽好きがけっこうソワソワしていたかも……。南青山・ブルーノート東京。セカンド・ショウ。

 わー、最高。ギターを弾きながら歌うベンジオールと6人編成のバンド(鍵盤、電気ベース、ドラム、打楽器、フルート/アルト・サックス、トロンボーン)によるショウを見ながら、彼はミック・ジャガーとキース・リチャーズが一緒になったようなブラジル人大家であるとも思わずにはいられず。そんな人の衰えない実演、そりゃすごくないはずがない。接しつつ、今年のNo.1ライヴ候補か〜なんても思ってしまった。

 溌剌、若く見える69歳。歌声はちゃんと出て説得力と味を持つし(途中から、少し喉が疲弊したような感じもあったが)、繰り出される曲はそれぞれに魅力的であるし、バンド音も弾力と適切な色あいを持つ。ベースはダヂ(2013年5月26日)で卓越しているのは当然としても、ルーカスという名のドラマーのきりっとした叩き口が良くて、驚く。また、パーカッション奏者(ネネム・ダ・クイーカ)は60年代からベンジオールと一緒にやっていて彼より年上らしい。そんなにその演奏音は効いていたわけではないが、その場にいるだけで0Kという感じの存在ですね。

 すべてエレクトリック・ギターを弾いていた彼だが、それがとても巧み。広がりもあり、エッジもあり。ときに単音ソロも見せたが、こんなにギターを弾く彼は初めて接すると知人のブラジル音楽識者が言っていた。

 とにかく、力があり、精気もあり、情熱もあり、歌心もあり。高揚しつつ、うなづきまくり。最後のハーレム曲「タージ・マハール」では女性のお客さんをあげる。混沌、祝祭の極み。イエーっ。

▶過去の、ベンジオール
http://43142.diarynote.jp/200809081534510000/
▶過去の、ダヂ
http://43142.diarynote.jp/201305280925006733/

<今日の、バンド員>
 ライヴ終了後、前に取材したのをきっちり覚えていてくれ、ダヂがやさしく接してくれる。皆言うけど、いい人だよな。そして、横にいたキーボード奏者に、彼にはインタヴューしてもらってさあと、ぼくを紹介する。電気ピアノ音一発キーボードであらゆる曲に自然体で対応したリュパンさん、普段はブラジル音楽全般とヒップホップの伴奏をしていると言う。でも、好きなピアニストは問えば、ハービー・ハンコック(2000年3月14日、2001年12月27日、2003年8月23日、2005年8月21日、2012年3月3日)と言う。さらにはフレッド・ハーシュ(2013年4月18日)とか、何人か純ジャズ・ピアニストの名をだす。ならば、ヴィジェイ・アイヤー(2014年6月17日、2014年6月19日、2014年6月20日)はと問うと、「彼はすごい。天才だよね。この前に東京に来たんでしょ」とのたまう。なんだ、あんたすこぶるジャズに詳しいじゃん。今、瑞々しいポップ演奏家であるには、ジャズはかなり重要な素養であるということか。
▶過去の、ハンコック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
▶過去の、ハーシュ
http://43142.diarynote.jp/201304211110267820/
▶過去の、アイヤー
http://43142.diarynote.jp/201406180853065508/
http://43142.diarynote.jp/201406201008164250/
http://43142.diarynote.jp/201406210910441716/

コメント