センス・オブ・クワイエット・プレゼンツ・ザ・ピアノ・エラ2013
2013年11月30日 音楽 都立大学・目黒パーシモンホールで、クロスオーヴァー系列にある複数のピアニストが出る公演。出演は、ノラ・サルモリア、アンドレ・メマーリ、矢野顕子(2004年7月20日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年8月19日、2009年9月4日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年8月21日)の順。いやあ、皆さん、個性をお持ちというか、それぞれに生まれた属性を出したピアノ演奏を披露していて、頷く。
アルゼンチンからやってきたノラ・サルモリアは弾き語り、と言っていいパフォーマンス。思ったより歌声が荒かったが、随所にアルゼンチン土壌の語彙が入り込むとともに、奔放という名のジャズ流儀に愛着を持っているのが分る演目なり。続く、ブラジル人のメマーリはエグベルト・ジスモンチ(2008年7月3日、2013年3月27日)やミルトン・ナシメント(2003年9月23日)の曲を取り上げたりもした。やっぱり、言葉をこえて広がる、技と情緒を持つ。身体が大きいのには少し驚いたが、その柔らかさや繊細さは、車に例えるなら排気量の大きな自動車で悠々クルーズしてこその持ち味とでも言えようか。←こじつけ、だな。
そして、最後に出て来たのは、矢野顕子。スキャット調歌を繰り出すアンコール曲以外はピアニストととして勝負。少し前は上原ひろみ(2012年12月9日、他)と四つにわたりあうデュオ公演(2009年9月4日、2011年9月9日、2011年12月11日)をしたりもしたわけで、まったくもって、私の考える閃きと歌心に富むジャズ・ピアノ演奏を披露。日本の童歌を崩してやっていると思ったら、クラシック曲だと説明したものもあったっけ?
しかし、三者ともタイプは違えど、我あり。ちゃんと地に足をつけて、自分をきっちり出す。瞬発力あり、リスト強いぞと思わせる部分もあるし、足のストンプ音も効果的。ぜんぜん“クワイエット”じゃねえよなあと思ったりもし、またそこがぼくには素敵と思えた。最後はサルモネラとメマーリの連弾で、日本の曲「ふるさと」。その際は、メマーリは詠唱を少し披露したりもした。
▶過去の、ジスモンチ
http://43142.diarynote.jp/200807041128510000/
http://43142.diarynote.jp/201303290753133066/
▶過去の、ナシメント
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
▶過去の、矢野
http://43142.diarynote.jp/200407200015350000/
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200908221621447408/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201209180912154167/
<今日の、本>
今、同業では一番飲む機会が多いと思われる1/2である村井康司さんの著書が届く。「JAZZ 100の扉」(アルテス、232頁、1600円)。ロックから音楽愛好人生に入り、大学ではジャズ研に入ってギターを弾き、俳人であり、酒好きであり……。高潔かつラヴリーな人間性を通過した、多様なジャズの、博識なディスク・ガイド+α本だ。同じ年の生まれだし、けっこう趣味も重なるはずなのに(ライヴでもよく会います)、ぼくが選ぶだろうセレクションとはあまり重ならないと思えたのにはへえ〜。で、少し我田引水になるが、それこそは村井康司の面白さであり、ジャズという音楽の奥深さなのだ。
アルゼンチンからやってきたノラ・サルモリアは弾き語り、と言っていいパフォーマンス。思ったより歌声が荒かったが、随所にアルゼンチン土壌の語彙が入り込むとともに、奔放という名のジャズ流儀に愛着を持っているのが分る演目なり。続く、ブラジル人のメマーリはエグベルト・ジスモンチ(2008年7月3日、2013年3月27日)やミルトン・ナシメント(2003年9月23日)の曲を取り上げたりもした。やっぱり、言葉をこえて広がる、技と情緒を持つ。身体が大きいのには少し驚いたが、その柔らかさや繊細さは、車に例えるなら排気量の大きな自動車で悠々クルーズしてこその持ち味とでも言えようか。←こじつけ、だな。
そして、最後に出て来たのは、矢野顕子。スキャット調歌を繰り出すアンコール曲以外はピアニストととして勝負。少し前は上原ひろみ(2012年12月9日、他)と四つにわたりあうデュオ公演(2009年9月4日、2011年9月9日、2011年12月11日)をしたりもしたわけで、まったくもって、私の考える閃きと歌心に富むジャズ・ピアノ演奏を披露。日本の童歌を崩してやっていると思ったら、クラシック曲だと説明したものもあったっけ?
しかし、三者ともタイプは違えど、我あり。ちゃんと地に足をつけて、自分をきっちり出す。瞬発力あり、リスト強いぞと思わせる部分もあるし、足のストンプ音も効果的。ぜんぜん“クワイエット”じゃねえよなあと思ったりもし、またそこがぼくには素敵と思えた。最後はサルモネラとメマーリの連弾で、日本の曲「ふるさと」。その際は、メマーリは詠唱を少し披露したりもした。
▶過去の、ジスモンチ
http://43142.diarynote.jp/200807041128510000/
http://43142.diarynote.jp/201303290753133066/
▶過去の、ナシメント
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
▶過去の、矢野
http://43142.diarynote.jp/200407200015350000/
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200908221621447408/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
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http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201209180912154167/
<今日の、本>
今、同業では一番飲む機会が多いと思われる1/2である村井康司さんの著書が届く。「JAZZ 100の扉」(アルテス、232頁、1600円)。ロックから音楽愛好人生に入り、大学ではジャズ研に入ってギターを弾き、俳人であり、酒好きであり……。高潔かつラヴリーな人間性を通過した、多様なジャズの、博識なディスク・ガイド+α本だ。同じ年の生まれだし、けっこう趣味も重なるはずなのに(ライヴでもよく会います)、ぼくが選ぶだろうセレクションとはあまり重ならないと思えたのにはへえ〜。で、少し我田引水になるが、それこそは村井康司の面白さであり、ジャズという音楽の奥深さなのだ。
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