南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。長寿のUKジャジー・ソウル・バンド(1999年8月2日、2010年2月22日)の来日は今年2度目となるが、場内フル・ハウス。とともに、前半からかなりの人が立ってショウを享受。だが、パフォーマンスの内容があっと驚くほど良かったのも事実で、ぼくも身体をおおいに揺らしながら見てしまった。

 オリジナル・メンバー3人(ドラム、ギター、べース)に、キーボード、パーカッション(女性。歌もうまい)、サックス、トランペット奏者を加え、今回からはフロントに、新作『フォーワード』にも部分参加していたドーン・ジョセフが立つ。小柄ながら風貌もアトラクティヴな彼女はなかなか客さばきがうまく、動きも活発。椅子や机の上に上がったり、場内を一周したり。おお、これはいいタレントを見つけたじゃないか。翌日にギタリストのサイモン・バーソロミューにインタヴューしたのだが、彼女(英国領の島の出身。もともと、アスリート系だそう)をシンガーに据えた(かつ、軋轢があったマネイジメントと離れた)ことで、バンドとして新たな出発点に立った気持ちを持っているのだと言う。それ、非常に納得。バンドの風情や音が登り坂にあるバンドのようなエナジーや輝きに満ちている。そりゃ、素直に鼓舞されるナ。

 古い好曲と新作の曲をうまく混ぜつつ、本人たちもおおいに楽しみ、英国ソウル/ファンク・ミュージックたる華やくだけた俯瞰性を無理なく提示。もともとJB流れの曲をいろいろ披露していた彼らだが、旧曲に接し、EW&F(2012年5月17日、他)の影響も強いことを再確認。なお、彼らがギャング・スターやザ・ファーサイドら米国の様々なヒップホッパーと1曲づつ絡んだ『ヘヴィ・ライム・エキスペリエンス Vol.1』(デリシャス・ヴァイナル、1992年。先を行ってもいた、いいアルバムだよな)の続編が出るという情報が流れたことがあったが、バーソロミューにそれを確かめれば、やりたいけど経済的なこともありまだ録っていないとか。「古いラッパーと新しいラッパー、どちらと絡んだ方がいいと思う?」と彼が聞いてきたので、新しい方と答えた。やっぱりそうだよねーと、彼は反応。毎日新聞記事用の取材だが、これに関する項目は使わないと思う。取材終了後、バーソロミューは一緒に写真を撮ろうよと言ってきた。2人で、変テコなポーズをとる。苦笑い。モーフィンのマーク・サンドマン(1952〜1999年)とか、シック(2012年12月28日、他)のバーナード・エドワーズ(1953 〜1996年)とか、一緒に写真を撮ろうと親切にぼくに言ってきて、そうした後に不幸に見舞われる人もいたが、スーダラな好漢たる彼は平気でしょう。。

<今日の、東京湾沿い>
 昼間に取材で、ウォーターフロントにあるデカい倉庫に行く。凝った背景がほしいカメラ・ウーマンの選択のようだが、倉庫のなかも屋上からの眺めも、ともに興味深すぎ。何階建てにもなっている倉庫内はどこに重い荷を置いても平気なように頑丈な作りになっていて、中は携帯の電波が届かない。地震があっても揺れないそう。すげえ、要塞だア。一方、屋上からの眺めの良さにはうなる。普段は携帯電話で写真を撮ったりしないのに、うれしくなってパチパチ撮っちゃったよー。とか、けっこう物見遊山きぶん、なり。行き帰りは ゆりかもめ を使用。本当に久しぶりに乗ったが、汐留あたりの景観はすごいし、いまガラス張りというか鏡ばりと言いたくなるビルが多いとも再認識。それらの太陽反射光で夏場の都市の気温は余計に上がるというのは本当だろうか。逆に、冬場の晴天時は少し温かくなるのだろうか。

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