トライソニーク

2013年9月13日 音楽
 ピアニストのハクエイ・キム(2011年4月10日、他)、ベーシストの杉本智和(2011年7月10日、他)、ドラマーの大槻“kalta”英宣(2013年7月1日、他)からなるトリオが、トライソニーク(2011年4月10日、他)だ。セルフ・タイトルのデビュー作は純アコースティックなジャズ・アルバムだったが、その第2作『ボーダーレス・アワー』はエレクトリック志向にあり、セカンド・アルバムからだけの曲をやったこの晩も完全にその傾向を取る。

 キムはアコースティック・ピアノとネオヴィコードという電気キーボードを用いるが、ピアノにも機材を噛ませており、加工された音を出すときもある。普段ウッド・ベースを弾く杉本は全曲エレクトリック・ベースを弾き、ときに電気効果も奔放にかます。大槻もそれは同様。ようは、今まで単一の音色で(〜厳密にはそうではないが、大雑把に言えば〜)インターブレイし合っていたトライアングルが、電気楽器/効果を介することで、音色や響きやループ音創出でも相乗しあっている、と説明することができるだろう。また、当然リズム/抑揚もより多彩になる。まさに実演はそれを地で行くもので、“戦う”意志を抱えるとも書きたくなる三者の重なりは、体のいいジャズ・ロックにもフュージョンにもなっていないわけで、それにはおおきく頷く。この単位ならではの、迸るもう一つのジャズ的表現が、ここにはあった。

 ショウの最初と最後は少し“和”っぽい感じも持つパーカッシヴな曲で、3人はそれぞれに鳴り物を手にしたりも。そのことを別としても、この電化トライソニークを欧州で披露すると、かなり受けそうとも、ぼくは思った。杉本は電気ベーシストだとポール・ジャクソン(2008年6月12日、他)に強い影響を受けているそうだが、この日のもぐもぐいう弾き口を聞いて、なるほどナと思う。ジャクソンに特徴的な第4弦開放の音はまったく用いないものの。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。

<今日の、困惑>
 陽が暮れるのがだいぶ早くなった。ライヴに出かけるころにはもう真っ暗らだもんな。でも、一方では湿度が高く、暑い。一時、夜は涼しくなったが、今はまた夜ももわもわだ。なんか、汗をかく量が増えていて(?)、洗濯頻度がここにきて、また高くなっている? あれれ、洗剤が切れているゾ。

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