ザ・JBズやP−ファンクで鳴らした、テナー・サックス奏者(2012年4月9日、他)、1年強ぶりの自己グループによる来日だ。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。去年の夏も同様であったが、今年もここではこのシーズン、開演前のホワイエでウェルカム・ドリンク(フローズン・モヒート)と簡単な食べ物(チーズがトッピングされたカナッペ)をサーヴィス。時節柄、そのフローズン・モヒートが滅茶おいしい。

 前回の来日公演と比べると、トランペット奏者がいなくなってワン・ホーンであたるとともに、シンガー(フレッド・ロス)とギタリスト(レイ・オビエド)以外は顔ぶれが変わっている。継続して参加しているのは米国人だが、新規のキーボード奏者とベース奏者とドラマーは英国人。うち、ドラマーのマーク・モンデザイアーはコートニ・パイン(2012年12月17日、他)が一番ブリブリいっていた1990年前後のレコーディング/ライヴに関わっていた辣腕ドラマーで、今世紀に入ってはマイク・ギブスやジョン・マクラフリン(2005年1月31日)ら英国人ビッグ・ネームが彼を使っていたりもする。

 エリスの2011年作は英国勢がごっそり入ったアルバムだったが、実は英国に住んでいるのだとか。そして、奥さんも英国人で、マネージメントも英国でやっているらしい。蛇足だが、メイシオ・パーカーもマネージメントはずっと英国の会社がやっている。ということなら、その新作の参加者や今回のメンバー構成も納得がいくし、昨年のジンジャー・ベイカー公演(2012年11月21日)に彼がメンバー同行したのも英国在住とつながったものなのだろう。エリスはかつてオマール・ソーサ(2010年8月3日、他)の来日公演にも同行したこと(2005年9月24日)があったが、そのときはどこにすんでいたのか?

 ジャズともファンクとも言いがたい、というか、その両方にかぶらんとするインストゥメンタル曲群と、ヴォーカリストが加わる陽性な気分が倍加する曲群(ビル・ウィザース「ユーズ・ミー」やスティーヴィー・ワンダー「ブギー・オン・レゲエ・ウーマン」、ジェイムス・ブラウン「コールド・スエット」などをやった)の2方向で進むのは、前回公演と同じ。その2つ、少しテイストが乖離しがち、とは思う。前回よりもエリスが歌う場面は多かかったかもしれず、また客とのコール&レスポンスをいろいろ今回は求めた。エリス最大の有名曲、ザ・JBズ時代の「チキン」はこのショウではやらなかった。

 そして、エミ・マイヤー(2012年10月16日、他)の公演に回る。渋谷・O-East。彼女の新作タイトル『ギャラクシーズ・スカート』の“銀河”のイメージを引っ張って来たような、多数のミラー・ボールや輝く球体がいろんなところに配置されたステージが奇麗。それが、キラキラ光るものをところどころに抱えた、円満な情緒があふれるパフォーマンスに合っている。それから、ここのステージは広いのだなとも再認識。キーボード、ギター、エレクトリック・ベース(少し、アコースティックも弾く)、ドラムというサポート員で、一部は前座として弾き語りパフォーマンスを披露したというデイヴ・リアンというアジア系の青年がピアノで加わる。とうぜん、彼女はピアノを弾かず、前に出てきて歌う曲が多くなりますね。

<今日の、ドラマ>
 地上波のTV放送がわが家では映らないので、何かと話題の「あまちゃん」を見たことがない。まあ地上波放送を見ることができていたときでも、朝の連続テレビ小説(文字にすると、なかなかすごいネーミング)と大河ドラマは一度も見たことはないのだが。でも、音楽担当者はなにかとライヴに触れてきている人ではあるし、ちょっと見たい欲求も覚えなくもなあい……。あ、そういえば、「タイガー&ドラゴン」は好きで、あれを見て、僕は初めて落語に興味を持ち、機会があれば一度ぐらい真似事をやってみたあいと思ったのだよな。でも、正座が超苦手なぼくには無理ムリなんだが。

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