ラウー

2013年6月19日 音楽
 渋谷・クラブクアトロで、スコットランドのトラッド・ビヨンドの3人組であるラウー(2010年12月11日、他)を見る。

 いや、なかなか新鮮にして、驚いた。前回見たときもほめてはいるが、受けた感興はけっこう違う。乱暴に言えば、今回のほうがずっとずっとコンテンポラリー。ケルト系トラッドを特徴づける反復系フレーズの繰り返しがでてきたのは最後のほうの3曲のみで、あとはフィドル、ギター、アコーディオンというトラッド表現と繋がる楽器で、スケールの大きな、ぜんぜん痒くないランドスケープ的表現を紡いで行くという感じであったもの。そうでありつつ、どこかで過去の手作り表現と太いパイプを持つことも察させるのだから、これは深くうなづかずにはいられない。みんな足元にエフェクター類を置き、アコーディオン奏者はアコーディオンの中央に小さな電気鍵盤をさらに貼付けていたりもしていた。時に入る澄んだヴォーカルも効果的、ぼくが生で触れた中で一番プログレッシヴなUK/アイルランドのトラッド系グループと言えるのか。なーんてことも、ぼくは彼らを見ながら思った。キーラ(2006年9月24日、他)も革新派だが、位相をさくっと変えちゃうような鮮やかさは、若いラウーのほうが上だろう。タブラでユザーンが加わった曲もあった。

<今日の、プラットホーム>
 インタヴューの場に向かうために駅に入ったら、昼間なのに、回送の電車が通り過ぎる。車両の側面ディスプレイには<回送>とともに、<not in service>とも表示されている。なるほど、英語ではそうなるのか。回送という言葉が日本独自の言い回し単語であるのを認知する。我々は、回送という言葉にとってもしっくり来るものな。そういえば、元の英語にならうなら、プラットホームはプラットフォームと表記すべきなんだよな。

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