フェイス・エヴァンス。カサンドラ・ウィルソン
2013年5月31日 音楽 2人の女性アフリカ系アメリカ人歌手のショウをはしごする。偶然、彼女たちは現在、米国のE-1というレーベルから作品を発表している。
最初は、メアリー・J・ブライジ(2002年3月13日)に続くようなノリで90年代半ばにソロ・デビューし、以後私生活のお騒がせ情報もいろいろとありつつ活動を続けている女性R&B歌手のフェイス・エヴァンス。彼女の新作のタイトルはずばり『R&Bディーヴァ』、それ彼女がシリーナ・ジョンソン(2003年1月28日)ら3人のシンガーと出ているケーブルTV番組のタイトルでもある。というわけで、自己申告のワタクシ様表出から来る表題ではないのだが、ステージでの様はなかなか自信家っぽい風情が流れていたか。さすが、4人の子持ちって、それは関係ないな。そんな彼女は15センチはありそうな高いヒールの靴を履いていた。
バンドはキーボード、ギター、ベース、ドラムに3人の男性コーラス。彼らはファルセット主体の歌声を出し、なんか女性コーラス隊の声のように聞こえる。エヴァンスの歌声はけっこう喉に負担がかかりそうな感じのもの、それもまた彼女のフンあんたたちィ的な強さを醸し出すところもあったか。曲のイントロが始まっただけでキャアとか歓声が起こる事が多い。けっこう、熱心なファンが集まっているナとも感じた。六本木・ビルボードライブ東京。
続いて、南青山・ブルーノート東京で、広角型の現代アフリカン・アメリカン女性歌手としてもっとも実のあることをやっていると言いたくなるカサンドラ・ウィルソン(2011年5月5日)のショウを見る。うーん、その存在を知って30年近く(最初はスティーヴ・コールマンのバンドにいるときか)、以来ずっと熱をあげて聞いて来ているけど飽きな〜い。
今回の音楽監督はスイス人ハーモニカ奏者のグレゴア・マレ(2011年5月5日、他)と紹介され、そこにかつてライヴの音楽ディレクターを勤めたこともあるギターのブランドン・ロス(2011年12月14日、他)やアップライト・ベースのロニー・プラキシコ(2011年5月5日)、そしてさらにはジェイムズ・ブラッド・ウルマーとの共演で知られるヴァイオリン奏者のチャールズ・バーナム(2004年9月13日)、1983年にマイルズ・デイヴィスのバンドに抜擢されて以降NYのフュージョン・シーンで活動するフランス生まれの打楽器奏者のミノ・シネルがつく。お、シネルってなかなか格好いい人だな。彼のブルー・サム発2000年リーダー作を聞くと、彼がカサンドラのバンドに入ったのもよく分る。
途中でカサンドラは『ブルー・ライト』が出て20年と言いい、ブルーノート移籍第一作『ブルー・ライト』の収録曲をやる。ああ、そうか。今回の編成は複数の弦楽器とパーカッション(非ドラム)を用いた編成で汎アメリカン・ミュージックを描いた一大転換作として燦然と輝く同作をほのかになぞるものであるとも指摘できるのか。マレはハーモニカでアコーディオンぽい音を出したりもしたが、『ブルー・ライト』にはロスやプラキシコが録音関与していた。蛇足だが、そこには故クリス・ウィートリー(2004年9月15日)やヴィンクス(2008年8月23日)も入っていた。
また、彼女は「"ポリドールK.K."から出た『ブルー・スカイ』は25周年よ」とも言った。確かにそのとおり、明晰だなあ。当時、スティーヴ・コールマンやカサンドラらNYの冒険系ジャズ側立ち位置アーティストを鋭意送り出したのはドイツ在住のステファン・ウィンターが立ち上げたJMTレーベル(現ウィンター&ウィンター)であったが、その一連のレコーディング資金を出していたのが、日本のポリドール・レコード(POLYDOR K.K.というのは、その英字表記)だったのだ。しかし、JMTやヴァーヴ(ジャズ・スタンダード作である『ブルー・スカイ』は米国ではそこからリリースされた)の名を出さず、お金を出した日本のポリドール社の名を出すカサンドラも何気に細かい(笑い)。
いつごろからか、彼女はくつろいだノリを出して歌うようになったが、今回もうれしそうに、ふくよかに歌う。それこそ、『ブルー・ライト』のころは醒めた何かを持つ<寒色系のヴォーカル表現>を提出していたが、今は人肌キブンがおおいに横溢している。終盤のほう2曲で、カサンドラはテレキャスターを手に取りサム・ピッキングで弾きながら、歌った。なんか、うれしいやね。そういえば、『ブルー・ライト』のころギターを再び手にすることで私の表現は変わったし、ジャズでは鬼っ子楽器であるギターを重用できるのは私の強みだみたいなことを、彼女はかつてインタヴューで言っていた。今回、彼女はヒールの低いブーツを履いていて、それで歌った。ここのところ、裸足で歌うのをやめていますね。あと、半数ぐらいの曲では椅子に座って歌っていたが、その様には初めて接するような。前にも、そういうのあったっけ?
<今日の、残念>
今回の来日時に、久しぶりに彼女をインタヴューする予定だったが、直前に出された取材指定日が日曜。東京にいないので、残念ながらキャンセルとなる。でも、まだまだ彼女表現活動は続くし、また来るだろうし。ところで、この夏のビョークの22.000円公演のネット申し込みが外れましたとの結果メールあり。かなり高ハードルとは思っていたが、かなしい。
最初は、メアリー・J・ブライジ(2002年3月13日)に続くようなノリで90年代半ばにソロ・デビューし、以後私生活のお騒がせ情報もいろいろとありつつ活動を続けている女性R&B歌手のフェイス・エヴァンス。彼女の新作のタイトルはずばり『R&Bディーヴァ』、それ彼女がシリーナ・ジョンソン(2003年1月28日)ら3人のシンガーと出ているケーブルTV番組のタイトルでもある。というわけで、自己申告のワタクシ様表出から来る表題ではないのだが、ステージでの様はなかなか自信家っぽい風情が流れていたか。さすが、4人の子持ちって、それは関係ないな。そんな彼女は15センチはありそうな高いヒールの靴を履いていた。
バンドはキーボード、ギター、ベース、ドラムに3人の男性コーラス。彼らはファルセット主体の歌声を出し、なんか女性コーラス隊の声のように聞こえる。エヴァンスの歌声はけっこう喉に負担がかかりそうな感じのもの、それもまた彼女のフンあんたたちィ的な強さを醸し出すところもあったか。曲のイントロが始まっただけでキャアとか歓声が起こる事が多い。けっこう、熱心なファンが集まっているナとも感じた。六本木・ビルボードライブ東京。
続いて、南青山・ブルーノート東京で、広角型の現代アフリカン・アメリカン女性歌手としてもっとも実のあることをやっていると言いたくなるカサンドラ・ウィルソン(2011年5月5日)のショウを見る。うーん、その存在を知って30年近く(最初はスティーヴ・コールマンのバンドにいるときか)、以来ずっと熱をあげて聞いて来ているけど飽きな〜い。
今回の音楽監督はスイス人ハーモニカ奏者のグレゴア・マレ(2011年5月5日、他)と紹介され、そこにかつてライヴの音楽ディレクターを勤めたこともあるギターのブランドン・ロス(2011年12月14日、他)やアップライト・ベースのロニー・プラキシコ(2011年5月5日)、そしてさらにはジェイムズ・ブラッド・ウルマーとの共演で知られるヴァイオリン奏者のチャールズ・バーナム(2004年9月13日)、1983年にマイルズ・デイヴィスのバンドに抜擢されて以降NYのフュージョン・シーンで活動するフランス生まれの打楽器奏者のミノ・シネルがつく。お、シネルってなかなか格好いい人だな。彼のブルー・サム発2000年リーダー作を聞くと、彼がカサンドラのバンドに入ったのもよく分る。
途中でカサンドラは『ブルー・ライト』が出て20年と言いい、ブルーノート移籍第一作『ブルー・ライト』の収録曲をやる。ああ、そうか。今回の編成は複数の弦楽器とパーカッション(非ドラム)を用いた編成で汎アメリカン・ミュージックを描いた一大転換作として燦然と輝く同作をほのかになぞるものであるとも指摘できるのか。マレはハーモニカでアコーディオンぽい音を出したりもしたが、『ブルー・ライト』にはロスやプラキシコが録音関与していた。蛇足だが、そこには故クリス・ウィートリー(2004年9月15日)やヴィンクス(2008年8月23日)も入っていた。
また、彼女は「"ポリドールK.K."から出た『ブルー・スカイ』は25周年よ」とも言った。確かにそのとおり、明晰だなあ。当時、スティーヴ・コールマンやカサンドラらNYの冒険系ジャズ側立ち位置アーティストを鋭意送り出したのはドイツ在住のステファン・ウィンターが立ち上げたJMTレーベル(現ウィンター&ウィンター)であったが、その一連のレコーディング資金を出していたのが、日本のポリドール・レコード(POLYDOR K.K.というのは、その英字表記)だったのだ。しかし、JMTやヴァーヴ(ジャズ・スタンダード作である『ブルー・スカイ』は米国ではそこからリリースされた)の名を出さず、お金を出した日本のポリドール社の名を出すカサンドラも何気に細かい(笑い)。
いつごろからか、彼女はくつろいだノリを出して歌うようになったが、今回もうれしそうに、ふくよかに歌う。それこそ、『ブルー・ライト』のころは醒めた何かを持つ<寒色系のヴォーカル表現>を提出していたが、今は人肌キブンがおおいに横溢している。終盤のほう2曲で、カサンドラはテレキャスターを手に取りサム・ピッキングで弾きながら、歌った。なんか、うれしいやね。そういえば、『ブルー・ライト』のころギターを再び手にすることで私の表現は変わったし、ジャズでは鬼っ子楽器であるギターを重用できるのは私の強みだみたいなことを、彼女はかつてインタヴューで言っていた。今回、彼女はヒールの低いブーツを履いていて、それで歌った。ここのところ、裸足で歌うのをやめていますね。あと、半数ぐらいの曲では椅子に座って歌っていたが、その様には初めて接するような。前にも、そういうのあったっけ?
<今日の、残念>
今回の来日時に、久しぶりに彼女をインタヴューする予定だったが、直前に出された取材指定日が日曜。東京にいないので、残念ながらキャンセルとなる。でも、まだまだ彼女表現活動は続くし、また来るだろうし。ところで、この夏のビョークの22.000円公演のネット申し込みが外れましたとの結果メールあり。かなり高ハードルとは思っていたが、かなしい。
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