ウィルコ

2013年4月13日 音楽
 冒頭から、ものすごい歓声。それはずうっと、延々。熱烈で、すごかった。同じ場にいて、それは文章に残しておきたいと思ったもの。リーダーのジェフ・トゥイーディーもかような反応を見せる観客を、MCで大肯定していた。

 米国を代表する大人ロック・バンド(2003年2月9日、2004年9月19日、2010年4月23日)の公演は、渋谷・AX。台場・ゼップダイバーシティ(青海のゼップ東京とは別)公演の追加となるもので、ここも満員。ダフ屋は出ていなかったが、入り口にはチケット売り切れを知らせる紙が張ってあった。ぼくは2階で見たが、お酒を買いに下に降りたついでに、1階フロアでもその熱気にふれようと思ったら、ぎちぎちでとてもじゃないが中に入れない。

 歌心と、現代的感覚を持つ冒険の見事な拮抗を持つ、アメリカン・ロック・バンド。もう、すばらしい。ぶっちゃけ、前々回、前回に見たときほどの感興はえられなかったが、それはあまりに凄すぎると思いつつ(リズムも良いしネ。ドラマーのグレン・コッチェ〜2010年4月15日〜は基本マッチド・グリップで叩くのだな)、一部飛躍せんとするパート/アレンジが予定調和的に感じる部分があったから。それ、見る回数を重ねて、彼らの表現方策に慣れてきていることもあるだろう。もし、今回彼らを初めて見たなら、狂喜しちゃうと思う。あと、歌詞を理解していると、アレンジの様は必然的に、より鮮やかに感じられるのかもしれない。

 ステージ横にはギターがずらりと並べられている。ギター・テックも1人じゃなかったかもしれない。リード・ヴォーカルのジェフ・トゥイーディとキーボード兼任ギタリスト(今回、半々の比率だったか)のパトリック・サンソンもとには、けっこうギターを持った補助者が頻繁にかけよる。だが、リード・ギター担当のネルス・クライン(2010年1月9日)は基本、ギターを横に置き自らの手で持ち替え、チューニングも自分でする。ダブル・ネックのギターを弾いたとき以外はそうだったはず。それ、彼がまだ片足おいいるフリー・ジャズ環境のDIY精神、清貧さを胸を張って肯定しているようでもあった。

<今日の、ウォッチング・ザ・スカイ>
 ウィルコを見る前に、日比谷野外音楽堂に行って、近年よく開かれているフェス“ウォッチング・ザ・スカイ”を少しだけ覗く。最初に出て来たのは、いろんな人から引っ張りだこでもある おおはた雄一(2013年2月19日)。ひたすら、さりげなく。能力アリの、謙虚な裏返し。続く、GRAPEVINE(2012年8月12日)の選抜2人の清らかユニット(田中和将&高野勲)であるPermanentsの途中まで見る。くるり(2009年6月10日)の岸田繁のソロでの出演などもあり、なかなか盛況。海外からは、リチャード・ジュリアン(2008年6月6日、他)が参加。今回で、すでに6回目を数えるのか。やっぱ、日比谷野音って、街中のオアシス的な場での野外公演って、なんとなくいいナ。なお、日比谷野音は今年で90周年なのだとか。歴史、たんまりあるな。そして、ウォッチング・ザ・スカイはこの10月にも持たれるよう。

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