サンタナ

2013年3月12日 音楽
 完成度、とても高い。ショウが始まってすぐに了解し、うなずく。プロだな、まったくもって。バンドは当人を含め、11人。ギターやヴォーカルや打楽器や管は2人づつ、カール・ペラッゾ(2013年1月6日、他)やデニス・チェンバース(2008年12月7日)らを含む。そういえば、チェンバースはヘルメットをかぶって演奏。スライ・ダンバー(2011年11月4日)といい、なんでドカチンなドラミングを聞かせる人はヘルメットをかぶって演奏したがるのか。

 肉感性たっぷりのラテン・ロック+の表現が成熟したエンターテインメント性を抱えつつ、送り出される。そして、それはいろんな音楽ジャンルを俯瞰し、繋ぐゾという意思に富んだもの。とともに、お馴染みのサンタナ曲(やはり、1970年上半期の曲は起爆力あり)だけでなく、フィフス・ディメンション、ジェイムズ・ブラウン、ジミ・ヘンドリックス、ボブ・マーリー、マイケル・ジャクソン、ジョン・コルトレーン、クリス・コナーなどの有名曲もフルでやったり、部分的に挿入したりもする。そこからも、統合したいというキブンは横溢する。

 愛に支えられたユニティこそはすべて、という意思はMCや態度でもいろいろと出していて、それがきっちりとエクレクティックな音楽性と重なる。そんな彼は2010年のツアーで、当時のバンド・メンバーだったシンディ・ブラックマン(2008年12月16日)にステージ上で求婚し結婚したが、中盤にはなんとブラックマン本人を登場させドラムを叩かせる。その際、彼女はチェンバースのセットを使い、彼はお休み。とにかく、ご両人のラヴラヴぶりにはびっくり。俺は愛の人なんだァ的アピールはその際、最高潮に達した。

 日本武道館。ライヴ盤『ロータスの伝説』も作られた初来日公演も同じで、それは1973年だった。


<今日の、勤労者>
 会場はフル・ハウス。当然のごとく、ダフ屋が出ている。が、そこで毎度のことだが、疑問が頭をかすめる。あんな感じでだらだらと立っていて、いったい一度やるとどのぐらいアガリがあるものなのか。その手間や拘束時間に見合う額が稼げないのではと、ぼくは見てしまうのだが。どういうものか、実は何気に稼げちゃうものなのか? なんにせよ、彼らの正業なんかかったるくて就いてられるかという気持ちのようなものはなんとなく伝わってくる。が、考えてみたら、音楽の物書きをずっとやっているぼくも彼らと同じようなものではないかとも思えて来て、ひえっという気持ちになった。
 ところで、日本武道館には、赤い光の大きなデジタル時計が2カ所に設置されていて、それは客電が落とされる(ショウが始まる)と消される。だが、この日は実演が始まってもつけられたまま。ま、時間を確認する分には有用ではあったのだが。が、1時間近くたって、その時計表示は消された。消し忘れたのは明らか、だな。

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