都立大学・めぐろパーシモンホール。オランダのジプシーのギタリスト(2010年11月20日)、2度目の来日公演。前回の公演は弟のサイド・ギターと従兄弟のコントラバス奏者でトリオを組んでいたが、今回編成は同じものの、縦ベースは非ジプシーの奏者で、それによりジャズ濃度は高くなっていたんじゃないか。そのトリオに、ステファン・グラッペリ研究でも著名(そのCD付き教則本は翻訳されて日本でも出版されている)なヴァイオリニストのティム・クリップハウスが加わる。クラシック音楽の教育を受けている彼はオランダ人ながら英国の血が半分混じっていることに意義を感じており、そのためもありケルトっぽい演奏にも手を染めているようだ。

 ジャンゴ・ラインハルト曲ではじまり、ジャンゴ・ラインハルト曲で終わるという公演。そんな事実を見てもジャンゴを核に置くのは間違いないが、ストーケロ・ローゼンバーグは情緒的な部分とともに並外れたジャンゴの技量にきっちり目を向けている奏者と言えるか。やはり、この手のギタリストの中ではトップ級にうまいと思わされるし、適応力もありそう。彼って、日常の積み重ねにより数カ国語を自由に操れるそうだ。途中と終盤にジャズ・ピアニストの山中千尋(2011年8月6日、他)が加わる。その際は、完全にジャズ系のスタンダードを面々は演奏した。

<今日の、会場>
 パーシモンホールは都立大学駅から数分の、一角にある。何度か興味ある公演が開かれている目黒区の施設だが、この日ぼくは初めて行く。なかなか、立派だな。同じ整った敷地内に共同住宅が並んでいたが、それも目黒区営なのだろうか。会場に着いてから、15年強以上前に、このあたりのシーフードのお店に行っていたなと思いだす。そしたら、帰りがけにきょろきょろしたら、なんとここの斜め前。あのときのままなのかな。しかし、お店の好みというか、行く行かないとかいうのは、時間とともに大きく変わると実感。その点、いろんなモノを聞きたがるが、音楽を求めることについちゃ頑固一徹、ワタシはゆるぎないと思えた次第。別に威張ることではないが、卑下することもないよな。

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