メイシオ・パーカー。ケンドリック・スコット・オラクル
2013年2月2日 音楽 実はぼくよりメイシオ・パーカー(2010年2月16日 、他)に入れこんでいると思われる人が、こんなんことを言った。「前回、来日がキャンセルになったじゃない。あんときけっこう大病だったみたいで、いつまでメイシオを見れるか分らないよ」。事実はどうかは知らないが。ちなみに、御大、今度のヴァレンタイン・デイでちょうど70歳となる。
そしたら……。確かに前より痩せていたけど、ものすげえ元気じゃん。オープナー(「オン・ザ・フック」だったっけ)はメンバーにがんがんソロを回したんだけど、もうソリストたちをジャスチャー大げさに煽るあおる。そんなメイシオを見るのは初めて。放っておいたら、ムーン・ウォークまでしちゃうんじゃないかと思わせるほどの勢い。で、より歌をかます頻度は高くなったかもしれない。あんましよく覚えていないけど、何気にソロをかます時間は少なくなった? そういえば、4、5年前から加入したコートニー・バイン(2012年12月17日、他)・バンド出身の英国人トロンボニストのデニス・ロリンズのソロのパートは間違いなく減っていた。
なんてことは、まあどうでもいい、JB表現を技ありで再開示する意思をみなぎらせる、極めて密度の高いファンク・ショウをきっちり遂行。見ていて、いっぱいかけ声をあげちゃったな。
ここのところの不動のメンバーに少し変更ありで、元JBファミリーのマーサ・ハイ(2005年9月6日、2007年9月13日、他)に加え、もう1人女性コーラスがつく。パーカー姓を持つ20代とおぼしき彼女、バック・コーラスをしている分には問題ないが1曲リード・ヴォーカルを取ったら、役不足だった。今回、マーサ・ハイも1曲前に出て来て歌ったが、ゴスペル調に声を張り上げるそれは出色。すげえ、いい歌い手。昇天。やっぱり、才ある人をJBは揃えていたのだとも痛感。彼女を真ん中に据えたショウも大ありとぼくは感じた。故マーヴァ・ホイットニー(2006年6月8日)のアルバムを熱意制作したオーサカ=モノレール(2006年6月8日)、次は彼女のアルバムを作らないかな。
それから、ドラマーも若造に変わったが、なんとメイシオの弟にして、一時はジェイムズ・ブラウン・バンドの屋台骨を担ったメルヴィン・パーカーの息子だそう。そのマーカス・パーカーは、実に優れた叩き手。しかも年相応(?)に一部ではPC音もさりげなく自分のオペレートで生ドラム音に重ねていた。あと、長年在籍する元P-ファンクのロドニー・スキート・カーティスのベースはやっぱ好きだなあ。六本木・ビルボードライヴ東京、ファースト・ショウ。
次は、南青山・ボディ&ソウルで、在NYの俊英ドラマーのトリオを見る(ファースト・ショウ)。ビルボードライブ東京も盛況だったが、こちらも紛うことなきブル・ハウス。いやあ、音楽ファンがいっぱい。
テレンス・ブランチャード公演の項(2009年3月26日)で、その在籍者をはじめとする同年代の視野の広い共通認識を持つ在NYのミュージシャンのサークルがあるんじゃいかと記しているが、ケンドリック・スコット(2009年3月26日)もそのなかの1人。でもって、彼はロバート・グラスパー(2013年1月25日、他)、ビヨンセ(2006年9月4日、他)、マイク・モレーノ(2008年11月22日)、エリック・ハーランド(2013年1月6日、他)、ジェイソン・モラン(2013年1月6日、他)、クリス・デイヴ(2012年9月21日、他)などが出ているヒューストンのパフォーミング&ヴィジュアル・アーツ高校の出身。なんか、驚異の高校? 聞けば、オーディションを受ければ入れるが、入学してからの生徒間の競争は半端ないとか。特に1学年下のジャマイア・ウィリアムズ(2012年3月3日、他)には脅威を感じたという。で、彼は洒落になんねえと頑張ったら上達し、その後バークリー音楽大学に進み(主専攻は教育で、5年通ったそう)、卒業すると同時にザ・クルセイダーズとテレンス・ブランチャードのバンドから即お呼びがかかったという秀才だ。実際、奇麗な英語を話す人で、そういう印象を持たせる。
そんな彼はケンドリック・スコット・オラクルと名乗るバンドを持っているが、近く出るコンコード発の2作目はなんとスフィアン・スティーヴンスの曲を歌つきで開いていたり(歌っているのは、グレッチェン・パーラト〜2012年2月22日、他〜やアンドリュー・バード〜2010年2月3日〜の表現に助力しているアラン・ハンプトンという白人。彼の『The Moving Sidewalk』というリーダー作はかなりいい!)、相当にレディオヘッド好きなんだろうな思わせる曲が入っている。実際、同様のテイストを持つクリスチャン・スコットとは親戚なんじゃないのと言われたりもするそう。あ、苗字が同じなのか。ながら、一番好きなのはスティーヴィ・ワンダーとプリンスと言ったりもする彼ではあるが。
今回はテイラー・アイグスティ(ピアノ。2012年2月22日、他)とヴェイセンテ・アーチャー(ベース。2010年7月24日、他)が同行してのパフォーマンス。で、まるっきりオラクル表現とは別物もののジャズ・ピアノ・トリオのパフォーマンスを彼は披露する。スコットは自ら曲を書きオラクルの新作でも4曲オリジナルをやっているが、ここではアイグスティの曲やヴィクター・ルイス(2012年10月17日、他)やチック・コリア(2007年10月1日、他)の曲、ハービー・ハンコック(2012年3月3日、他)は2曲(うち、「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」は新作でも取り上げている)など、全て他人の曲で通す。まあ純ジャズの行き方に終始したが、だからこそ、きっちり基本をおさえつつ(彼はレギュラー・グリップにて叩く)、そこここで見所あるドラミングをしていたのはよく伝わった。そういえば、彼はスティック、ブラシ、マレットを自在に用いて叩いていた。
彼は、ドラムへの対し方が広い。そんなことがよく伝わるのが、2つあったドラム・ソロのパート。最初のほうはすべて素手でやり、ヘッドをこすって音を出してみたりもする。また、後の時には最初スネアを裏返し(つまり、金属の共鳴用帯が上になる)にして叩く。すると、なんかエフェクターを通したような音が出て来てびっくり。そんなことする奴は初めてだ。なんか、ジャズ・ドラマーであることをまっとうしつつ、開かれた視点を持ち続けているのがよく出ていた。
<今日の、異変>
朝、目覚めてあらら。毛布を蹴飛ばして、掛け布団だけで寝ていたよう。昨日の夜は少し雨が散らついたりもしたが、夜半〜早朝はそんなに温かかったのか。……そしたら、確かに昼間はエ〜ってぐらい暖かい。ぽかぽか。日中は20度近くまであがり4月の気温であったそうな。湿度も低くはなかったような。今日、成田や羽田についた外国人は、日本ってなんて温暖なんだと驚いたに違いない。
そしたら……。確かに前より痩せていたけど、ものすげえ元気じゃん。オープナー(「オン・ザ・フック」だったっけ)はメンバーにがんがんソロを回したんだけど、もうソリストたちをジャスチャー大げさに煽るあおる。そんなメイシオを見るのは初めて。放っておいたら、ムーン・ウォークまでしちゃうんじゃないかと思わせるほどの勢い。で、より歌をかます頻度は高くなったかもしれない。あんましよく覚えていないけど、何気にソロをかます時間は少なくなった? そういえば、4、5年前から加入したコートニー・バイン(2012年12月17日、他)・バンド出身の英国人トロンボニストのデニス・ロリンズのソロのパートは間違いなく減っていた。
なんてことは、まあどうでもいい、JB表現を技ありで再開示する意思をみなぎらせる、極めて密度の高いファンク・ショウをきっちり遂行。見ていて、いっぱいかけ声をあげちゃったな。
ここのところの不動のメンバーに少し変更ありで、元JBファミリーのマーサ・ハイ(2005年9月6日、2007年9月13日、他)に加え、もう1人女性コーラスがつく。パーカー姓を持つ20代とおぼしき彼女、バック・コーラスをしている分には問題ないが1曲リード・ヴォーカルを取ったら、役不足だった。今回、マーサ・ハイも1曲前に出て来て歌ったが、ゴスペル調に声を張り上げるそれは出色。すげえ、いい歌い手。昇天。やっぱり、才ある人をJBは揃えていたのだとも痛感。彼女を真ん中に据えたショウも大ありとぼくは感じた。故マーヴァ・ホイットニー(2006年6月8日)のアルバムを熱意制作したオーサカ=モノレール(2006年6月8日)、次は彼女のアルバムを作らないかな。
それから、ドラマーも若造に変わったが、なんとメイシオの弟にして、一時はジェイムズ・ブラウン・バンドの屋台骨を担ったメルヴィン・パーカーの息子だそう。そのマーカス・パーカーは、実に優れた叩き手。しかも年相応(?)に一部ではPC音もさりげなく自分のオペレートで生ドラム音に重ねていた。あと、長年在籍する元P-ファンクのロドニー・スキート・カーティスのベースはやっぱ好きだなあ。六本木・ビルボードライヴ東京、ファースト・ショウ。
次は、南青山・ボディ&ソウルで、在NYの俊英ドラマーのトリオを見る(ファースト・ショウ)。ビルボードライブ東京も盛況だったが、こちらも紛うことなきブル・ハウス。いやあ、音楽ファンがいっぱい。
テレンス・ブランチャード公演の項(2009年3月26日)で、その在籍者をはじめとする同年代の視野の広い共通認識を持つ在NYのミュージシャンのサークルがあるんじゃいかと記しているが、ケンドリック・スコット(2009年3月26日)もそのなかの1人。でもって、彼はロバート・グラスパー(2013年1月25日、他)、ビヨンセ(2006年9月4日、他)、マイク・モレーノ(2008年11月22日)、エリック・ハーランド(2013年1月6日、他)、ジェイソン・モラン(2013年1月6日、他)、クリス・デイヴ(2012年9月21日、他)などが出ているヒューストンのパフォーミング&ヴィジュアル・アーツ高校の出身。なんか、驚異の高校? 聞けば、オーディションを受ければ入れるが、入学してからの生徒間の競争は半端ないとか。特に1学年下のジャマイア・ウィリアムズ(2012年3月3日、他)には脅威を感じたという。で、彼は洒落になんねえと頑張ったら上達し、その後バークリー音楽大学に進み(主専攻は教育で、5年通ったそう)、卒業すると同時にザ・クルセイダーズとテレンス・ブランチャードのバンドから即お呼びがかかったという秀才だ。実際、奇麗な英語を話す人で、そういう印象を持たせる。
そんな彼はケンドリック・スコット・オラクルと名乗るバンドを持っているが、近く出るコンコード発の2作目はなんとスフィアン・スティーヴンスの曲を歌つきで開いていたり(歌っているのは、グレッチェン・パーラト〜2012年2月22日、他〜やアンドリュー・バード〜2010年2月3日〜の表現に助力しているアラン・ハンプトンという白人。彼の『The Moving Sidewalk』というリーダー作はかなりいい!)、相当にレディオヘッド好きなんだろうな思わせる曲が入っている。実際、同様のテイストを持つクリスチャン・スコットとは親戚なんじゃないのと言われたりもするそう。あ、苗字が同じなのか。ながら、一番好きなのはスティーヴィ・ワンダーとプリンスと言ったりもする彼ではあるが。
今回はテイラー・アイグスティ(ピアノ。2012年2月22日、他)とヴェイセンテ・アーチャー(ベース。2010年7月24日、他)が同行してのパフォーマンス。で、まるっきりオラクル表現とは別物もののジャズ・ピアノ・トリオのパフォーマンスを彼は披露する。スコットは自ら曲を書きオラクルの新作でも4曲オリジナルをやっているが、ここではアイグスティの曲やヴィクター・ルイス(2012年10月17日、他)やチック・コリア(2007年10月1日、他)の曲、ハービー・ハンコック(2012年3月3日、他)は2曲(うち、「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」は新作でも取り上げている)など、全て他人の曲で通す。まあ純ジャズの行き方に終始したが、だからこそ、きっちり基本をおさえつつ(彼はレギュラー・グリップにて叩く)、そこここで見所あるドラミングをしていたのはよく伝わった。そういえば、彼はスティック、ブラシ、マレットを自在に用いて叩いていた。
彼は、ドラムへの対し方が広い。そんなことがよく伝わるのが、2つあったドラム・ソロのパート。最初のほうはすべて素手でやり、ヘッドをこすって音を出してみたりもする。また、後の時には最初スネアを裏返し(つまり、金属の共鳴用帯が上になる)にして叩く。すると、なんかエフェクターを通したような音が出て来てびっくり。そんなことする奴は初めてだ。なんか、ジャズ・ドラマーであることをまっとうしつつ、開かれた視点を持ち続けているのがよく出ていた。
<今日の、異変>
朝、目覚めてあらら。毛布を蹴飛ばして、掛け布団だけで寝ていたよう。昨日の夜は少し雨が散らついたりもしたが、夜半〜早朝はそんなに温かかったのか。……そしたら、確かに昼間はエ〜ってぐらい暖かい。ぽかぽか。日中は20度近くまであがり4月の気温であったそうな。湿度も低くはなかったような。今日、成田や羽田についた外国人は、日本ってなんて温暖なんだと驚いたに違いない。
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