南青山・ブルーノート東京のチャールズ・ロイド(2008年4月6日、他)公演で、2013年のライヴ享受の日々はスタート。テナー・サックス(1曲、アルト・フルートも吹く。横にはアルト・サックスも置いてあったようだが手にしなかった)を吹く彼に、ピアノのジェイソン・モラン(2007年1月16日、1月17日、他)、ベースのルーベン・ロジャース(2005年5月11日、2009年4月21日)、ドラムのエリック・ハーランド( 2005年5月11日、2007年10月3日、他)、ここ数年一緒にやっているワーキング・カルテットによる。前回公演の顔ぶれににベーシストを加えた編成なり。

 そして、やはり。今活動しているリード奏者のなかでもっともジャズの深淵/不可解/素敵を描ける最たる大家という感慨を強く引き出す実演であったのは間違いない。セットによっていろいろと行き方を変えている感じが大だが、CDで確認できるものとも(まあ、2011年作はギリシャ人歌手を入れてのものだったから、少し別物なのだが)けっこう位相を異とする、随所にナイフを忍ばせつつも静謐な、悠々感と先鋭感を併せ持つ演奏を開きまくる。これに、しびれずにいられようか。ああ、ジャズっていいなと痛感せずにいられようか。

 その後は、六本木・ビルボードライヴに移動して、沼澤尚(2012年10月10日、他)を軸とする米日勢が重なり合うファンク・ジャム・グループ(2011年10月8日、他)のパフォーマンスを見る。こちらは、ファンクっていいな、ミュージシャンたちの屈託ないお手合わせっていいナと思わせられる。3月のサンタナ公演でまた来日するカーラ・ペラッゾはかなり役者ね。


<長年の、違和感>
 アップル社のマッキントッシュ。それを認知していらい、幾許かの違和感をずっと抱いて来ている。長年のユーザーでありつつも。それは、名付けの真似っこ体質ゆえ。だって、同社はネーミングに関しては独創性ゼロ。アップルといえばザ・ビートルズの面々が1968年に設立した会社名であり(社章もリンゴをポップに描いたものだった)、マッキントッシュと言えば1949年代設立のオーディオの有名米国ブランドではないか。よくもまあ、そんな著名な名前をぬけぬけと用いたものだ。とともに、その元が音楽関連の名称であるのが、音楽を軽視、音楽に関して無神経な感じにつながり、ぼくの気にほのかに障る。音楽を愛する者、敬意を払う者が昔のアップルにはいなかったのか。とほ。そんな会社が独創性を評価され、i-チューンズで稼ぎをあげているのはギャグだと思う。

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