渡辺貞夫

2012年12月15日 音楽
 渋谷・文化村オーチャードホール。すべての曲でアルト・サックスを吹く本人(2012年6月29日)に加え、リチャード・ボナ(b)、エティエンヌ・スタッドウィック(p)、養父貴(g)、オベド・カルヴェール(ds。2012年3月20日、2012年6月29日 )、スティーブ・ソーントン(per) 、ンジャセ ニャン(per)という面々。過去ライヴ盤も含めて3作もの共演作を出しているボナ(2012年5月14日、他)を迎えているのがポイントだが、過去と異なり、渡辺貞夫人脈にある奏者も入れているのが注目を引く。鍵盤のスタッドウィックはボナお抱えと言っていい奏者だが、養父貴とスティーブ・ソーントンとンジャセ ニャンは渡辺貞夫が重用しているプレイヤー。そして、ガルベールはこの6月の渡辺のジャズ・ツアーのとき呼んでいたNYの奏者だが、それ以前にはボナのレコーディングに関与していたこともあったので、中間派ということができる?

 過去ボナとやった曲もやったが、もっと昔の曲やここのところの曲も、より温もりや弾みの感覚をつけて披露。けっこう、ブラジル調の曲もやる。上のバンド構成にも表われているように、渡辺/ボナの双頭バンドというよりは、リーダー=渡辺、バンドの4番打者的重要メンバー=ボナという体制で実演は進められたと書けるだろう。ま、カメルーンに住んでいたときから渡辺貞夫の音楽にボナは親しんでいたので、それもボナにとっては楽しいことであると推測される。この年末から1月にかけてサンパウロに新作レコーディッグのため渡る渡辺貞夫は元気そう、意欲たっぷりなように見えた。

<今日のフクアリ、その他>
 朝10時代に家をでて、千葉市のフクダ電子アリーナにいく。見に行ったのは、天皇杯の、勝てばベスト8となる試合。このサッカー専用スタジアムに前から一度は行きたいと思っていたものの、さすが真冬にサッカー観戦をするほど、ぼくは一本気ではない。風邪ひきたくないしなあ。なのに、わざわざ行ったのは、福島市のチーム、福島ユナイテッドのジャイアント・キリングを見るため。彼らはJFLの下のカテゴリーの地域リーグのチームながらJ1(新潟)やJ2(甲府)のチームを破ってここまで上がって来たのだ。これはなかなか燃えるシチュエーションではないか。で、風邪を引いても、ここは福島県出身者としては応援しに行くべきではないかと判断した次第。この日の相手は、フクアリをホームとするJ2のジェフ千葉。幕張メッセに行く感じで電車を乗り継ぎ、蘇我駅でおりてスタジアムへ。アウェイ自由席、当日2000円なり。なるほど、見やすい。雨天だが、屋根付きなので濡れずにも見ることができた。でもって、かなり重装備であったので(前日に防寒用品を買うのが、けっこう楽しかった)最初は汗ばんでマフラーを解いて見たりもしていたのだが、やはり前半途中からごんごん寒さを覚える。実は天気予報では気温は前後の日より高めで、風もあまりなかったにも関わらず。会場で売っていた日本酒の熱燗と知人が持ち込んだワインを飲んでいたが、寒いもんは寒い。ぼくはJリーグの冬期を挟む秋〜春制(現在は夏を挟む春〜秋制)移行はエンスー観戦者以外は無理だと痛感した。
 試合は0-5のぼろ負け。まだ、前半は少しは希望を持たせるところもあったわけだが。福島ユナッテッドは来年、上から3番目のカテゴリーとなるJFL に上がる。少しは試合を見れればいいけど。その後、コンサート取材があったので渋谷にとんぼ返り。渋谷の雑踏を歩いていると、さっきまでスタジアムでサッカーを見ていたのが嘘のよう。そのギャップの感覚はなかなかうれしい。時間調整で入った中華屋で飲み食いしていたら、店で流されていた夕方のTVニュース(フジだったかな)で、ぼくが見た試合が大々的に報道される。これが0−2ぐらいだったら惜敗という感じで持っていきやすかったんだろうけど、こん大敗の体にはTV局の人間はチっとなっちゃったんだろうな。
 オーチャードホールでライヴを見ている間は熱くてしょうがねえ。これは事前に容易に想像できたのだが、なかなか困った。そして、終演後は某所でやっている忘年会に乱入。秋の飲み会で飲んでいんだときに忘れていったワイズの上着を店主から出される。わー、忘れていたというか、そんな忘れものをしたことしたこと自体、ぜんぜん認知していなかったYOー。

コメント