マイケル・ランドウは(2004年4月21日)1970年代後期から西海岸のスタジオ・シーンで活躍し続けているギタリスト。ブルース調はけっこうエリック・クラプトン(2006年11月20日)ぽいと思わすフレイズを繰り出したりも。曲によってはリード・ヴォーカルも取り、その後延々ソロを取る。

 バックの3人はNY拠点の人たちかも? ベーシストのアンディ・ヘスは人気ジャム・バンドのガヴァメント・ミュールのメンバーだったこともある人で、ジョン・スコフィールドやデイヴィッド・バーン作なんかにも名前が見られ、今はスティーヴ・キモック・バンド(2012年7月27日)のメンバーでもある。“ザ・キング・オブ・ドラム・ソロ”とランドウが紹介していたドラマーのアラン・ハーツはやはりジャム・バンドのガラージュ・マハルのメンバーだ。そして、オルガンを弾いていたのは、なんと著名ジャズ・オルガン/ピアノ奏者のラリー・ゴールディングス(2000年3月2日、他)。彼はランドウの新作にも部分は関与しているが、ランドウはコットンクラブ向けのスペシャル・ゲストみたいな紹介をしていた。ゴールディングスはベース音演奏も強力なことで知られるが、今回はベーシストがいるので、少し手持ち無沙汰みたいな感じもあったかな。

 その後は、江戸川橋・椿山荘のオリオンホールで、ローラン・ヴィルズィのショウを見る。在日フランス商工会議所主催のパーティへの出演で、パトリック・ブリュエル(2009年11月24日)と同じパターンの非一般公演。1977年にソロ・デビュー後、スター街道をずっと歩んでいるというシンガー・ソングライター(1948年、パリ生まれ。両親はガゥドループの出身)だが、それはフランス人の熱い反応を見るとよく分る。もう、アンコールを求める際の騒ぎようといったなら。もちろん、客の合唱状態曲もあり。

 ショウはギターを弾きながら歌う本人に加え、キーボード、ベース、パーカッション、女性のチェロ/ハープ、女性のヴァイオリン/ヴォーカル(歌う際は、ケルト味が出る)という布陣。昨年出した『Lys & Love』(Columbia)をフォロウするツアーの抜粋メンバーのよう。どの曲も、プリセットの音を併用し、ヴィルズィは誠心誠意、やたらと心をこめてぬめっとしたポップ・ロックを披露して行く。レコードを聞くと、ポール・マッカートニーが好きなんだろうなあという歌を認めることができるが、ザ・ビートルズやザ・ビーチボーイズ曲の断片を差し込む曲もあった。

 紙を見ながら日本語でMCしたり、もともとのショウの演出で最後にメンバー全員で中世っぽい旗をふることになっており、その際は日本の国旗を手にしたりもした。彼は英国にも家を持っていて、英語MCはこなれていた。そういえば、アビーロード・スタジオ録音曲もある『Lys & Love』にはザ・フー(2008年11月17日)のロジャー・ダルトリーが歌う曲も入っていた。

<翌日の、ローラン>
 午前中に、取材。やっぱし、すごくほんわか。いい人。いや、それは事前の想像をはるかに超えたな。顔つきはスモーキー・ロビンソンとジョン・オーツ(2012年4月5日、他)を足したような感じ? 取材中に、出かけていたらしい奥さんがホテルの部屋の鍵を受け取りに取材場所にやってくる。僕の奥さんとさくっと紹介してくれるのも、とても好印象。奇麗な人だった。子供が4人いて、うち3人はミュージシャンをやっているとか。

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