カンピロンゴとは妙な名字だが、サンフランシスコ生まれの米国人(年齢は50絡みか)で、ノラ・ジョーンズ(2010年1月20日、他)のカントリー・ポップ・プロジェクトであるリトル・ウィリーズのギタリストでもある人。で、その一般的な知名度以上にいろんな同業者からリスペクトされているという話もある(その最たるのが、ジョーンズのサイド・プロジェクト参加を請われたことか)が、異議なし! と言いたくなる実演であったな。下北沢、ラ・カーニャ。彼はこの土曜のウォッチング・ザ・スカイというフェスにジェジー・ハリス・バンド他とともに出演する。
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 ウッド・ベース奏者とドラマー(オランダ出身とか。ときに、ブラシを用いたりも)を率いてのもので、皆スーツ崩しの出で立ちで登場、それには、ニューヨーカーぽいと思わせられたか。で、カンピロンゴはずっとテレキャスターを弾く。早弾きなどはしないが思った以上にトリッキーでもあった彼の演奏風情は悠々、”ひっかかりを持ちまくるギター音がいっぱい”なショウであったな。糸巻きを自在に回したりボディをそらしたりしながら音程を代え、ブリッジ側で弾いて金属的な音をだしたり、ピッキング・ミュート音も多様するなど、いろんな弾き方で、フレイズ的にも音色的にも変幻自在。かといって、そんなにエフェクターは使っていないはずで、こりゃすごい。かつ、アコースティック・ギターに持ち替えた2曲(それだと、レオ・コッケぽくなる)以外は同じギター1本でこなし、いかにもチューニングが狂いそう(かつ、ギターにも負担がかかりそう。そのためか、新しいギターを使っていたな)な弾き方をするにも関わらず、チューニングもしない。ジェフ・ベック(2009年2月6日)もまったくそうだが、それだけとってもヴァーチュオーゾと思わされる。1曲ごとにギターを換えるミュージシャンもいるが、やはりそれは基本イモな行為だとぼくは思わざるをえません。

 すべて、インストにてなされた。基本尖ったカントリー傾向のものから、まさにビル・フリゼール(2010年1月30日)的な行き方を持つものまで、なんでもあり。「ムーン・リヴァー」などスタンダード曲の新解釈演奏もするし、ブルース・コード曲も嫌いじゃなさそうだし、1曲はジェフ・ベックのファンも喜びそうな感じの曲だった。リズム隊は訥々傾向にありつつ、器用に、過不足なく主役に寄り添う。会場では彼がリリースしたアルバム6枚を販売していたのだが、その価格は1000円。安い、偉い。

 そして、下北沢・キューに。態度も歌の度量もデカい女性歌手(2001年5月29日)と鬼怒無月(2012年6月13日、他)とのデュオ。オリジナルから有名曲カヴァーまで、鬼怒はすべてアコースティック・ギターを弾く。さらに、杉原てつ(歌、ハーモニカ)が加わり、笑いと気安さを添える。

<今日の、東京ゲートブリッジ>
 この2月に開通した東京湾の埋め立て地をつなぐ東京ゲートブリッジをやっと渡った。大田区京浜島のほうから入り、江東区へ抜ける。そしたら、東京ゲートブリッジって、どことなくサンフランシスコとオークランドを結ぶベイ・ブリッジの吊り橋(の方の写真は、タワー・オブ・パワーの『バック・トゥ・オークランド』のジャケット写真にも使われていますね)じゃない方のオークランド側にかかる橋と似ているかもと感じる。米国西海岸のそれを渡ったのはかなり前のことなので、あんまし自信がないけれど。話は飛ぶが、ベイ・ブリッジというと、横浜のベイブリッジが開通したときのことを思い出す。東京湾にかかる初のデカい橋で、たいそう話題になり、ぼくも早々に渡りに行った記憶がある。80年代後半のことか。交通量が少なくなる夜半になると、橋の車道の外側にずらりと車が停車、管理するほうはそれを黙認していたんだろーな。そのとき、俺は何に乗っていたっけ。1990年代アタマまではいろんな車に乗りたくて、中古車を1〜2年おきに代えていたんだよなー。いすゞの車も乗ったことがあったけど、あのころまでいすゞの乗用車には都会的なイメージがあった。

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