ナッシュビルと横浜を拠点とするずっとクラシック畑を歩んで来た打楽器奏者のソロ・パフォーマンスを、横浜の日本大通り・像の鼻テラスで見る。赤レンガ倉庫と大桟橋のちょうど間のすぐ海の側にある建物(昼間は観光客のレストハウスなよう。ライヴが終わったあとも場内売店は開いていて、ちゃんとビールを売ってくれた。素晴らしいっ)、音響はどうかしらないが、眺めはいい。
加藤は創造性と自我をたっぷりつぎ込んだソロ活動にげんざい邁進していて、ハイ・エンドのオーディオ機器で良く知られるグラスゴーのリンのオーディオ・ソフト部門と契約。そこから出されたステォーヴ・ライヒ曲集『Kuniko Plays Reich』は昨年のリン・レコードのベスト作品に選ばれたのだという。そのライヒのカウンターポイント(対位法)曲をパーカッションのヴァージョンに彼女がアレンジし一人で多重録音した『Kuniko Plays Reich』はライヒ当人お墨付きのもと世に出ており(添付原稿も提供)、昨年から各国でその実演版が披露されていて、2週間前にはNYでも同様なものをやっているようだ。
マリンバ、ヴァイブラフォン、グリッケンシュピール、小さな金属の皿みたいなのが20個ぐらいならんだやつ、そしてスティール・パンが3つ。さらに、その楽器群のまわりをエクリプスの変形スピーカー10体が囲む。その前奏と中奏ではソロによる生演奏が披露されたが、ライヒ曲(「エレクトリック・カウンターポイント」、「シックス・マリンバズ・カウンターポイント」、「ヴァーモント・カウンターポイント」、「ニューヨーク・カウンターポイント」)演奏に関してはPC音を下敷きに、生演奏を重ねるというスタイルで事は進められる。もともとライヒのカウンターポイント曲は公演でステレオPAを用いることが明記されているようだが、ここではCDにおけるアンサンブルをよりリアルに再現するために10チャンネルにプリセット音を振ってサラウンド環境を求めている。
いろんな部分で挑戦し、枠を超えようとするパフォーマンス。信頼できる協調者がいるなら皆でせえのでやったほうがいいとは感じるが、せえのでやるのが当然のクラシックの世界においてはこういうことも多大な挑戦となるのだろうな。しかし、ミニマル・ミュージックの場合、バックのトラック音がどんどん厚く(音数が増えて)いくと、生演奏を巧みにサンプリングしているような感覚を与えるのはとてもおもしろい。それから、ちょいパット・メセニーのオーケストリオン(2010年6月12日)を思い出させる局面も。そういえば、「エレクトリック・カウンターポイント」は最初ライヒがパット・メセニー(2012年3月3〜4日、他)のために作った曲だったんだっけか。アンコールは中南米的(わあ、大ざっぱな言い方)属性を持つトラックが流され、彼女は両手に持ったマラカスを身体を動かしながらずっとふる。ビューク(2008 年2月22日、他)が彼女をツアーに起用するというニュースを聞いても大きく頷くと、終演後に思った。
<今日の、新知識>
行き帰りは、『Kuniko Plays Reich』の録音やサラウンド・マスタリングを部分担当したオノセイゲン(2000年3月15日、2009年1月17日、2011年8月4日)と一緒。相変わらず、海外にはよく行っているようだな。少し前にはカナダのマギル大学(音楽の課程は有名で、カナダのミュージシャンでここを出た人は少なくない)でジョージ・マッセンバーグらとしゃべってきたそう。もともとリンの丸基調の少し幾何学的社紋はお洒落で、大学生のころそのレコード・プレイヤーには憧れたことはあったが、なんでも同社は現在、高品質デジタル音楽配信に熱心で、CDは発売しているものの、CDプレイヤーの製造はやめてしまったのだそう。とか、いろいろセイゲンから教えてもらう。
加藤は創造性と自我をたっぷりつぎ込んだソロ活動にげんざい邁進していて、ハイ・エンドのオーディオ機器で良く知られるグラスゴーのリンのオーディオ・ソフト部門と契約。そこから出されたステォーヴ・ライヒ曲集『Kuniko Plays Reich』は昨年のリン・レコードのベスト作品に選ばれたのだという。そのライヒのカウンターポイント(対位法)曲をパーカッションのヴァージョンに彼女がアレンジし一人で多重録音した『Kuniko Plays Reich』はライヒ当人お墨付きのもと世に出ており(添付原稿も提供)、昨年から各国でその実演版が披露されていて、2週間前にはNYでも同様なものをやっているようだ。
マリンバ、ヴァイブラフォン、グリッケンシュピール、小さな金属の皿みたいなのが20個ぐらいならんだやつ、そしてスティール・パンが3つ。さらに、その楽器群のまわりをエクリプスの変形スピーカー10体が囲む。その前奏と中奏ではソロによる生演奏が披露されたが、ライヒ曲(「エレクトリック・カウンターポイント」、「シックス・マリンバズ・カウンターポイント」、「ヴァーモント・カウンターポイント」、「ニューヨーク・カウンターポイント」)演奏に関してはPC音を下敷きに、生演奏を重ねるというスタイルで事は進められる。もともとライヒのカウンターポイント曲は公演でステレオPAを用いることが明記されているようだが、ここではCDにおけるアンサンブルをよりリアルに再現するために10チャンネルにプリセット音を振ってサラウンド環境を求めている。
いろんな部分で挑戦し、枠を超えようとするパフォーマンス。信頼できる協調者がいるなら皆でせえのでやったほうがいいとは感じるが、せえのでやるのが当然のクラシックの世界においてはこういうことも多大な挑戦となるのだろうな。しかし、ミニマル・ミュージックの場合、バックのトラック音がどんどん厚く(音数が増えて)いくと、生演奏を巧みにサンプリングしているような感覚を与えるのはとてもおもしろい。それから、ちょいパット・メセニーのオーケストリオン(2010年6月12日)を思い出させる局面も。そういえば、「エレクトリック・カウンターポイント」は最初ライヒがパット・メセニー(2012年3月3〜4日、他)のために作った曲だったんだっけか。アンコールは中南米的(わあ、大ざっぱな言い方)属性を持つトラックが流され、彼女は両手に持ったマラカスを身体を動かしながらずっとふる。ビューク(2008 年2月22日、他)が彼女をツアーに起用するというニュースを聞いても大きく頷くと、終演後に思った。
<今日の、新知識>
行き帰りは、『Kuniko Plays Reich』の録音やサラウンド・マスタリングを部分担当したオノセイゲン(2000年3月15日、2009年1月17日、2011年8月4日)と一緒。相変わらず、海外にはよく行っているようだな。少し前にはカナダのマギル大学(音楽の課程は有名で、カナダのミュージシャンでここを出た人は少なくない)でジョージ・マッセンバーグらとしゃべってきたそう。もともとリンの丸基調の少し幾何学的社紋はお洒落で、大学生のころそのレコード・プレイヤーには憧れたことはあったが、なんでも同社は現在、高品質デジタル音楽配信に熱心で、CDは発売しているものの、CDプレイヤーの製造はやめてしまったのだそう。とか、いろいろセイゲンから教えてもらう。
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