Schroeder-Headz

2012年3月28日 音楽
 いろんな邦人サポートに引っ張りだこの(大手音楽プロダクションに所属しているので、そうとう売れっ子なんだと思う)キーボード奏者である渡辺シュンスケのユニット。ツアーの最終日だそうだが、なんとダブルのリズム隊を率いてパフォーマンス。5人による演奏と言うのは、ツアーを通じてのものなんだろうか。ベース奏者は一人は電気で、もうひとりは縦と電気の両方を弾く。接していて、坂本龍一(2012年3月21日、他)が好きなんだろうなとなぜか感じる部分アリ。で、いろんなことをやっているが、ベン・フォールズ的回路で今様な部分も持つポップ・インストをやっていると、ぼくは説明したくなるか。基本即興性はないが(だから、こういうのを語るのにジャズという言葉を用いてはいけません)、けっこう有機的に事を進めてもいて、ポップ・インストゥルメンタルという行き方において明晰で、楽しめることをやっていると思った。

 あと感心したのは、地味な外見なのに、ちゃんと聞き手に向かった娯楽性を随所に出していたこと。ちゃんと押しどころを知り、キーボードに寝たり立ったり、お茶目にピアニカを手にしたりと、受け手が高揚できるような所作を違和感なくしていた。でありつつ、基本、外タレと同様にあまりMCをしないのも偉い。日本人アクトは愚にもつかないMCをしすぎる。会場は、渋谷・クラブクアトロ、かなり混んでいた。アンコールでは音大の後輩だという、東京事変の鍵盤奏者(この日のオープニング・アクトをやったよう)も一緒にやる。

<今日の、感心>
 渡辺はローランドの、なんとか700なんとか、という機種1本だけをステージにおいて演奏していた。なんか、偉いっと、ぼくは思ってしまったナ。今時、サポートのミュージシャンでも複数台のキーボードを並べるのに潔い。けっこう、複数台つかっていても、この音色変化なら1台でもだいじょうぶぢゃん、ってときもなくはないしね。それは、オレが乱暴者だから出てくる感想かな。

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