ルル・ゲンズブール。ビリー・チャイルズ・カルテット
2012年3月15日 音楽 ルル・ゲンズブールは、その名字で察しがつくようにキャラクタリスティックな仏シンガー・ソングライターであるセルジュ・ゲンズブールの息子だ。セルジュと混血モデルのバンブーとの間に1986年に生まれているので、彼が5歳のときに父親は亡くなったということになる。もちろんシャルロット・ゲンズブールは異母姉、仲はいいようで、シャルロットのベック制作の2010年作『IRM』(エレクトラ)にルルはレコーディング参加していた。そして、バークリー音楽大学も出ているという彼は2011年ユニヴァーサルから父親の曲をひも解き直した初リーダー作『フロム・ゲンズブール・トゥ・ルル』(原題も同じ)をリリース、そこで彼は表現統括者的な位置に基本いて、各曲にルーファス・ウェインライト、イギー・ポップ、ヴァネッサ・パラディ、ジョニー・ディップ、マリアンヌ・フェイスフル、シェイン・マガウアン、リチャード・ボナらを配置していた。
ステージ上に登場した本人は、ヌポーとした人。デビュー作ジャケットの絵とはかなり離れた感じ。外見だけだと、父親を想起させる部分はたぶん(ぼく、そんなにセルジュ・ゲンズブールのこと詳しくないもので)ない。1曲ごとに挟む曲紹介MCは英語とフランス語のチャンポンで、単語数はとても少ないものの、確かなイントネーションの日本語も時に挟む。ちょい素人くさいが、途中からコイツほんといい奴なんだろうなという所感がぼくのなかでは膨らんだ。1曲目はドラムから始まったのだが、それはもろにスティーヴィー・ワンダーの「迷信」ふうであった。
バンドはサックス、鍵盤、ギター、電気ベース、ドラムス。うち、サックス奏者や鍵盤奏者は父(ルルは「マイおとうさん」とMCで言ったりも)のバンドにいたミュージシャンで、アメリカに住んでいると紹介されたか。スタン・ハリソンというサックス奏者以外は、皆フランス人ぽい名前を持つ。実はそのハリソンは80年代以降NYのスタジオ界でけっこう活躍している人物で、デイヴィッド・ボウイ、デュラン・デュラン、トーキング・ヘッズ、デイヴィッド・サンボーン、レディオヘッド、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツなど、いろんなアルバムに名を出している。ブルース・スプリングスティーンの2012年新作『レッキング・ボール』(コロムビア)にも彼は参加していますね。
先に少し触れたように、ぼくは“ジャマイカに行ったり、女装したりする”ゲンズブールしか知らない聞き手なので、断言はできないが、披露される曲はどれもゲンズブール曲であったよう。パリ生活の長い人が、そう言っていた。基本、シンプルな伴奏にのって、中央に立つルル・ゲンズブールが歌う。また、彼がピアノを弾くインスト曲もあった。六本木・ビルボードライブ、ファースト・ショウ。
そして、南青山・ブルーノート東京で、西海岸在住ジャズ・ピアニストのカルテットを見る。
で、まずは不明を恥じたりして。実はその奇麗な弾き口もあり(編曲にもたけ、クラシックの素養も持ちそう)、ぼくはビリー・チャイルズ(57年、カリフォルニア州生まれ)のことを白人奏者だとばかり思っていたのだ。が、どうやら肌の色は濃くはないもののアフリカンの血が入っていると、本人を見て了解。1980年代後期にアルバム・デビューの機会を与えられ、当分在籍したのが、ウィンダム・ヒルであったという事実はその勘違いの発端となっているか。サイド奏者は、アルトとソプラノ・サックスのスティーヴン・ウィルソン(61年、ヴァージニア州生まれ)、ベースのスコット・コリー(63年、カリフォルニア州生まれ)、ドラムのブライアン・ブレイド(70年、ルイジアナ州生まれ。2011年5月21日、他)という、みんな10作前後のリーダー作を持つ腕利きたち。なにげに、ミュージシャンズ・ミュージシャンであると、思わせられる。
演奏したのは、チャイルズのオリジナル曲が主だったのかな。サラサラ感を持ちつつもけっこういろんな含蓄や思惑が差し込まれていて難しいんだろうナと思わせる曲を題材に、4人で淡々と音を重ねていく。手癖がきれい、間違いなく高尚にして、上品。そして、その奥に、ジャズをジャズたらしめる、一握りの刺や濁りがある。なんとなく、霞を食べているような、仙人ジャズだとも思った。
MCによれば、初来日は1977年のJ.J.ジョンソンのバンドであったそう。それを言ったとき、ウィルソンがすごい小さいときだよねという素振りを見せ、笑いを誘う。リーダーとしての来日公演は今回が初とか。素直に、うれしそう。気合いれて、サイド・マンをそろえた? ウィルソンとチャイルズは同じチック・コリア関連サークルにいたとも言えるし、リズム隊はコンビを組むときもある。直近では、ジョン・スコフィールドの2011年盤に2人は参加していますね。という面々に接しながら、ミュージシャンの輪をめくっていくような感覚もぼくは得たか。
<今日の、ブルブル>
日々、日は長くなっているが、暗くなると寒い。今日は風もあって、よけいに寒さを感じた。あー、鼻水が出るよお。という状況ではあるのだが、3月を回ると、大げさなコートとかは生理的に着づらくなる。厚着していると、春の到来に鈍感な、イケてない人という感じが出てしまうようで。。。事実、他の人々の格好を見ても、まだ真冬の人もいることはいるが、それなりに薄着になっているよな。でも、寒い。飲んでいても、まだ花見の話は出ない。まだまだマフラーははなせません。
ステージ上に登場した本人は、ヌポーとした人。デビュー作ジャケットの絵とはかなり離れた感じ。外見だけだと、父親を想起させる部分はたぶん(ぼく、そんなにセルジュ・ゲンズブールのこと詳しくないもので)ない。1曲ごとに挟む曲紹介MCは英語とフランス語のチャンポンで、単語数はとても少ないものの、確かなイントネーションの日本語も時に挟む。ちょい素人くさいが、途中からコイツほんといい奴なんだろうなという所感がぼくのなかでは膨らんだ。1曲目はドラムから始まったのだが、それはもろにスティーヴィー・ワンダーの「迷信」ふうであった。
バンドはサックス、鍵盤、ギター、電気ベース、ドラムス。うち、サックス奏者や鍵盤奏者は父(ルルは「マイおとうさん」とMCで言ったりも)のバンドにいたミュージシャンで、アメリカに住んでいると紹介されたか。スタン・ハリソンというサックス奏者以外は、皆フランス人ぽい名前を持つ。実はそのハリソンは80年代以降NYのスタジオ界でけっこう活躍している人物で、デイヴィッド・ボウイ、デュラン・デュラン、トーキング・ヘッズ、デイヴィッド・サンボーン、レディオヘッド、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツなど、いろんなアルバムに名を出している。ブルース・スプリングスティーンの2012年新作『レッキング・ボール』(コロムビア)にも彼は参加していますね。
先に少し触れたように、ぼくは“ジャマイカに行ったり、女装したりする”ゲンズブールしか知らない聞き手なので、断言はできないが、披露される曲はどれもゲンズブール曲であったよう。パリ生活の長い人が、そう言っていた。基本、シンプルな伴奏にのって、中央に立つルル・ゲンズブールが歌う。また、彼がピアノを弾くインスト曲もあった。六本木・ビルボードライブ、ファースト・ショウ。
そして、南青山・ブルーノート東京で、西海岸在住ジャズ・ピアニストのカルテットを見る。
で、まずは不明を恥じたりして。実はその奇麗な弾き口もあり(編曲にもたけ、クラシックの素養も持ちそう)、ぼくはビリー・チャイルズ(57年、カリフォルニア州生まれ)のことを白人奏者だとばかり思っていたのだ。が、どうやら肌の色は濃くはないもののアフリカンの血が入っていると、本人を見て了解。1980年代後期にアルバム・デビューの機会を与えられ、当分在籍したのが、ウィンダム・ヒルであったという事実はその勘違いの発端となっているか。サイド奏者は、アルトとソプラノ・サックスのスティーヴン・ウィルソン(61年、ヴァージニア州生まれ)、ベースのスコット・コリー(63年、カリフォルニア州生まれ)、ドラムのブライアン・ブレイド(70年、ルイジアナ州生まれ。2011年5月21日、他)という、みんな10作前後のリーダー作を持つ腕利きたち。なにげに、ミュージシャンズ・ミュージシャンであると、思わせられる。
演奏したのは、チャイルズのオリジナル曲が主だったのかな。サラサラ感を持ちつつもけっこういろんな含蓄や思惑が差し込まれていて難しいんだろうナと思わせる曲を題材に、4人で淡々と音を重ねていく。手癖がきれい、間違いなく高尚にして、上品。そして、その奥に、ジャズをジャズたらしめる、一握りの刺や濁りがある。なんとなく、霞を食べているような、仙人ジャズだとも思った。
MCによれば、初来日は1977年のJ.J.ジョンソンのバンドであったそう。それを言ったとき、ウィルソンがすごい小さいときだよねという素振りを見せ、笑いを誘う。リーダーとしての来日公演は今回が初とか。素直に、うれしそう。気合いれて、サイド・マンをそろえた? ウィルソンとチャイルズは同じチック・コリア関連サークルにいたとも言えるし、リズム隊はコンビを組むときもある。直近では、ジョン・スコフィールドの2011年盤に2人は参加していますね。という面々に接しながら、ミュージシャンの輪をめくっていくような感覚もぼくは得たか。
<今日の、ブルブル>
日々、日は長くなっているが、暗くなると寒い。今日は風もあって、よけいに寒さを感じた。あー、鼻水が出るよお。という状況ではあるのだが、3月を回ると、大げさなコートとかは生理的に着づらくなる。厚着していると、春の到来に鈍感な、イケてない人という感じが出てしまうようで。。。事実、他の人々の格好を見ても、まだ真冬の人もいることはいるが、それなりに薄着になっているよな。でも、寒い。飲んでいても、まだ花見の話は出ない。まだまだマフラーははなせません。
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