パット・メセニー・ウィズ・ラリー・グレナディア
2012年1月25日 音楽 ジャズ系ギターの現代巨匠(2010年6月12日、他)の今回の来日公演は、ウッド・ベーシストのラリー・グレナディア(2009年3月1日、他)とのデュオによるもの。南青山・ブルーノート東京、8日間にわたって彼は出演。休日となる日を1日おいての、後半の初日の最初の回(ファースト・ショウ)を、ぼくは見た。
冒頭、ピカソ・ギターのソロ演奏。アンプリファイドされた音が生理的に汚い。とともに、なんかルーティン化しているというか、決まりきったことをやっているナとの感想を持つ。
その後は、グレナディアが出てきて、デュオにてパフォーマンス。メセニーはセミ・アコを主に弾いていたか。最初のスタンダードっぽい2曲はスリルねえなあ、二人の楽器の音色が固くて、味わい薄いなあなぞと聞いていた。が、デュオになってからの3曲目、いかにもメセニーぽいなだらかな草原の広がりを想起させるような曲から、かなり印象が変わる。絶妙の噛み合いのもと、ジャズを根に起きつつもいろんな音楽を受けている二人のイマジネイションと歌心がすうっと舞い上がっていく様を実感できて……。その次のブルージィな感じで始まった曲の中間のベース・ソロの部分において、メセニーはバンジョーのような感覚で刻み伴奏をしていたな。ふふふ。
ときに、両者はほんとうに隣り合うような密な位置関係で音を出し合う。背景には貧乏くさい黒の煙幕が張られていてどうしてかなと思っていたら、後半あっと驚くサプライズが。二人で演奏を始めたと思ったら、鳴り物系の音やベース・ドラムの音が入ってくる。??? そしたら、黒のカーテンがあけられて、背後にどーんと鎮座していたのは、オーケストリオン! わあ。前回のトリフォニーホール公演のものと比べれば小型だが、まさかこのお化けの玩具のような酔狂きわまりない自動演奏装置をまた持ってきているなんて。なんか、その事実だけで、ぼくは彼とブルーノートとの信頼関係を見たりもしちゃった。
アンコールは生ギターを単独で弾く。昨年リリースのソロ・ギターによる新作のクローザーだったレノン/マッカートニーの「アンド・アイ・ラヴ・ハー」。ほんと口ずさむように弾かれるそれはとってもいいんだけど、音質が電気的すぎるとまた感じる。これじゃ、全部同じギターでまかなえるじゃん。ともかく、なんだかんだ言って、非グループでできる事は一通り出したとも言える“品揃え”、メセニーは誠心に気張っていたと感じた。
<今日の、グレナディア>
今回、クレナディアの力量の高さについて、ほうと頷く。曲種にそっていろんな情報を持つフレイジングを的確に出していて、感心した。ときには、わざと音程を微妙に外し濁りの感覚を出すようなこともしていたか? で、そんな手だれの様に触れながら、半年前ぐらいにインタヴューの場で、誰かとグラナディアのことで意見の交換をしたナと、おぼろげな記憶にむずむずとなっちゃう。この後、業界の新年会に回った際、それはジャズ・ピアニストの山中千尋(2011年8月6日、他)だったとふと思い出す。彼女、去年のアルバムで部分的に、グレナディアとグルーヴ・マスターのバーナード・パーディにリズム隊コンビを組ませていた。で、大胆なことするねえとか話をふったら、「何言ってんですか。グレナディアはぁ〜」と反駁されたんだよなー。
冒頭、ピカソ・ギターのソロ演奏。アンプリファイドされた音が生理的に汚い。とともに、なんかルーティン化しているというか、決まりきったことをやっているナとの感想を持つ。
その後は、グレナディアが出てきて、デュオにてパフォーマンス。メセニーはセミ・アコを主に弾いていたか。最初のスタンダードっぽい2曲はスリルねえなあ、二人の楽器の音色が固くて、味わい薄いなあなぞと聞いていた。が、デュオになってからの3曲目、いかにもメセニーぽいなだらかな草原の広がりを想起させるような曲から、かなり印象が変わる。絶妙の噛み合いのもと、ジャズを根に起きつつもいろんな音楽を受けている二人のイマジネイションと歌心がすうっと舞い上がっていく様を実感できて……。その次のブルージィな感じで始まった曲の中間のベース・ソロの部分において、メセニーはバンジョーのような感覚で刻み伴奏をしていたな。ふふふ。
ときに、両者はほんとうに隣り合うような密な位置関係で音を出し合う。背景には貧乏くさい黒の煙幕が張られていてどうしてかなと思っていたら、後半あっと驚くサプライズが。二人で演奏を始めたと思ったら、鳴り物系の音やベース・ドラムの音が入ってくる。??? そしたら、黒のカーテンがあけられて、背後にどーんと鎮座していたのは、オーケストリオン! わあ。前回のトリフォニーホール公演のものと比べれば小型だが、まさかこのお化けの玩具のような酔狂きわまりない自動演奏装置をまた持ってきているなんて。なんか、その事実だけで、ぼくは彼とブルーノートとの信頼関係を見たりもしちゃった。
アンコールは生ギターを単独で弾く。昨年リリースのソロ・ギターによる新作のクローザーだったレノン/マッカートニーの「アンド・アイ・ラヴ・ハー」。ほんと口ずさむように弾かれるそれはとってもいいんだけど、音質が電気的すぎるとまた感じる。これじゃ、全部同じギターでまかなえるじゃん。ともかく、なんだかんだ言って、非グループでできる事は一通り出したとも言える“品揃え”、メセニーは誠心に気張っていたと感じた。
<今日の、グレナディア>
今回、クレナディアの力量の高さについて、ほうと頷く。曲種にそっていろんな情報を持つフレイジングを的確に出していて、感心した。ときには、わざと音程を微妙に外し濁りの感覚を出すようなこともしていたか? で、そんな手だれの様に触れながら、半年前ぐらいにインタヴューの場で、誰かとグラナディアのことで意見の交換をしたナと、おぼろげな記憶にむずむずとなっちゃう。この後、業界の新年会に回った際、それはジャズ・ピアニストの山中千尋(2011年8月6日、他)だったとふと思い出す。彼女、去年のアルバムで部分的に、グレナディアとグルーヴ・マスターのバーナード・パーディにリズム隊コンビを組ませていた。で、大胆なことするねえとか話をふったら、「何言ってんですか。グレナディアはぁ〜」と反駁されたんだよなー。
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